「肝活」って何?肝臓からキレイになるルールを肝活の第一人者が解説!

ダイエットをしても体重が落ちない、疲れが取れにくい、風邪が長引く…などのお悩みは肝機能の低下が原因かも? そこで意識したいのが肝臓をいたわる「肝活」。今回は、肝活の第一人者・尾形 哲先生をはじめとする専門医が紹介する、肝臓からキレイになる食べ方のルールや気を付けたい習慣、お酒を飲むときのコツをお届けします♪
肝活の第一人者が徹底解説!肝臓の働き&食べ方のルール
「免疫力アップ」「デトックス」「やせ体質になる」「肌の透明感を高める」思わず飛びつきたくなる美と健康のキーワード。これをぜ~んぶかなえてくれるカギが“肝臓”なんです!
健康と美容に影響が大きい「肝臓の重要な働き」とは?
\その“なんとなく不調”は肝臓のSOSかも!?/
ダイエットをしても体重が落ちない、1日無理をすると3日は疲れが取れない、風邪が長引く…。美的世代に“あるある”なお悩み、実は肝機能の低下が原因かもしれません。
「肝臓は人体の代謝・解毒・免疫などをつかさどる、文字どおり“体の肝”となる臓器。肝機能の低下というとお酒の飲みすぎと考えがちですが、美的世代は糖質過多などの食習慣がもとで肝臓に脂肪をため込む“脂肪肝”のリスクが高いのです。太っておらず自覚症状もない成人の3人にひとりが脂肪肝だと推測されます」と肝臓外科医の尾形哲先生。
そこで美的世代も意識したいのが、尾形先生が提唱する“肝活”です。
「肝活とは、肝臓をいたわる食事を主とする、肝臓の機能をより良い状態に導くメソッドのことです。肝臓が元気になれば全身の代謝や解毒、免疫機能が高まって自然と体重が落ち、疲れにくく、肌の透明感も増してキレイになれます。肝活をすると、脂肪肝リスクと共に飲みすぎによる気になるところもスルッと落ちるはず! まずは食べ方ルールやレシピを参考に、3か月肝活を続けてみましょう。少しずつ体調に変化が現れるはずです」(尾形先生)
\肝臓の働き/
免疫
消化管から侵入した細菌やウイルスをブロック。
細菌やウイルス、カビなど異物を食べて攻撃するマクロファージの一種「クッパー細胞」の80%は肝臓に存在。肝機能を高めることで感染しにくく、回復しやすくなる。
解毒
体内に入った有害物質を無毒化する浄化フィルター。
アルコールや薬などを分解して無毒化したり、老廃物を尿の中へ排出させるなどの働きをもつ。解毒力が上がると疲労物質が取り除かれてだるさも取れ、疲れにくくなる。
代謝
全臓器で最大となる基礎代謝の27%を消費。
肝臓は腸で吸収された栄養素を細胞で使える形に加工し、血液を通して全身に送る。この働きが代謝。代謝が上がると糖をエネルギーに変えるのでやせやすくなり、肌のくすみも改善。
胆汁の生成・分泌
脂肪の消化や脂溶性ビタミンの吸収に重要な役割を果たす。
肝臓で生成される胆汁は、脂肪を消化・吸収しやすい状態にしたり、脂溶性ビタミンの吸収をサポート。ただ肝機能が落ちていると胆汁への排泄ができず、胃もたれや食欲不振の原因に。
肝活で脂肪が落ちやすい体に!キレイになる「4つの食べ方ルール」
肝臓に脂肪がたまる最大の理由は「糖質」のとりすぎです。この4つのルールを普段の食事に取り入れるだけで肝機能は改善し、イキイキと健康的にやせていきます。
【1】スポーツドリンク・清涼飲料水・エナジードリンクなどの甘い飲み物は避ける
\普段の飲み物は水、お茶、ブラックコーヒーに/
4つのルールの中でも“これだけは守ってほしい”のが、炭酸飲料やスポドリ、栄養ドリンクなど甘い飲み物(加糖飲料)をとりすぎないことです。これらに含まれる果糖ブドウ糖液糖は、肝臓の脂肪化に直結。飲料を見直すだけで肝機能改善が見られる人も!
【2】1食20gのたんぱく質をとる
\魚やお肉の量は手のひらに乗る100gが1食の目安/
糖の最大の貯蔵庫である筋肉が減ると、処理し切れない糖が中性脂肪として肝臓に蓄積。筋肉の材料となるたんぱく質を積極的にとりましょう。1日に必要なたんぱく質は体重1kg当たり1g。60kgの人なら1日60g、3食に分けると1回20gが目安です。肉や魚なら100g分で約20gのたんぱく質がとれます。
【3】野菜やきのこ、海藻など食物繊維はモリモリ食べる
\スープにするとたっぷりとりやすい/
食物繊維不足は便秘の原因に。便が腸内に停滞すると毒素が増え、有害物質を解毒する肝臓に負担がかかります。野菜は1日350gを目安に、きのこや海藻も加えてたっぷり取り入れて。具だくさんスープやみそ汁にすると、簡単に量をとりやすいのでおすすめです。
【4】水は1日1.5L飲む
\効率良く代謝を促せば肝臓も元気になる/
水を飲むと一時的に代謝率が上昇し、エネルギー消費がアップ。排泄機能も高まって肝臓の負担も減らせます。1日1.5Lを目安に水分をとりましょう。ただし一度に飲んでも効果は上がらないので、起床後、食前、入浴前後などタイミングを決めて飲むのがコツ。
体の不調が消えて脂肪も落ちる!超カンタン「肝活レシピ」6選
冷凍野菜や缶詰をフル活用、レンチン、切って混ぜるだけなど、超カンタンなのに肝臓に優しく、しかもおいしいレシピを厳選紹介!
【1】レチノール豊富で食べ応えも抜群な「鶏のいきなり煮」
肝活食材…鶏肉・赤パプリカ
高たんぱく低脂質な鶏肉と、肝臓の代謝をサポートするレチノールが豊富な赤パプリカは最強の組み合わせ。美肌効果も期待できます。
【材料(2食分)】
- 鶏もも唐揚用ブツ切り…250g
- 赤パプリカ…1個
- さやいんげん…1パック
- トマト…1個
- しょうが…1片
- 小麦粉…小さじ1
- しょうゆ…大さじ1.5
- 酒…大さじ1.5
- オリーブオイル…大さじ1
- 塩…適量
【作り方】
- パプリカはひと口大、さやいんげんは5cmに切り、トマトはざく切りにする。しょうがはせん切りにする。
- 深めのフライパンにオリーブオイルを入れ、鶏の皮目を下にして入れる。塩少量と小麦粉を振り、(1)の野菜を加え、しょうゆと酒を回し入れる。
- 蓋をして中火にかけ、10分程蒸し煮する。塩で味を調え、好みでオリーブオイル(分量外・適量)を回しかけても。
【2】植物性と動物性のたんぱく質を効率良くチャージできる「豆腐チーズ」
肝活食材…豆腐・チーズ
レンチンだけでたんぱく質を手軽にチャージ。夕食にあと1品欲しいときやおつまみにも◎。みそやからしで味変してもおいしい!
【材料(1人分)】
- 絹豆腐…150g
- スライスチーズ…1枚
- 塩…少量
- オリーブオイル、粗びき黒こしょう…適量
【作り方】
- 豆腐の水気を拭いて耐熱皿にのせる。
- 塩を振りチーズをのせて、600Wのレンジで2分加熱。仕上げにオリーブオイルとこしょうをかける。
【3】火を使わずに切って混ぜるだけ!「旬のカツオのユッケビビンバ」
肝活食材…カツオ・ブロッコリースプラウト
たんぱく質やビタミンB群が豊富なカツオと、解毒作用が高いブロッコリースプラウトで抜群の肝活効果。よく混ぜて召し上がれ。
【材料(1人分)】
- カツオ刺身…6切れ(80g)
- アボカド…1/4個
- きゅうり、サニーレタス、大葉、ブロッコリースプラウト…適量
- A 白菜キムチ…30g
- A コチュジャン…小さじ1
- A ごま油…小さじ1
- A しょうゆ…少量
- ごはん…100g
【作り方】
- カツオは1cm程度に角切り、Aで和える。アボカドも同様に切る。
- きゅうりは薄切りに、サニーレタスと大葉は食べやすく切る。
- ごはん(ごまを適量振っても)、野菜、(1)を皿にのせ、好みでごま油(分量外・適量)を全体にかける。
【4】アサリ缶を汁ごと!うまみたっぷりの「アサリと豆腐の白スンドゥブ」
肝活食材…アサリ・豆腐
アサリに含まれるタウリンで胆汁の分泌を促進。豆腐でたんぱく質も補給できます。優しい味わいで夜食や小腹へり対策にもおすすめ。
【材料(1人分)】
- アサリ水煮缶…65g
- 豆腐(絹でも木綿でもOK)…150g
- 長ねぎ…1/4本
- 無調整豆乳…100ml
- ナンプラー…小さじ1/2
- 塩…適量
- ごま油…小さじ1
- 水…100ml
【作り方】
- 長ねぎは斜め薄切りにし、ごま油、塩少量と共に小鍋に入れ中火でさっと炒める。
- 水とその他の材料を加えて豆腐をざっくりくずす。フツフツしたら5分程煮て、塩で味を調える。
【5】4~5日保存OK!作り置きもできる「カレー風味のキャロットラペ」
肝活食材…にんじん
カロテンやビタミンE、食物繊維もとれるにんじんは肝活に積極的に取り入れたい野菜。程よい酸味とカレーの風味が食欲アップ。
【材料(作りやすい分量)】
- にんじん…1本
- A 酢…大さじ1
- A オリーブオイル…大さじ1
- A 砂糖、カレー粉…各小さじ1/3〜
- 塩…小さじ1/3
【作り方】
- にんじんはピーラーで薄切りにし、塩でもんで水気を軽く絞る。
- Aを混ぜて(1)を加えて和える。
【6】市販の冷凍野菜をレンチンするだけ「朝の食物繊維スープ」
肝活食材…ブロッコリー
食物繊維たっぷりで低糖質、朝食に最適なデトックススープ。野菜はゆでずにレンチンすることで、栄養素を丸ごととれます。
【材料(1人分)】
- 冷凍ブロッコリー…50g
- 冷凍ほうれん草…30g
- 冷凍枝豆…30g
- ミニトマト…5個
- ツナ缶…60g
- 塩…小さじ1/4
- オリーブオイル…適量
- 水…200ml
【作り方】
- すべての材料を耐熱容器に入れて、水を加える。
- 600Wのレンジで2~3分加熱する。
日頃から取り入れたい、胃活・肝活の「OK・NG習慣」
\OK習慣/胃・肝臓の機能を高める「12の胃活・肝活」
久しぶりの飲み会・食事会を前に内蔵のコンディションを不安がる読者が多数。普段からできるケアを取り入れて、内臓に負担をかけにくい習慣を身につけて♪
食べたものの栄養は肝臓に届く前に、胃や腸で消化・吸収されます。胃の働きを促すケアは、肝臓にとってもメリット大。普段から「胃活」と「肝活」を合わせて実践することで、体のコンディションを底上げできます。
「基本は、とった栄養を体に必要なエネルギーにきちんと変えられる体作り。食事の量や質、時間のコントロール、適度な運動、良質な睡眠など、代謝を促す食・生活習慣で、体に不要な物質を肝臓にため込まないことが大切です」(堀江先生)
【1】[胃活・肝活]朝食を抜かず、1日3食。量は腹八分目に!
「まとめ食いをすると脂肪をため込みやすい体になるため、1日3食を規則正しくとることが重要。特に朝食抜きは、肝臓のエネルギー(グリコーゲン)不足にもつながります。ただし食べすぎは代謝の妨げになるのでNG。満腹を感じる手前の腹八分目を心掛けてください」(堀江先生・以下「」内同)
【2】[胃活]ひと口30回を目安によくかんで食べる
「咀嚼は消化の第1ステップ。食べたものを飲み込む前によくかみ砕いて、小さく柔らかくしておけば、胃の負担が減ります。また、咀嚼が多いと消化酵素である唾液の分泌も増えるため、胃腸への負担はより軽減されます。ひと口食べたら、ゆっくりと30回以上かむ習慣をつけましょう」
【3】[胃活]魚、肉、大豆製品、卵…多種類のたんぱく質をバランス良くとる
「内臓や筋肉の原料となるたんぱく質は、胃や肝臓にとっても欠かすことのできない栄養素。積極的にとることが必要です。魚、肉、大豆製品、卵…と、たんぱく質の多い食材はいろいろありますが、ひとつの食材だけでまかなうのではなく、多種類を3食に分けてバランス良くとるのがおすすめです」
【4】[胃活・肝活]ビタミンA・C・Eを意識してとる
「胃の粘膜を保護する粘液の分泌にはビタミンA・C・Eが必要です。また、肝臓にたまった脂肪が酸化すると肝機能が低下するため、肝臓を守る上でも、抗酸化作用のあるビタミンA・C・Eが有効。ビタミンA・C・Eを多く含むカラフルな緑黄色野菜を積極的にとるようにしましょう」
\ビタミンA/
レバー、にんじん、卵黄、ほうれん草、モロヘイヤ、…etc.
\ビタミンC/
パプリカ、ブロッコリー、カボチャ、キウイフルーツ、焼きのり、…etc.
\ビタミンE/
アーモンド、大豆類、卵、ブロッコリー、カボチャ、…etc.
【5】[胃活・肝活]食物繊維をしっかりとって便秘を予防
「腸内に便が長時間留まっていると、アンモニアなどの有毒物質が産生されやすく、解毒を行う肝臓の負担も大。肝臓を守るには、便秘を予防することも重要です。雑穀、豆類、根菜類、海藻類など食物繊維が豊富な食材をまんべんなくとって、腸内環境を整えましょう」
【6】[胃活・肝活]調理法を工夫して、脂質のとりすぎを防ぐ
「脂質の摂取量を控えたいときは、牛肉や豚肉ならヒレ、鶏肉はささ身や胸肉、マグロは赤身…と。食材ばかりに目が行きがちですが、調理法でもコントロールできます。蒸す、ゆでる、ホイル焼きにするなど、油を使わずに調理することで、胃や肝臓に負担の大きい脂質過多食を避けられます」
\蒸す/
\ホイル焼き/
【7】[肝活]体に良いとされるものでも、“ばっかり食べ”は避ける
「健康に良いと聞くとそればかりをたくさん食べる人がいますが、どんな食材もとりすぎは良くありません。肝臓はさまざまな栄養素を体に必要な物質に変える代謝の働きをしています。いろいろな食材をバランス良く、適量食べて、材料となる栄養素の偏りを防ぐことが大切です。“〇〇ずくめ”の食事は避けましょう」
【8】[胃活・肝活]胃や肝臓を冷やさないようにおなか周りを温める
「胃は冷えると消化能力が落ちるので、日頃から冷やさないようにすることが大切。血流に乗せて栄養素の出し入れをする肝臓も、温めて血行を促すことで働きが高まります」。食事で温かいものをとるほか、腹巻きや貼るカイロなどを利用して外からも冷えを防ぎましょう。
【9】[胃活]ストレスケアで副交感神経を優位に
「胃が活発に動くのは、副交感神経が優位なとき。ストレスや緊張によって交感神経が優位だと胃酸や胃粘膜の分泌が減って、胃の働きは鈍ります。デジタルをオフにしてのんびりする、体を動かして発散する、趣味を楽しむなど、自分なりのストレス解消法を見つけて、副交感神経が優位になる時間を増やしましょう」
【10】[胃活]就寝3時間前までに食事を終わらせる
「食べて胃に入ったものが、胃から完全に出ていくには6時間程かかります。せめて起きているうちに、機械的消化を大まか進めておけば、眠っている間の胃への負担を軽くできます。夕食は遅くても就寝3時間前までに済ませましょう。睡眠の質も自ずと上がります」
【11】[胃活・肝活]30分のウォーキングを週3回など、軽い運動を習慣にする
「ウォーキングなど有酸素運動の習慣化は、肝臓にたまった脂肪の燃焼を助けます。また、適度な運動は胃腸にとっても◎。運動中は交感神経が優位で空腹を感じませんが、やめた瞬間に副交感神経が優位になって胃腸が動き始めます。その点でも、食事前の軽い運動はおすすめです」
【12】[胃活・肝活]7時間の睡眠を確保して、自律神経のバランスを安定させる
「睡眠中は副交感神経が優位で、胃腸のぜん動運動が活発に。逆に、睡眠不足だと交感神経が優位な状態が長引いて胃の働きが低下。血流も悪くなり、肝臓にも悪影響です。夜は早めにリラックスモードに切り替えて、7時間前後の睡眠を目指しましょう」
\NG習慣/胃・肝臓の機能を低下させる「6つの悪習慣」
「お酒が弱くなった」「外食は胃もたれしそう」と内臓のコンディションを不安な人必見!胃と肝臓の働きをおさらいしましょう♪
飲みすぎ、食べすぎ、脂っこい食事、濃いお酒、ストレスは、胃・肝臓のNG要素!
「基本的に、食べる量、飲む量が過剰だと消化や分解に時間がかかり、胃や肝臓への負担は大きくなります。ただし量だけでなく、質にも注意してください。胃の滞留時間が長い脂質のほか、刺激物、アルコール度数の高いお酒のとりすぎは胃にも肝臓にもマイナスです」と堀江先生。「また、胃腸の消化活動は副交感神経が優位なときに活発になります。交感神経を高ぶらせるストレスや睡眠不足は胃の機能低下の一因に!」
【1】おなかいっぱいでも食べる
食べすぎると、食物が分解されてできたブドウ糖や脂肪酸が大量に運ばれて、肝臓はキャパオーバー。代謝できず脂肪肝に。
【2】アルコールをたくさん飲む
肝臓に入ったアルコールは、アルコール脱水酵素の働きで分解されるが、その処理能力を上回る量の摂取は肝臓を疲弊させる。
【3】脂質や刺激物をとりすぎる
脂質は胃での消化に時間がかかる上、肝臓に脂肪をため込む要因に。また香辛料などの刺激物の大量摂取は食道や胃の粘膜を傷つける。
【4】偏った食事で、たんぱく質やビタミンが不足
胃・肝臓での消化活動には、消化酵素の材料となるたんぱく質や粘膜を守るビタミン類が不可欠。栄養バランスの偏った食事はNG。
【5】ストレス過多でリラックスできない
ストレスや緊張で交感神経が優位になり、副交感神経が抑制されると、胃腸の働きが低下。消化・吸収・分解にもブレーキがかかる。
【6】睡眠時間が短く、睡眠の質も悪い
睡眠不足や質の悪い睡眠も自律神経の乱れを招き、胃腸の消化活動は低迷。夜でも交感神経が優位に働くような生活は見直しを。
飲み会当にできる!胃・肝臓を守る「9つの自己管理&事前ケア」
「胃活」「肝活」で自分の体調を守るケアを心がけて♪飲み会当日でも間に合うケア方法をご紹介します。
いざ飲む・食べるというときに 胃・肝臓を守るケア
飲み会はイベント感が強いだけに、普段よりも食べる量や飲む量が増え、内容も高脂肪になりがち。「胃や肝臓を守るためには、何をどれだけ飲み、食べるかをしっかり自己管理することが大切です」(堀江先生)、さらに、「事前に胃腸の調子を整えておくことも、飲み会当日の心得です」と、大正製薬・商品開発部の鈴木祐子さん。「おいしい料理やお酒も、胃腸のコンディションが万全でないと楽しめません」(鈴木さん)。
【1】飲み会の前に胃腸の調子を整えておく
「飲み会続きで胃が疲れているのに、また次の飲み会というケースも少なくありません。そんなときは、 胃腸の働きを整える 漢方薬がおすすめです。食べる前に飲んでおくと胃がスッキリして、食欲が出てきます」(鈴木さん)
大正製薬 大正漢方胃腸薬 [第2類医薬品]
価格 | 容量 |
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¥1,174(編集部調べ) | 12包 |
ふたつの漢方処方で胃の不調を回復。
本来の胃の働きを取り戻す「安あんちゅうさん中散」と、胃の緊張をほぐす「芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)」が胃もたれ・不快感に効果を発揮。
【2】お酒を飲む前に胃に何か入れておく
「胃が空っぽのままいきなりお酒を飲むと、 アルコールの吸収速度が早まって 、胃腸だけでなく、アルコールを分解・解毒する肝臓への負担も大きくなります。飲み会の少し前、あるいは乾杯直前でも、 おつまみ程度のものを少量 、胃に入れておくようにしましょう」(堀江先生・以下「」内同)
脂質やたんぱく質の豊富なナッツやチーズは、胃での消化吸収に時間がかかり、アルコールの血中濃度が急激に上がるのを防いでくれる。胃壁を保護する役割も。
【3】 はじめの1杯はアルコール度数8%以下を選ぶ
「アルコール度数が8%以下のお酒は、食前酒として食欲増進効果があるといわれています。ビールは5%程度なので、最初の1杯に最適。マッコリも◎。ウイスキーや焼酎も、水で割ったハイボールやサワーなら8%以下なのでOKです」
- ビール…5%

- サワー…3~5%

- ハイボール…7%前後

- マッコリ…7%

【4】アルコール度数17%以上の濃いお酒は薄めて飲む
「アルコールは消毒に使われるくらい殺菌力の高い物質。日本酒のアルコール度数(17%)より濃いお酒は、ストレートで飲むと 食道や胃の粘膜を傷つけ、細胞にダメージを与えます。 17%を大幅に上回るウイスキーや焼酎などの蒸留酒は、必ず水などで薄めて飲んで」
- ジン…47%
- ウイスキー…43%
- 焼酎…25%
- 日本酒…17%
【5】味や香りをゆっくり楽しめる高級酒をオーダーする
「1回に飲むお酒の量の健康ラインは、 女性の場合20g とされています。20gとは、ビールで中ビン1本、日本酒1合、ワインはグラス1杯半程度。物足りなく感じる人は、より高級なお酒に切り替えてみてはどうでしょう。味や香りをゆっくりと楽しむことで、量をセーブできます」
【6】野菜とたんぱく質メインのメニューを選び、揚げものなどは控えめに
「自分でメニューを選べるような会なら、 色の濃い野菜 と、 脂質の少ないたんぱく質 をしっかりとるように意識を。また、揚げものなど油の多い料理は控えて。ほかの人が頼んでいても、手を出さないのが賢明です。ごはんやパスタなど炭水化物も程々に!」
【7】鍋やスープで体を温めて消化を促す
「体が冷えると胃腸の動きも、肝臓の働きも低下します。ビールやウイスキー、焼酎などは体を冷やすお酒なので、それらを好んで飲む人はなおさらです。鍋やスープなど温かい汁ものを食べて内臓を温め、消化を促しましょう。消化液を刺激する しょうが を加えるのも◎」
【8】足どり(酔い)がフラついていないか確認する
「みんなでワイワイ飲んでいると、ついお酒の量が進んでしまうので、合間に 席を立って冷静になる時間を挟む ようにしましょう。歩いてみたときにフラつくようなら、肝臓で分解し切れないアルコールが 脳まで回っているサイン 。そこでお酒はストップ!」
【9】さまざまな種類の料理を少しずつ食べる
「1品のおかずをつまみにお酒を飲み続けるのはNG。せっかく人数が集まっているのだから、さまざまな食材を使った多種の料理をみんなでシェアして、少量ずつ食べましょう。そうすると自然に栄養バランスの良い食事をとることができます。ゆっくりかんで食べることも忘れずに!」
\美容誌『美的』の読者に聞いた/胃&肝臓のケア法は?
体調を守るケアを心がけて楽しい飲み会に♪『美的』読者がリアルに実践している「胃活」「肝活」をチェック!
「飲み会前はウコンのドリンクを飲んでおくとちょっと安心!」(アパレル・29歳)
「内臓マッサージや胃に効くツボを押したりして胃もたれを防止!」(クリエイター・39歳)
「チェイサーの水をアルコール以上に飲んでいます」(営業・32歳)
「2杯目からはお湯割りに。アルコールが薄まるし、おなかも温まります」(会社員・30歳)
「最初は必ず野菜から食べるようにしています」(看護師・33歳)
飲みすぎ&食べすぎたときの「症状別対処法」
内臓に負担をかけないように日頃からの「胃活」「肝活」が重要!だけど、飲みすぎ&食べ過ぎちゃったときの対処法を専門家の先生が教えてくれました。
【胃がもたれる】漢方薬で胃腸の疲れを整える
「胃腸が疲れ、消化機能が低下しているときは、“気(エネルギー)”の流れを回復させる漢方薬『半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)』や『六君子湯(りっくんしとう)』が有効です。飲みすぎ・食べすぎたとき以外でも、胃もたれの解消に服用されます」(堀江先生・以下「」内同)
クラシエ薬品「クラシエ」漢方六君子湯エキス顆粒[第2類医薬品]
価格 | 容量 |
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¥2,640 | 24包 |
「気」を巡らせて胃腸の働きを底上げ。
消化不良、食欲不振、みぞおちのつかえなど、弱った胃腸の不快な症状を改善。
ツムラ ツムラ漢方半夏瀉心湯エキス顆粒[第2類医薬品]
価格 | 容量 |
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¥1,980 | 10包 |
胃腸の不調へトータルに働きかける。
みぞおちのつかえ、消化不良、胃弱、胸焼けなど、働きが弱った胃腸の不調症状に効果を発揮。
【胃がもたれる】ウエストをストレッチ→体の右側を下にして横になる
「胃もたれは、食べ物の消化が遅れているサイン。まずはウエストをひねるなどのストレッチで胃を刺激してぜん動運動を促します。その後、胃からの出口(消化された物質が小腸へ流れていく部分)がある右側を下にして横になって」
【胃がもたれる】にら、ねぎ、玉ねぎなどの消化・吸収を助ける食材をとる
「消化に負担にならないようなやわらかいものを食べてください。アリシンを含むねぎやにらなどを細かく刻み、豆腐にのせて食べると、たんぱく質やカルシウムの補給と同時に、消化促進や食欲増進効果も期待できます」
\豆腐にねぎをたっぷりトッピング/
【飲みすぎた】水はけを促す漢方薬「五苓散」を味方に!
「漢方で飲みすぎは、“水(すい)”がたまった状態と考え、水はけを良くする働きのある漢方薬『五苓散(ごれいさん)』を処方します」。飲みすぎた翌日の顔や体のむくみ、下痢、頭痛などにも効果があります。
クラシエ薬品 「クラシエ」漢方五苓散料エキス顆粒[第2類医薬品]
価格 | 容量 |
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¥1,540 | 12包 |
二日酔い時のつらい症状を生薬の力で改善。
体の働きを高めて、余分な「水」を体の外へ送り出す処方。二日酔い時のむくみ、頭痛、吐き気、嘔吐などに効果的。
【胃が痛い】胃痛に効果的な医薬品を服用する
「一般的に医療機関で処方される胃の痛みの抑制に効果的な薬は、『ストロカイン』です。胃酸の分泌を抑え、胃腸の運動を鎮めて痛みを和らげます」主成分は「オキセザセイン」で、市販薬にも配合されているものはあります。
\胃痛が続くなら医療機関へ!/
【頭が痛い】水分をたっぷり補給して、代謝や巡りをスムーズに
「飲みすぎによる頭痛の原因は主に脱水です。痛みを抑える以前に、水の代謝や血の巡りを促すことが大切。吸収の早い常温のスポーツドリンクや温かい汁ものなどでしっかり水分補給をしてください」
大塚製薬 ポカリスエット イオンウォーター
価格 | 容量 |
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¥151(編集部調べ) | 500ml |
常温でもおいしく飲める!
水分とイオン(電解質)をバランスよく、スムースに補給できる健康飲料。
\シジミのみそ汁も◎!/
40代以上におすすめ!美肌を作る「5つのセルフ肝活術」【美的GRAND掲載】

ウォブ クリニック中目黒 総院長
髙瀬 聡子先生
たかせあきこ/2007年開院。個々の悩みに的確に応える丁寧な診療が人気。商品開発やメディア出演も。英国留学でインナーケアの重要性を痛感。
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スキンケアだけでは解消できない肌の曇り感は“肝臓”が原因かも!?今日からできる「肝活」で美肌をゲット♪
\暴飲暴食、欠食は避け、バランスの良い食事をとる/
体も肌も内臓も栄養バランスの良い食事が重要。「主食、主菜、副菜がそろった食事をなるべく3食規則正しく、腹8分目を目安に。良質なたんぱく質やビタミン、ミネラルは肝臓の働きを助けます。逆に、ほぼ糖質の砂糖、酸化防止剤などの食品添加物は、肝臓の負担になるので避けてださい」(髙瀬先生・以下「」内同)
【1】食事から、体作りに欠かせない「良質なたんぱく質」をとる
「肝臓で代謝の働きを促す酵素を作るたんぱく質。マグロなどの魚類、赤身の肉類、納豆や枝豆などの大豆製品、チーズやヨーグルトなその乳製品、卵をバランス良く食べると◎。」
【2】「ビタミン&ミネラル」で肝臓の働きをサポート
「肝臓の疲れを取り、を助けるビタミンA・ B群・C・E、ミネラルは、食事でとるのがベストです。外食が多いと不足しがちなので、サプリメントで補ってもいいでしょう。」
大塚製薬 ネイチャーメイド スーパー マルチビタミン&ミネラル
価格 | 容量 |
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¥3,078(編集部調べ) | 120粒 120日分 |
毎日ひと粒で足りない栄養素を補う。
ビタミン12種類、ミネラル7種類をひと粒でとれる。
\こちらはとらないように注意!/
- 砂糖
- 添加物
【3】お酒を飲む前の「ウコン」で胆汁の分泌を促す
「ウコンに含まれる成分クルクミンは、肝臓の働きを高め、胆汁を分泌しやすくし、アルコールの代謝分解を促します。普段から摂取する必要はなく、お酒を飲む直前にとればOK。」
ファンケル ウコン 革命EX
価格 | 容量 |
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¥1,000 | 10袋 |
乾杯サプリが研究で進化。
よりダイレクトに成分が働くように、ウコン由来の還元型クルクミノイドを新採用。お酒の味を邪魔しないカプセル型。
【4】お酒を飲んだ後は「オルニチン&タウリン」で肝臓を守る
「シジミやカキなどに含まれるオルニチン、イカやタコ、エビなどに含まれるアミノ酸の一種のタウリンは、アルコールの解毒を助け、二日酔いの原因アセトアルデヒドを分解します。」
【5】飲み方のルールは「適量をゆっくりと」
「飲み過ぎは肝臓を酷使させ、機能低下を引き起こす原因に。適量を守り、つまみやチェイサーを用意し、ゆっくり飲むこと。週2回は休肝日を作り、肝臓を休ませましょう」
【1日の適量】
\ワイン2杯(250ml)/
\ビール中瓶(500ml)/
\日本酒1合(180ml)/
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。
おがたさとし/佐久市立国保浅間総合病院 外科部長。同院にて肥満・脂肪肝治療専門の「スマート外来」を立ち上げ、肝臓をいたわる重要性を説く。著書に『肝臓から脂肪を落とす!肝活レシピ』(新星出版社)など。