健康・ヘルスケア
2021.5.17

生理前の眠気・だるさ、なんとかしたい!6つの「対策」を医師が教えます

生理前になると強い眠気やだるさに襲われて「仕事に支障が出てしまう…」「眠くてたまらないのに、寝ようとすると眠れない…」と、お困りの女性は多いでしょう。これは「PMS(月経前症候群)」と呼ばれる症状の1つです。症状を軽減する対処法や生活習慣を医師に教えてもらいました。つらいPMSを少しでもラクに、ぜひ参考にしてみて!

生理前に眠い・だるい「理由」

PMS(月経前症候群)で起こる症状の1つ

産婦人科医

吉形 玲美先生

「PMSは、排卵の後、 黄体ホルモンが大量に分泌される時期に起こる体や心のさまざまな不調。だるさ、むくみ、胸のハリ、精神的な落ち込み、イライラなどは、典型的な症状です。 その原因は、生理痛とは違って、実ははっきりとわかっていません。ただし、女性ホルモンの大きな変動やバランスの乱れが大きく関わっていることは確かです。PMSの症状が重くなる原因としては、ストレスや乱れた食習慣、性格などが上げられます」(吉形先生)

 

PMSを軽減する対処法「6つ」

  1. 「婦人科」で適切な方法を指導してもらう
  2. 「ピル」を活用
  3. 「漢方薬」で体質改善
  4. 「菌活」を取り入れる
  5. 「ストレッチ」でリラックス
  6. 「香り」で気分を落ち着ける

【1】「婦人科」で適切な方法を指導してもらう

アヴェニューウィメンズクリニック 院長

福山 千代子先生

「生理前のイライラ、落ち込み、疲れ、眠気、肌あれなど、いわゆるPMSの症状も、それで生活に支障が出るようなら我慢すべきではありません。 一度婦人科を受診して、低用量ピルや漢方薬など、つらい症状を的確にコントロールする方法を指導してもらいましょう。 また、ストレスの多い日常を見直すことも大切。ビタミン・ミネラルたっぷりの食事、適度な運動や休息、良質な睡眠など、自律神経やホルモンのバランスが自然に整ってくるようなライフスタイルを心掛けて!」(福山先生)

 

【2】「ピル」を活用する

産婦人科医

吉形 玲美先生

ピルは月経トラブルやPMS改善に効果あり

「ピルは従来、避妊目的の薬でしたが、 排卵を休ませる、子宮内膜を厚くしないといった作用が、月経トラブルやPMSの改善などのうれしい副効用をもたらします。 まず排卵をしないので、排卵痛が起こりません。生理の重い人は、経血量や生理痛が軽減されます。 PMSは、排卵後に大量に分泌されるホルモンの影響が大きいため、排卵が起きなければ、その症状も緩和できます。 また、ホルモンバランスが整って、ニキビや肌あれが良くなることも。日本では、こういった副効用のうち、月経困難症や子宮内膜症の治療のために使用される低用量ピル・超低用量ピルを『LEP(レップ)』 と呼び、避妊薬『OC』と区別しています」(吉形先生)

 

ピルのセレクトは医師に相談を

「低用量ピルは、 含まれる黄体ホルモンの種類によって1~3世代、配合量で1相性と3相性に分かれます。1相性はホルモン量で一定で、生理痛やPMSの緩和向き。 3相性は自然なホルモン分泌の波に近づけた3段階の量で、生理不順の改善や避妊薬として出すことが多いです。現在、月経困難症や子宮内膜症に対しては保険適応のピルが処方されます」

\1相性として代表的なマーベロン28/

第3世代・1相性のピル。28錠タイプは、休薬の1週間分にプラセボ(偽薬)が入り。プラセボを抜いた21錠のホルモンの量は一定。

 

【3】「漢方薬」で体質改善

イシハラクリニック 副院長

石原 新菜先生

温経湯(うんけいとう)

  • 脈やおなかの力が弱い虚弱なタイプの人の、月経不順や月経困難症、PMSなどを和らげる。
  • 「血虚」(血不足)を改善する薬で冷え性にも効果的。

【4】「菌活」を取り入れる

KINS 代表取締役社長

下川 穣さん

膣・皮膚・口内にいる「常在菌」のバランスが大事

「排卵を境に変動する女性ホルモン(プロゲステロン=黄体ホルモン)。これが増えることによって出る プロスタグランジンという炎症性物質が、PMSや生理痛に関係しています。

そして、この炎症性物質はカンジダ菌からも出るものなのです。 カンジダ菌は健康な女性の膣にも存在する常在菌。ですが、菌のバランスが悪く、活性化してしまうと炎症性物質を出してPMSや生理痛の原因となる可能性がある わけです。そのため、 菌活でカンジダ菌を抑制することでPMSや生理痛も改善できる可能性がある と言えるでしょう」(下川さん・以下「」内同)

カンジダ菌を抑える方法「2つ」

「すべてのPMSや生理痛がカンジダによるものではありません。しかし、カンジダが関係している場合は増殖を抑えることが大事、ということは明確です。カンジダというのは膣だけでなく皮膚や口内、消化管、膣にも存在します。それがバカーっと増えるとまずいだけで、普通に抑えられている状態であればおとなしい菌なのです。

カンジダの増殖を抑える方法は大きく2つあり、 歯磨きを1日3回行うことと、酵母菌の摂取。 歯磨きをするだけで意外なことに体内のカンジダの数を大きく減らすことができます。

そして、さまざまな種類の酵母菌がカンジダを減らすことがわかってきています。サプリなどで簡単に摂取できるものがおすすめです」

  1. 1日3回の歯磨き
  2. サプリなどで酵母菌を摂取

\おすすめサプリ/

KINS SUPPLEMENTS
  • 生きた乳酸菌と腸内の菌の餌になる乳酸菌を22種類。
  • それに加え酵母菌、乳酸菌生産物質(乳酸菌が作り出した天然の栄養素)を配合。
  • 特にカビの働きを妨げる酵母菌を採用し、増殖したときに悪さをするカンジダの増殖を抑えることが期待できるサプリ。
価格
[1か月分の単品購入]¥10,152

【5】「ストレッチ」でリラックス

イシハラクリニック 副院長

石原 新菜先生


「寝る前にストレッチで全身をよくほぐしておくと、体も心もリラックスできて 入眠がスムース。生理前の不調や生理痛の軽減にも効果的 です。深く呼吸しながら、瞑想をすることも」(石原先生)

 

【6】「香り」で気分を落ち着ける

カラーズ株式会社 ブランド・経営戦略室 室長/植物療法士

星野 啓太さん

「PMSに関わっていると言われている女性ホルモンのプロゲステロン、エストロゲン。この2つの女性ホルモンのバランスを調整する プロゲステロン様、エストロゲン様作用がある精油があるため、香りはPMSに効果的だと言えます 」(星野さん・以下「」内同)

PMSにおすすめの精油・使い方

「ゼラニウム、ホーリーフの精油には緊張や不安、イライラなどを抑える作用があるので、PMS症状が辛いときに香っていただくことがおすすめです。

アーモンドオイルやホホバオイルなどのキャリアオイルに精油を混ぜたボディオイルを、デコルテまわりに塗っていただくと、香りを吸引しやすいのでより効果的です。精油は濃度が高すぎると肌を刺激してしまう恐れもあるので、ご自身でボディオイルを作るときはキャリアオイルに対して精油は1%くらいになるようにしましょう。余ったオイルは酸化防止のためにも遮光瓶に入れて、早めに使い切るようにしましょう」

  • ゼラニウム、ホーリーフの精油は緊張や不安、イライラなどを抑える。
  • アーモンドオイルやホホバオイルなどのキャリアオイルに精油を混ぜ、デコルテまわりに塗ると効果的!
  • キャリアオイルに対して精油は1%くらいになるように。
  • 余ったオイルは遮光瓶に入れて、早めに使い切る。

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

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