牛肉の「栄養」と「効能」まとめ|ダイエット・美容への取り入れ方
肉の濃厚な味わいが楽しめる食材、牛肉。すき焼きのようにしっかり味付けしても、ステーキのようにシンプルに焼いただけでも、おいしく食べられる食材です。この記事ではダイエットや糖質制限などを行っている方へ、牛肉の糖質や栄養素を見ながら、おすすめの食べ方を管理栄養士がご紹介します。
牛肉の「糖質」と「カロリー」
牛肉(可食部)100gのエネルギーおよび糖質
牛肉の部位ごとのエネルギーと糖質は、以下のとおりです。
100gあたり の栄養素 |
肩 | 肩ロース | もも | バラ | ヒレ | サーロイン |
---|---|---|---|---|---|---|
エネルギー (kcal) |
231 | 295 | 196 | 381 | 177 | 331 |
糖質(g) | 0.3 | 0.2 | 0.4 | 0.3 | 0.5 | 0.4 |
出典:文部科学省|日本食品標準成分表2020年版(八訂)
ほかの肉(可食部)100gとの比較
100gあたりの栄養素 | 鶏もも肉 | 牛もも肉 |
---|---|---|
エネルギー(kcal) | 190 | 171 |
糖質(g) | 0 | 0.2 |
出典:文部科学省|日本食品標準成分表2020年版(八訂)
牛肉はほかの肉類に比べると、100gあたりのエネルギーと糖質がやや高めであることがわかります。
牛肉に多く含まれる「栄養素」
牛肉100gに含まれる主な栄養素は、以下のとおりです。
100gあたり の栄養素 |
肩 | 肩 ロース |
もも | バラ | ヒレ | サーロイン |
---|---|---|---|---|---|---|
たんぱく質(g) | 17.1 | 16.2 | 19.5 | 12.8 | 20.8 | 16.5 |
脂質(g) | 19.8 | 26.4 | 13.3 | 39.4 | 11.2 | 27.9 |
ビタミンB12 (μg) |
2.8 | 1.7 | 1.2 | 1.9 | 3.0 | 0.8 |
ナイアシン (mgNE) |
3.9 | 3.6 | 4.9 | 3.2 | 4.7 | 5.3 |
出典:文部科学省|日本食品標準成分表2020年版(八訂)
赤身が多いヒレ肉は、たんぱく質が豊富で脂質が少なめの部位です。適度に脂身が付いているサーロインや肩ロース肉には、比較的脂質が多く含まれています。脂身が多いバラ肉には脂質が多く含まれるため、ダイエット中は食べるのを控えたほうがよいでしょう。
ビタミンB12
ビタミンB12は、血液中の赤血球に含まれる成分、ヘモグロビンを作る働きをサポートする栄養素です。ビタミンB12が不足すると赤血球がうまく作られなくなるため、赤血球が不足して貧血症状が現れる場合があります。
ナイアシン
ビタミンB群のひとつであるナイアシンは、食事から取り入れた糖質や脂質をエネルギーに変える働きに関わる栄養素です。またナイアシンは肌や目、鼻、のどといった粘膜を健やかに保つ働きにも関係します。
ダイエットに効果的な「摂取方法」
摂取量
牛肉のやわらかな食感は、肉に適度な脂肪が含まれているためです。肉類に含まれる脂質の摂り過ぎは肥満につながるだけではなく、悪玉コレステロールを増やして動脈硬化を引き起こす恐れがあります。牛肉を食べるときは脂身が少ない部位を選ぶようにするほか、1日に食べる量は70〜90g程度にとどめましょう。
摂取に適した時間帯
牛肉は、運動前の食事で摂取するとよいでしょう。牛肉に含まれるLカルニチンという成分には、体脂肪をエネルギーとして使いやすくしてくれる働きがあります。Lカルニチンが豊富な牛肉を食べると、体に蓄積された脂肪がエネルギーに変わりやすくなるため、効率よくダイエットできる効果が期待できるでしょう。
牛肉を食べる際の組み合わせ
牛肉と組み合わせて食べるのならば、ビタミンB6を多く含む食べ物がおすすめです。ビタミンB6は食事から取り入れたたんぱく質の分解をサポートするため、牛肉を食べて摂取したたんぱく質から、効率よく筋肉を作る効果が期待できます。筋肉がつくと基礎代謝が高まり、消費エネルギーが増えてやせやすい体になるため、ダイエットを進めやすくなるでしょう。
ビタミンB6はにんにくや赤パプリカ、ししとうなどの野菜に多く含まれています。これらの野菜を牛ステーキの付け合わせにしたり、牛肉と一緒に炒めたりして食べてはいかがでしょうか。
「美容」への作用・メリット
牛肉は、ダイエット効果が期待できる食材です。牛肉に含まれるLカルニチンは、体に蓄積された脂肪をエネルギーとして燃焼しやすくする作用があります。牛肉に豊富なたんぱく質は、筋肉のもとになる栄養素です。筋肉の量が増えて基礎代謝が高まれば、日常生活での消費エネルギーが増加して、効率よくダイエットできるでしょう。脂質の少ないヒレ肉やもも肉を食事に取り入れて、牛肉をダイエットに活用してください。
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。
アパレル企業を退職し、栄養士資格を取得。病院栄養士、食品メーカー品質管理、保育園栄養士などを経験する。現在はフリーランス管理栄養士として食・健康に関する記事を執筆する傍ら、日本ワインに合うおつまみレシピを発信している。