フォアグラの「栄養」と「効能」まとめ|ダイエット・美容への取り入れ方
世界三大珍味のひとつである食材、フォアグラ。レストランで提供される高級食材のイメージがありますが、百貨店や通販でも購入できる食べ物です。
今回はダイエットや糖質制限などを行っている方へ、フォアグラの糖質や栄養素を見ながら、気をつけてほしいポイントを管理栄養士がご紹介します。
フォアグラの「糖質」と「カロリー」
フォアグラ(可食部)50gのエネルギーおよび糖質
フォアグラ(がちょう/フォアグラ/ゆで)
エネルギー:235kcal
糖質:0.8g
出典:文部科学省|日本食品標準成分表2020年版(八訂)
ほかの食べ物(可食部)50gとの比較
食べ物の種類 | エネルギー (kcal) |
糖質(g) |
---|---|---|
鶏レバー(にわとり/肝臓/生) | 50 | 0.3 |
手羽元(若どり/手羽もと/皮つき/生) | 88 | 0 |
鶏もも肉(若どり/もも/皮つき/生) | 95 | 0 |
出典:文部科学省|日本食品標準成分表2020年版(八訂)
フォアグラと鶏の各部位を比べると、50gあたりのエネルギーはかなり高く、糖質もやや高いことがわかります。
フォアグラに多く含まれる「栄養素」
フォアグラ50gに含まれる主な栄養素は、以下のとおりです。
たんぱく質:4.2g
脂質:25.0g
銅:0.93mg
ビタミンA:500μg
ビタミンB12:3.8μg
出典:文部科学省|日本食品標準成分表2020年版(八訂)
フォアグラはガチョウやアヒル、カモなどにエサを多く与えて、肝臓に脂肪を蓄積させたものです。そのため脂質がかなり多く、エネルギーも高くなります。
銅
血液中の赤血球の合成をスムーズにする働きがある、ミネラルの一種です。赤血球に含まれる鉄が不足すると貧血になることは知られていますが、銅が不足しても貧血になる可能性があります。ほかには免疫力を維持する、肌や髪の毛の健康を保つなどの働きも担っている栄養素です。
ビタミンA
肌やのど、鼻などの健康を維持し、免疫力を高める栄養素です。とくに目の健康に関わるため、ビタミンAが不足すると目が乾燥するだけでなく、夜の視力が低下する夜盲症になる恐れがあります。
ビタミンB12
赤血球には、全身へ酸素を運ぶ役割を担うヘモグロビンという成分が含まれています。ビタミンB12は、そのヘモグロビンの合成に関わる栄養素です。目の疲れを改善する働きもあるため、ビタミンB12は目薬にも使われています。
ダイエットに効果的な「摂取方法」
摂取量
フォアグラには、脂質が大変多く含まれています。脂質は体のエネルギー源となり、生命維持に欠かせない栄養素です。しかし必要とする量以上に摂取すると、肥満につながる恐れがあります。ダイエット中はフォアグラを食べないことが望ましいですが、食べる場合は1日50g程度までにしておきましょう。
摂取に適した時間帯
フォアグラを食べる時間帯は、昼がおすすめです。夜に食べると、フォアグラの多すぎる脂質やエネルギーを燃焼しきれない恐れがあります。朝は胃腸の働きが活発ではなく、脂質が多いものを食べることはおすすめしません。
昼に食べれば、午後の時間でフォアグラから摂取したエネルギーを消費できるため、体脂肪の蓄積を防げるでしょう。
フォアグラを食べる際の組み合わせ
フォアグラは、ナイアシンを多く含む食材と一緒に食べることをおすすめします。ナイアシンは、脂質をスムーズにエネルギーへ変える効果が期待できる栄養素です。ナイアシンはレバーに豊富な栄養素であるため、フォアグラ自体にも含まれています。
しかし、ナイアシンが豊富なまいたけなどのきのこ類と一緒に食べると、より効率的に脂質を燃焼できるでしょう。
ダイエット中に気をつけたい「ポイント」
レバーはたんぱく質やビタミン、ミネラルが多く含まれる、栄養豊富な部位です。しかし、フォアグラはそれらの栄養素よりも脂質が突出して多いため、ダイエット中はできる限り食べるのを避けてください。
脂質の摂り過ぎは肥満だけでなく、コレステロールを増加させ、健康を損ねる恐れもあります。効率よく減量し、健康を維持するために、ダイエット中のフォアグラの摂取は控えましょう。
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。
アパレル企業を退職し、栄養士資格を取得。病院栄養士、食品メーカー品質管理、保育園栄養士などを経験する。現在はフリーランス管理栄養士として食・健康に関する記事を執筆する傍ら、日本ワインに合うおつまみレシピを発信している。