ごまの「栄養」と「効能」まとめ|ダイエット・美容への取り入れ方
ごまが料理のなかで主材料になることは、あまりありません。しかしトッピングやアクセント、和え衣、ドレッシングなど、香りや風味のよさから幅広く使われています。貯蔵性や栄養価も高い点も、ごまの特徴です。古代エジプトでは薬用として使用され、日本でも奈良時代からごま油が作られたほど長い歴史を持ちます。今回はそんなごまの糖質や栄養素に関して、ダイエットや美容とどのように関係するのか解説します。
ごまの「糖質」と「カロリー」
ごまのカロリーと糖質(可食部100g)
いりごま
エネルギー……605kcal
糖質……9.3g
大さじ1杯あたり約10g
ねりごま
エネルギー……646kcal
糖質……9.0g
大さじ1杯あたり約15g
出典:「文部科学省|日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
ほかの種実類(可食部100g)との比較
種実類の種類 | エネルギー(kcal) | 糖質(g) |
---|---|---|
いりごま | 605 | 9.3 |
ねりごま | 646 | 9.0 |
松の実 | 724 | 4.0 |
落花生 | 607 | 13.0 |
えごま | 523 | 12.2 |
くるみ | 713 | 3.7 |
以上のように、松の実やくるみなどの種実類と比較すると、いりごまのエネルギーは低く、糖質は多くなります。落花生やえごまと比較すると、エネルギーはあまり変わらないか多いくらいなのに対し、糖質が少なくなります。
また、同じごまであっても、いりごまとねりごまはエネルギーに差があります。とはいえ、一度に食べる量は少ないため、ダイエット中であっても制限する必要はないと言えるでしょう。
出典:「文部科学省|日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
ごまに含まれる栄養素
可食部100gあたり
いりごま | ねりごま | |
水分 | 1.6g | 0.5g |
たんぱく質 | 20.3g | 19.0g |
脂質 | 54.2g | 61.0g |
炭水化物 | 18.5g | 15.6g |
ナトリウム | 2mg | 6mg |
カリウム | 410mg | 480mg |
カルシウム | 1200mg | 590mg |
マグネシウム | 360mg | 340mg |
リン | 560mg | 670mg |
鉄 | 9.9mg | 5.8mg |
亜鉛 | 5.9mg | 5.3mg |
銅 | 1.68mg | 1.50mg |
マンガン | 2.52mg | 1.80mg |
ヨウ素 | Tr | Tr |
セレン | 27μg | 22μg |
クロム | 4μg | 5μg |
モリブデン | 110μg | 150μg |
ビタミンA | 1μg | 1μg |
ビタミンD | (0)μg | (0)μg |
ビタミンE | 0.1μg | 0.1μg |
ビタミンK | 12μg | 0μg |
ビタミンB1 | 0.49mg | 0.32mg |
ビタミンB2 | 0.23mg | 0.15mg |
ナイアシン | 11.0mg | 12.0mg |
ビタミンB6 | 0.64mg | 0.51mg |
ビタミンB12 | (0)μg | (0)μg |
葉酸 | 150μg | 99μg |
パントテン酸 | 0.51mg | 0.24mg |
ビオチン | 15.0μg | 13.0μg |
ビタミンC | Tr | 0mg |
食塩相当量 | 0g | 0g |
出典:「文部科学省|日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
ダイエットに効率的な「摂取方法」
1日に食べるのにおすすめの量
1日に食べるごまの量は、大さじ2杯(約20g)程度がおすすめです。ごまは少量でもミネラル類を豊富に含んでおり、大さじ2杯程度でカルシウムや鉄分、食物繊維が摂取できます。特にカルシウムは大さじ2杯で牛乳1杯やヨーグルト1カップ相当量であるため、積極的に取り入れると良いでしょう。
ごまを食べるのに適した時間帯
ごまのカロリーのほとんどは脂質によるものであり、その脂質は「不飽和脂肪酸」と呼ばれる体に良い脂です。また、1回に食べる量はそれほど多くなりづらいため、ダイエット中でカロリーを制限しているような場合でも特に時間帯は制限する必要はありません。
ごまの栄養を効率良くとる方法
ごまの皮は、消化が良くありません。生のままよりも炒ったいりごま、粒のままのものよりもすりごまや練りごまの形状で食べる方が、栄養素の吸収が良くなります。
不飽和脂肪酸には、熱や空気に触れると酸化しやすい特徴があります。ごま油は比較的酸化しにくい特徴を持つため、良質な油を摂りたいときはごま油がおすすめです。
ごまに多く含まれる「栄養素」
カルシウム
ごまに豊富に含まれているカルシウムは、骨や歯の健康を保つための栄養素です。カルシウムが不足すると、骨粗しょう症など骨がもろくなるリスクが上がります。子どもから年配の方まで、幅広い世代で不足しがちであるため、カルシウムを豊富に含む食材は意識して取り入れましょう。
カルシウムには、イライラを緩和する働きもあります。ストレスを多く感じる方には、ごまでカルシウムを積極的に摂取するのがおすすめです。
セサミン
セサミンは、ごまに含まれる脂溶性の抗酸化物質ゴマリグナンの一種です。胃腸で吸収されずに直接肝臓に働きかけ、機能を高めるとともに、アルコールの分解を助けるなど、肝臓の負担を減らすとされています。
セサミンはコレステロール値を下げ、動脈硬化や高血圧を予防する効果も期待できる栄養素です。生活習慣病の予防のためにも、ごまでセサミンを摂取しましょう。
「美容」への作用・メリット
美肌・美髪効果
ごまには、セサミンとビタミンEが含まれています。ビタミンEは抗酸化ビタミンと呼ばれ、肌などの細胞を攻撃して老化を進める原因となる活性酸素を取り除く、いわゆる抗酸化作用をもつ食材です。
他にも、たんぱく質やビタミンB群やミネラル類も含み、健康な肌や髪を保つのに役立ちます。また、黒ごまの皮の部分にはアントシアニンが含まれます。これはポリフェノールの一種であり、その抗酸化作用もプラスされておすすめです。
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。
料理教室運営会社で講師やメニュー開発に従事後、パティシエへ転向。現在は企業様向けのレシピ開発やコラム執筆、オンラインショップやオーダーメイド菓子の制作を行う。ヘルシーなものから子供向けまで幅広く対応。