食・レシピ
2023.3.21

ひじきの「栄養」と「効能」まとめ|ダイエット・美容への取り入れ方

鉄分が多く、女性に嬉しい食材のひじき。実は製造方法によって鉄の量が異なります。今回の記事では、ひじきの糖質とカロリー、多く含まれる栄養素をご紹介します。ダイエット中に役立つ食べ方、健康・美容への利点を知り、毎日の食生活に活かしましょう。

ひじきの「糖質」と「カロリー」

ひじき100gあたりのカロリーと糖質

スーパーなどで手に入るひじきは干しひじきで、収穫後天日干しされ、水戻ししてから蒸した後、乾燥させたものです。蒸す窯の材質が鉄かステンレスかによって栄養価が異なりますが、エネルギー、糖質はほぼ同等です。乾燥ひじきをゆでると水分を含むため、重量は干しひじきの約10倍になります。

種類 エネルギー(kcal) 糖質(g)
干しひじき(鉄釜) 186 4.2
干しひじき(鉄釜)ゆで 13 0
干しひじき(ステンレス釜) 180 6.8
干しひじき(ステンレス釜)ゆで 11 0.3

出典:文部科学省|日本食品標準成分表2020年版(八訂)

ほかの海藻(可食部100g)との比較

ひじきに含まれるエネルギー(カロリー)と糖質の量を、ほかの海藻と比較しました。エネルギー量、糖質ともにほぼ同等といえます。

種類 エネルギー(kcal) 糖質(g)
干しひじき(鉄釜)ゆで 13 0
干しひじき(ステンレス釜)ゆで 11 0.3
もずく 4 0.1
わかめ 24 2.6
めかぶ 14 0.1

出典:文部科学省|日本食品標準成分表2020年版(八訂)

ひじきに含まれる主な栄養素

ひじき100g当たり

種類 食物繊維(g) ビタミンE(μg) 鉄(mg) ヨウ素(μg)
干しひじき(鉄釜)ゆで 3.7 0.4 2.7 960
干しひじき(ステンレス釜)ゆで 3.7 0.4 0.3 960

ひじきに多いといわれる鉄は、鉄釜で製造されたひじきには多く含まれますが、ステンレス釜で製造されたひじきには少ないため注意が必要です。

出典:文部科学省|日本食品標準成分表2020年版(八訂)

食物繊維

食物繊維には、不溶性食物繊維と水溶性食物繊維の2種類があり、それぞれ腸内環境を整える働きがあります。水溶性食物繊維は、腸内の善玉菌を増やしたり、便を柔らかくしたりするのに役立ちます。不溶性食物繊維は、便のかさを増すことで腸を刺激し、便通を促す成分です。

ひじきには、水溶性食物繊維のフコイダンやアルギン酸が多く含まれています。いずれも、血中コレステロール低下作用が期待されている機能性成分です。

ビタミンE

抗酸化作用をもち、活性酸素による酸化から体を守っています。血液中の悪玉コレステロールの酸化を抑え動脈硬化を予防したり、赤血球の破壊を防いだりする作用がある成分です。不足すると神経や筋肉の障害により、冷え性や頭痛、肩こりなどを引き起こしやすくなります。

赤血球の色素であるヘモグロビンに存在し、体全体に酸素を運ぶために必要な栄養素です。不足すると鉄欠乏性貧血を引き起こし、頭痛、筋力低下、疲労感などの症状が現れます。

ヨウ素

甲状腺ホルモンの主成分です。甲状腺ホルモンは基礎代謝を上げるほか、たんぱく質の合成や脂質の代謝にも関わっています。

ダイエットに効率的な「摂取方法」

ダイエットに効果的なひじきの食べ方は?

ひじきの煮物や、サラダに入れる、ハンバーグやお好み焼きに加えるなど、活用方法はさまざまです。料理のかさを増し、栄養素もプラスできるため、積極的に料理に活用してみましょう。

調理の際には砂糖や油の使用を控えめにし、カロリーを抑えると、よりダイエットに適した食べ方になります。

ひじきを食べる量の目安は?

1食の目安はゆでたひじきで30~50g程度です。干しひじきをゆでると約10倍になるため、干しひじきでは3~5gに相当します。

<ヨウ素の量に注意しよう>
わかめには、ヨウ素が多く含まれています。ヨウ素をとり過ぎると甲状腺の機能低下を引き起こすため、1日に摂取しても健康に影響がない「耐容上限量」が定められています。

ヨウ素の耐容上限量は成人で1日3,000μgです(出典:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」)。この量はひじき(ゆで)313gに相当します(出典:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」)。食べすぎには注意しましょう。

「美容」への作用・メリット

食物繊維が腸内環境を整え美肌へ導く

健やかな肌を保つには、腸内環境を整えることも大切です。腸内環境が乱れると、腸内では善玉菌より悪玉菌が優勢になり、悪玉菌が産生した有害物質によって肌が荒れやすくなります。

ひじきに含まれる食物繊維は、腸内環境を整え、肌荒れ防止につながります。特にフコイダンやアルギン酸などの水溶性食物繊維は、善玉菌のエサになり、悪玉菌の増殖を防ぐ働きを持つ成分です。

ビタミンEがシミ・シワの予防に役立つ

紫外線によって発生した活性酸素は、コラーゲンを傷つけ肌のハリを失わせる原因となります。ビタミンEは活性酸素を消去し、肌のハリを保つのに役立ちます。

鉄が血色の良い健やかな肌色を保つ

肌や唇の色に影響を及ぼすのが、血中のヘモグロビン濃度です。貧血になると、肌は赤みが消えて青白くなり、唇は紫がかった色になります。

健康的な肌の色を保つためには、鉄の十分な摂取が必要です。ひじきから鉄をとりたい場合は、鉄窯を使って製造された干しひじきを選びましょう。

管理栄養士

成松 由佳

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

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