「下半身デブ」になる3大原因【プロが教える、お手軽解消トレ】
元々下半身がお悩みの方はもちろんですが、コロナ渦でさらに下半身のぼってり感が気になってる方も多いのでは?気になる原因と解消法をご紹介します。
下半身デブを引き起こす【3つ原因】
- 運動不足
- 筋力不足
- 血行不良によるむくみ
【原因1】運動不足
Q.座っていることが多いので、腰周り&下半身のお肉が肥大化しています
A.1日2~3回は股関節を伸ばして太ももや腰周り太りをセーブ!
「座っている間は、股関節を折り曲げ、お尻と裏ももが圧迫された状態。その影響で下半身の筋力が圧倒的に弱くなるのが肥大化の原因。定期的に股関節を伸ばしてあげて」(森さん)
【原因2】筋力不足
脚線整美師 「STUDIO脚光美芯」主宰
中村希実さん
下半身コンプレックスを克服した自身の経験から、脚線のゆがみ方や動 作のクセを分析し、筋肉や骨格を正しいバランスへと導く独自の「脚線整美メソッド」を編み出す。
「歯磨きや調理などの際、骨盤(下腹部)を台にもたれかけるクセがある人は、お尻の筋力低下のサイン。この立ち方が習慣化するとお尻が垂れてしまいます。反り腰はお尻が横に広がる洋梨体型、骨盤後傾はお尻と太ももの境目のない寸胴リンゴ体型を招きます。お尻の筋肉が弱化すると、股関節周りも緩み、スタイルを損なうケースが多いのです」(中村さん)
\こんな人は要注意!/
- 立ち作業の時、つい前にもたれかかってしまう
- 立ったとき、上から見て自分のおへそが見えない(反り腰)
- 立ったとき、上から見て自分の恥骨(股の辺り)が見える(骨盤後傾)
【原因3】血行不良によるむくみ
血液専門医
濱木珠恵先生
医療法人社団鉄医会ナビタスクリニック新宿 院長。日本内科学会認定内科医。日本血液学会認定血液専門医。北海道大学医学部卒業後、国際医療センター、虎の門病院、国立がんセンター中央病院、都立府中病院、都立墨東病院を経て、2016年より現職。
私たちの体に流れている血液は、酸素や栄養を末梢の細胞まで送り届け、そこから二酸化炭素や老廃物を回収して運ぶ働きがあります。心臓から遠く離れた足先の細胞が活発に働けるのも、血液のおかげ。血の巡りが悪くなると、栄養分や酸素が行き渡らなくなるうえ、疲労物質や耐性物質が残り、肩こりや腰痛、冷え性、むくみ、生理不順など、さまざまな体の不調が引き起こされるのです。
「美的世代で心配なのは、西洋医学的な病気としての動脈硬化などで血管が閉塞してしまう血行障害よりは、東洋医学的な意味合いでの『血の巡り』。若い人の場合、血管の異常で血流が途絶えることは少ないのですが、ストレスや運動不足のせいで末梢での血液の流れが悪くなってしまったり、疲労物質が滞ったりすることが多いのです」と語るのは、血液専門医の濱木珠恵先生。
例えば、仕事で座りっぱなしだと、お尻が圧迫され下半身からの血液の流れが滞ることも。逆に立ち仕事が多い人は、重力に引かれて下肢に血流が停滞し、むくみにつながってしまいます。さらに、精神的な緊張状態が続く人は、交感神経の働きで末梢の血管が締まるため、末梢での血液の流れが悪くなって手足が冷えたり、頭痛や肩こり、疲労などに悩まされたりしやすくなります。東洋医学的には、月経に関連した症状などもお血(けつ)という血の滞りが関係すると言われています。
最近、いつ運動をしましたか? 就職後や出産後は時間に追われ、まったく運動をしていないという人も多いのではないでしょうか? 血行不良を改善するには運動がいちばん。血流は筋肉の収縮によって促されます。
「運動不足の人は筋肉を動かしていないので、こり固まっています。このために血流が滞りやすくなり、さらに肩がこるなどの症状が悪化するのだと思います」と濱木先生。
筋肉を刺激して動かすと、毛細血管のすみずみまで血液が流れるようになっていきます。また、適度な運動は交感神経の緊張をほぐすリラックス効果もあります。血行不良が気になる人は、足首やふくらはぎを動かすなど、簡単なストレッチから始めてみましょう。誰もができる動的ストレッチとしては、ラジオ体操も有効です。
【原因4】偏った食事は代謝を落とすことに
管理栄養士
前田あきこ先生
まえだあきこ/パーソナルコンディショニングコーチ、日本抗加齢医学会指導士。女性ライフクリニック銀座・新宿のダイエット外来にて認知行動療法を取り入れた栄養や運動、睡眠などの生活習慣改善を指導。
× サラダだけ、菓子パンだけ、パスタのみなど単品のみの食事は代謝が落ちる原因に
「炭水化物は体のエネルギーを燃やす大切な材料ですが、とりすぎると脂肪になってしまいます。でもサラダだけもNG。ホルモンバランスが乱れ、免疫力が落ちることに。たんぱく質を少しでも足し、炭水化物はよくかむことがポイントです」(前田先生)
【解消法1】在宅ワークの休憩時に下半身太りをセーブする「やり方2つ」
【1】股関節を伸ばし足の張りを取る
■股関節や太もものこわばりを緩める
右ひざを曲げて左脚を大きく後ろに引き、体の上体を落として30秒維持。足を入れ替え、同様に行う。
■太ももの前と外側の張りを取る
座り姿勢で、右の足首を左ひざの上に乗せる。その上から両腕を乗せて前傾姿勢で体重をかけて60秒キープ。反対の脚も同様に行う。
【2】足の筋力を育む筋トレ
イスの後ろに手をかけてのスクワットなら、負荷が少なく、どんな人でも取り入れやすい!1日10回を3セット行えば◎。慣れてきたら、イスなしでもチャレンジを。
【解消法2】下半身を引き締める「筋力アップエクササイズ2つ」
【1】寝ながらできる簡単ピラティス
スタジオ ピラティス イズム
内山いずみさん
クラシックバレエやストリートダンスに精通し、NY留学中に腰を痛めた経験からピラティスメソッドの効果を実感。ピラティスインストラクターの資格を取得後は横浜・山手に『スタジオ ピラティス イズム』をオープンし、呼吸法や解剖学を取り入れたセルフメンテナンスを提案。
\ピラティスとは?/
深い呼吸とともに、正しい姿勢を意識しながら体幹・インナーマッスルを強化していく動きのこと。リハビリのために開発されたエクササイズで、運動神経も柔軟性も関係なく身体作りができるのが特徴。無理なくおこなえるため年齢問わず毎日でも実践しやすく、ほどよく引き締まったボディラインを理想とする人にもぴったり。
「下半身の筋肉は人間の身体の7割を占めていて、大きな筋肉もたくさんあります。自宅で過ごす時間が増えると必然的に歩数や階段を上り下りする回数が減ってしまい、下半身全体の筋肉が衰えてしまうのです。筋肉が衰えると基礎代謝がダウンしてエネルギーが消費されにくくなり、体重増加につながることも。
運動不足解消にはまず“おサボりモード”の下半身の筋肉を呼び覚まし、重い腰を上げやすくしましょう! 今回ご紹介するのはお尻の大部分を占める『大臀筋』と、太ももの裏側にある大きな筋肉の『ハムストリングス』をメインに鍛える簡単ピラティスです。ヒップアップにも効果的ですよ」(いずみさん)
Point
・スタートポジションで鼻から息を吸い、動く時に口から息を吐。・効かせたい部位に意識を集中!
・狙った部位以外が効いてると感じるのは筋肉を正しく使えてない証拠。
(1)ベッドに仰向けになってひざを立て、足とひざの間は軽く開ける。両腕は伸ばして身体の脇に置き、息を吸う
(2)息を吐きながらお尻を真上に引き上げる。お尻の穴をキュッと締め、おへそのあたりに力を入れて腰が反らないように注意して。(1)~(2)を繰り返す
上級編・シングルヒップリフト【片足10回ずつ】
(1)まずは初級編の(2)の状態でキープ。肩からひざにかけて一本の線でつながってるイメージで腰が反らないように!
(2)片足を真上に上げて息を吸い、息を吐きながらお尻を軽く引き上げる。お尻を下げて息を吸う→吐いて上げる、を交互に繰り返し、反対側も同様におこなう。片足を上げてヒップリフトすることで軸足により負荷がかかって効果アップ!
【2】お尻&股関節エクササイズ
脚線整美師 「STUDIO脚光美芯」主宰
中村希実さん
下半身コンプレックスを克服した自身の経験から、脚線のゆがみ方や動 作のクセを分析し、筋肉や骨格を正しいバランスへと導く独自の「脚線整美メソッド」を編み出す。
フットプッシュ《30秒キープ×3セット》
シンプルかつお手軽に、お尻の奥の筋肉を刺激し、鍛えることができます。
(1)うつぶせに寝て、足裏同士を合わせる
うつぶせに寝たら、ひざを曲げて、左右の足の裏同士を合わせる。
(2)足裏同士で押し合い おなか~裏ももを刺激
おなかに力を入れながら、足裏同士を押し合う。お尻~裏ももの辺りに締まる感じがしたらそのまま30秒キープ。
ワイドスクワット《15回×2セット》
ハードですが股関節をしっかりと動かしながら、お尻と内ももを効率良く鍛えられます!
(1)足を広めに開き、爪先は斜め外に
足を肩幅よりも広く開き、爪先を外側に。股関節をしっかり開き、ひざを爪先と同じ向き(外側)にしておく。
(2)姿勢をキープしたまま 股関節をひざの高さに下ろす
ひざの向きをキープしたまま、おなかを引っ込め股関節をひざの高さまで下ろす。かかとで地面を蹴り、元に戻す。
【解消法3】温めてむくまない足に「血流アップ方2つ」
【1】レッグウォーマー&運動を
Q.在宅ワークが増え、クーラー冷えによる足のむくみが気になります
A.レッグウォーマーをつけたり、下半身の筋肉を使う運動を
「冷房の冷気は下にたまるので、レッグウォーマーなどで冷え対策を」(山埼先生)
「背伸び運動や足踏みなど、足の筋肉を動かすと、血流が促されてむくみの改善に」(森さん)
【2】かかとのUP&DOWNと太ももギューで血流アップ
ハーバード大学・ソルボンヌ大学医学部客員教授
根来秀行先生
ねごろひでゆき/医師、医学博士。東京大学大学院医学系研究科内科学専攻博士過程修了。専門は内科学、腎臓病学、抗加齢医学、睡眠医学など。最先端の臨床・研究・医学教育の分野で国際的に活躍。著書も多数で、近著に『超呼吸法』(KADOKAWA)。
「イスに座ったままでも下半身の筋トレはできます。筋肉は負荷をかけると育ち、それに伴って毛細血管も増加。デスクワークの最中や合間に、第2の心臓・ふくらはぎと、筋肉量の多い太ももを同時に鍛えるトレーニングを習慣にしましょう」(根来先生)
- イスに座ったまま、両足のかかとを同時に上げて爪先立ちに。次にかかとを床に下ろす。
- ふくらはぎの筋肉を意識しながら、ゆっくりと10~20回。
- イスに背筋を伸ばして座り、両太ももの内側をくっつけるようにギューっと力を入れる。
- そのまま10秒キープして、内転筋を鍛える。
【解消法4】「バランス良い食事」で毛細血管は若返り血流もアップ
3食規則正しく多品目を腹7分目が理想
ハーバード大学・ソルボンヌ大学医学部客員教授
根来秀行先生
ねごろひでゆき/医師、医学博士。東京大学大学院医学系研究科内科学専攻博士過程修了。専門は内科学、腎臓病学、抗加齢医学、睡眠医学など。最先端の臨床・研究・医学教育の分野で国際的に活躍。著書も多数で、近著に『超呼吸法』(KADOKAWA)。
「朝日を浴びて1時間以内に朝食、13時までに昼食、19時までに夕食といったように毎日の食事を規則的にとることで体内リズムが整って、自律神経の切り替えがスムースに。食事の量は、たんぱく質やビタミン・ミネラルなど必要な栄誉素を網羅した上で腹7分目を守ると、長寿遺伝子がオンになり、血管の内皮細胞を含む全身の細胞が元気になります」(根来先生)
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。
もり たくろう/運動だけでなく、食などさまざまな角度からボディメイクを提案。著書も多数。