甘酒の「栄養」と「糖質」まとめ|ダイエット・美容への取り入れ方
とろりとした口当たりとやさしい甘みが特徴的な、甘酒。米麹とご飯、水を原料とした発酵食品でもある飲みものです。この記事ではダイエットや糖質制限などを行っている方へ、甘酒の糖質や栄養素を見ながら、おすすめの摂り方を管理栄養士がご紹介します。
甘酒の「糖質」と「カロリー」
甘酒100gのエネルギーおよび糖質
甘酒
エネルギー:76kcal
糖質:17.9g
※米麹、炊いたご飯、水を混ぜ合わせ、発酵させて作る甘酒の栄養価です
出典:文部科学省|日本食品標準成分表2020年版(八訂)
ほかの飲み物100gとの比較
飲み物の種類 | エネルギー(kcal) | 糖質(g) |
---|---|---|
牛乳(普通牛乳) | 61 | 4.8 |
オレンジジュース (果実飲料/ストレートジュース) |
45 | 10.7 |
コーラ | 46 | 11.4 |
出典:文部科学省|日本食品標準成分表2020年版(八訂)
甘酒はほかの飲み物に比べると、100gあたりのエネルギーと糖質が高いことがわかります。
甘酒に多く含まれる「栄養素」
甘酒100gに含まれる主な栄養素は、以下のとおりです。
たんぱく質:1.7g
脂質:0.1g
食物繊維:0.4g
ビタミンB1:0.01mg
ビタミンB2:0.03mg
ビタミンB6:0.02mg
出典:文部科学省|日本食品標準成分表2020年版(八訂)
甘酒には糖質やたんぱく質、ビタミンB群といった体に必要不可欠な栄養素が含まれています。これらの成分は、米麹に由来する麹菌や酵素の働きによって作り出されたものです。
糖質
脳が活動したり、筋肉を動かしたりするエネルギー源となる重要な栄養素が糖質です。ダイエットのために糖質の摂取を極端に控えてしまうと、筋肉中のたんぱく質がエネルギーに使われて、筋肉量が減少してしまいます。筋肉量を維持し、効率よく減量するために、ダイエット中でも適度に糖質を摂ることが大切です。
たんぱく質
糖質、脂質とともに三大栄養素のひとつに挙げられる、体にとって重要な物質です。たんぱく質は主に肌や髪、筋肉、内臓などの構成成分となります。体の機能を調整するホルモンや酵素の材料、熱を作って体を動かすエネルギー源にも利用される栄養素です。
ビタミンB群
甘酒にはビタミンB1やビタミンB2、ビタミンB6、ナイアシンなどのビタミンB群が含まれています。これらの栄養素の主な働きは、糖質や脂質、たんぱく質の燃焼をサポートすることです。ほかにも、肌や髪を健やかに保つ、異物から体を守る免疫機能を維持するなどの働きがあります。
ダイエットに効果的な「摂取方法」
摂取量
ビタミンB群やたんぱく質を細かくしたアミノ酸が含まれる甘酒は、「飲む点滴」といわれるほど栄養価が高い飲み物です。しかし体への吸収スピードが速い糖質が多く含まれるため、血糖値が急上昇しやすく、肥満の原因になるおそれがあります。多くても1日200g程度までを目安にして、飲み過ぎないようにしましょう。
摂取に適した時間帯
糖質が豊富な甘酒は、朝に飲むのがおすすめです。朝に糖質を摂取すると、睡眠中に消費したエネルギーを補えるため、朝から元気に活動できます。脳と体が目覚め、基礎代謝が上がってエネルギーの燃焼効率が高まり、ダイエット効果の向上が期待できるでしょう。
甘酒を飲む際の組み合わせ
甘酒と一緒に摂取したいおすすめの食品は、ヨーグルトです。ヨーグルトに含まれる乳酸菌は、腸内で善玉菌として作用し、腸内環境を整える効果が期待できます。甘酒の食物繊維は排便を促し、オリゴ糖は腸内細菌のエサとなって善玉菌を増やすため、甘酒には整腸作用が見込めるでしょう。このようにヨーグルトと甘酒は腸へ好影響をもたらすため、組み合わせると腸内環境を改善するより高い効果が期待できます。
「美容」への作用・メリット
甘酒に含まれるビタミンB2やビタミンB6、ナイアシンといったビタミンB群は、肌や髪のもとになるたんぱく質の合成と分解に作用する栄養素です。これらの栄養素の働きによって肌のターンオーバーが促され、うるおいのある健康的な肌を育む効果が期待できます。皮脂をコントロールする作用もあるため、皮脂による肌トラブルを防げるでしょう。ビタミンB群を含む甘酒を、健やかな肌や髪の維持に役立ててください。
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。
アパレル企業を退職し、栄養士資格を取得。病院栄養士、食品メーカー品質管理、保育園栄養士などを経験する。現在はフリーランス管理栄養士として食・健康に関する記事を執筆する傍ら、日本ワインに合うおつまみレシピを発信している。