健康・ヘルスケア
2021.7.20

加齢臭には種類があるってホント?真相を専門家に直撃!【美容の常識ウソ?ホント?】

日常生活で生まれる美容の疑問を専門家に答えてもらうこのコーナー。今回は、“体臭”について。加齢臭には種類があるって…ウソ? ホント? 東海大学理学部化学科教授の関根嘉香先生にお答えいただきます。

Q:加齢臭には種類があるってホント?

今やメジャーな言葉となった「加齢臭」。中年男性から放たれるむうっとしたニオイをイメージする人が多いかもしれませんが、実は、複数のニオイの種類があるらしいというウワサが。本当なのでしょうか。さっそく、この疑問を関根先生にぶつけてみました! 果たして答えは…?

A:ホント

「一般的にイメージする加齢臭とは、2-ノネナールのこと。これは皮脂の酸化分解によって発生します。30代後半から急激に増え始め、50代~60代に顕著な臭いになるのが特徴です。

しかし、実はこれ以外にも、加齢に伴う皮膚ガスがふたつあります。ひとつめは、“30代男性臭”と呼ばれる、ぺラルゴン酸。皮脂の酸化分解によるものです。ふたつめは、3040代男性に現れる“ミドル脂臭”こと、ジアセチル。皮膚常在菌による代謝物です。加齢臭といえども、その原因となる皮膚ガスが異なるのです」(関根先生・以下「」内同)

  • 一般的にイメージする加齢臭は、2-ノネナールのこと
  • 2-ノネナール以外にも、加齢に伴う皮膚ガスがある
  • ひとつは、30代男性臭と呼ばれるぺラルゴン酸
  • ふたつめは、ミドル脂臭と呼ばれるジアセチル
  • 加齢臭といえども、その原因となる皮膚ガスが異なる

加齢臭を消す方法は?

「残念ながら、一度出てしまった加齢臭が消えるというのは難しいでしょう。でちゃったものは、しょうがない!と割り切って、いかに臭いを予防するかが大事ですよ」

加齢臭の対処法とは?

「体臭の源となる皮膚ガスには、皮膚の表面でできるものと、体の中から発生するものがあります。もちろん体の中から発生するものは洗っても落ちませんが、皮膚の表面でできるものは洗えば落ちます。

加齢に伴う皮膚ガスの、2-ノネナール、ジアセチル、ペラルゴン酸は皮膚の表面でできるものなので、洗えば一時的に臭いは落ちます。さらに、対策としておすすめしているのが、1日2回、朝と晩にお風呂に入ること。朝お風呂に入ることで、夕方まで加齢臭を抑えることができます。

また、石鹸を使うことで臭いを効果的に落とすことができますが、気をつけたいのが洗いかたです。ゴシゴシ強く洗いすぎると、逆に皮脂の分泌が増えてしまいます」

Point

・臭いには洗って落ちるものと、落ちないものがある
・洗えば落ちるもの…2-ノネナール(代表的な加齢臭)、ジアセチル(加齢臭の種類のひとつで、ミドル脂臭と呼ばれる)、イソ吉草酸(汗臭)、酢酸
・洗っても落ちないもの…アセトン(ダイエット臭)、アセトアルデヒド(酒臭)、ニコチン、アンモニア(疲労臭)

東海大学理学部化学科教授。慶應義塾大学大学院非常勤講師。室内環境学会副理事長。

関根 嘉香先生

文/木土さや

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

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