加齢臭には種類があるってホント?真相を専門家に直撃!【美容の常識ウソ?ホント?】
日常生活で生まれる美容の疑問を専門家に答えてもらうこのコーナー。今回は、“体臭”について。加齢臭には種類があるって…ウソ? ホント? 東海大学理学部化学科教授の関根嘉香先生にお答えいただきます。
Q:加齢臭には種類があるってホント?
今やメジャーな言葉となった「加齢臭」。中年男性から放たれるむうっとしたニオイをイメージする人が多いかもしれませんが、実は、複数のニオイの種類があるらしいというウワサが。本当なのでしょうか。さっそく、この疑問を関根先生にぶつけてみました! 果たして答えは…?
A:ホント
「一般的にイメージする加齢臭とは、2-ノネナールのこと。これは皮脂の酸化分解によって発生します。30代後半から急激に増え始め、50代~60代に顕著な臭いになるのが特徴です。
しかし、実はこれ以外にも、加齢に伴う皮膚ガスがふたつあります。ひとつめは、“30代男性臭”と呼ばれる、ぺラルゴン酸。皮脂の酸化分解によるものです。ふたつめは、30~40代男性に現れる“ミドル脂臭”こと、ジアセチル。皮膚常在菌による代謝物です。加齢臭といえども、その原因となる皮膚ガスが異なるのです」(関根先生・以下「」内同)
- 一般的にイメージする加齢臭は、2-ノネナールのこと
- 2-ノネナール以外にも、加齢に伴う皮膚ガスがある
- ひとつは、30代男性臭と呼ばれるぺラルゴン酸
- ふたつめは、ミドル脂臭と呼ばれるジアセチル
- 加齢臭といえども、その原因となる皮膚ガスが異なる
加齢臭を消す方法は?
「残念ながら、一度出てしまった加齢臭が消えるというのは難しいでしょう。でちゃったものは、しょうがない!と割り切って、いかに臭いを予防するかが大事ですよ」
加齢臭の対処法とは?
「体臭の源となる皮膚ガスには、皮膚の表面でできるものと、体の中から発生するものがあります。もちろん体の中から発生するものは洗っても落ちませんが、皮膚の表面でできるものは洗えば落ちます。
加齢に伴う皮膚ガスの、2-ノネナール、ジアセチル、ペラルゴン酸は皮膚の表面でできるものなので、洗えば一時的に臭いは落ちます。さらに、対策としておすすめしているのが、1日2回、朝と晩にお風呂に入ること。朝お風呂に入ることで、夕方まで加齢臭を抑えることができます。
また、石鹸を使うことで臭いを効果的に落とすことができますが、気をつけたいのが洗いかたです。ゴシゴシ強く洗いすぎると、逆に皮脂の分泌が増えてしまいます」
Point
・臭いには洗って落ちるものと、落ちないものがある・洗えば落ちるもの…2-ノネナール(代表的な加齢臭)、ジアセチル(加齢臭の種類のひとつで、ミドル脂臭と呼ばれる)、イソ吉草酸(汗臭)、酢酸
・洗っても落ちないもの…アセトン(ダイエット臭)、アセトアルデヒド(酒臭)、ニコチン、アンモニア(疲労臭)
文/木土さや
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環境と健康の化学が専門。皮膚ガス研究の第一人者。日本テレビ「世界一受けたい授業」NHK「ガッテン!」をはじめ、テレビ、雑誌でも活躍中。
東海大学理学部化学科 関根嘉香研究室