しその「栄養」と「糖質」まとめ|ダイエット・美容への取り入れ方
刺身や天ぷらの彩りに活躍する食材、しそ。強くさわやかな香りを活かして、薬味に使われることも多い野菜です。この記事ではダイエットや糖質制限などを行っている方へ、しその糖質や栄養素を見ながら、おすすめの食べ方を管理栄養士がご紹介します。
しその「糖質」と「カロリー」
しそのエネルギーおよび糖質
しそ(葉/生)
エネルギー:3kcal
糖質:0.1g
※しその葉20枚は約10gであるため、上記ではこの数値を基準に算出
出典:文部科学省|日本食品標準成分表2020年版(八訂)
ほかの食べ物(可食部)10gとの比較
食べ物の種類 | エネルギー(kcal) | 糖質(g) |
---|---|---|
こまつな(葉/生) | 1 | 0 |
ちんげんさい(葉/生) | 1 | 0.1 |
ほうれんそう(葉/通年平均/生) | 2 | 0 |
出典:文部科学省|日本食品標準成分表2020年版(八訂)
しそ自体に含まれるエネルギーと糖質は、あまり高くありません。しかし、しそはほかの葉物野菜に比べると、10gあたりのエネルギーと糖質はやや高いことがわかります。
しそに多く含まれる「栄養素」
しそ10gに含まれる主な栄養素は、以下のとおりです。
たんぱく質:0.4g
脂質:0g
食物繊維:0.7g
ビタミンA:88μg
カルシウム:23mg
出典:文部科学省|日本食品標準成分表2020年版(八訂)
しそはビタミンAの一種であるβカロテンが豊富であるため、緑黄色野菜に分類される食材です。しその特徴的なさわやかな香りには、強い抗菌・防腐効果があることが昔から知られており、刺身のつまとして使われてきた野菜でもあります。
βカロテン
βカロテンは、色鮮やかな野菜に多く含まれる色素成分であり、体の中でビタミンAに変換されます。ビタミンAは肌や鼻、のどの健康維持に作用し、免疫力の向上に関わる栄養素です。βカロテン自体にも体をサビつきから守る強い作用があり、動脈硬化の予防や、肌のしわやたるみを防ぐ効果が期待できます。
ペリルアルデヒド
しそ特有の香り成分であるペリルアルデヒドは、胃酸の分泌を促し、食欲を増進する効果が期待できます。強い抗菌・防腐作用による、食中毒の予防効果も見込めるでしょう。
ロスマリン酸
しそのほか、ローズマリーやバジルといったハーブに含まれるポリフェノールの一種がロスマリン酸です。炎症を抑える作用があり、アレルギーによる肌のかゆみや喘息、鼻炎といった症状を軽減する効果が期待できます。
ダイエットに効果的な「摂取方法」
摂取量
しそのエネルギーや糖質は多くないため、食べ過ぎてもダイエットに影響はないでしょう。大量に摂取すると健康被害を引き起こす可能性がある成分も、しそには含まれていません。しかし、しそばかり食べていると栄養バランスが偏る恐れがあります。1日に食べるしその量は、多くても20枚程度にとどめるようにしましょう。
摂取に適したタイミング
ダイエット中、不安やストレスを感じたときにしそを摂取するとよいでしょう。しそに含まれるロスマリン酸には、不安や気分の落ち込みを和らげる作用があります。ダイエットは心の負担にならない程度に取り組むことが大切ですが、ダイエットがうまく進まず不安になったときは、しそを摂取してみてください。
しそを食べる際の組み合わせ
しそには骨のもとになるカルシウムが多く含まれますが、体への吸収率はあまり高くありません。そこでビタミンDを豊富に含むきのこや、鮭などの魚と一緒に食べることをおすすめします。ビタミンDはカルシウムの吸収を促し、血中のカルシウム濃度の調整に働く栄養素です。カルシウムがしっかり吸収できれば骨が丈夫になり、ダイエットのために運動しても、けがをしにくい体になるでしょう。
「美容」への作用・メリット
しそに豊富なβカロテンは、健やかな肌の維持に役立つ栄養素です。肌は紫外線や大気汚染、ストレスなどの刺激を受けるとサビつき、シミ・しわ・たるみといった肌トラブルを引き起こします。しかしβカロテンには体がサビつくのを防ぐ働きがあり、肌の悩みを食い止める効果が期待できるでしょう。
βカロテンは油と相性がよいため、摂り過ぎにならない程度の適量の油分と一緒に摂取すると、体への吸収率が高まります。しそを効果的に食卓に取り入れて、美肌作りに活かしてください。
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。
アパレル企業を退職し、栄養士資格を取得。病院栄養士、食品メーカー品質管理、保育園栄養士などを経験する。現在はフリーランス管理栄養士として食・健康に関する記事を執筆する傍ら、日本ワインに合うおつまみレシピを発信している。