化粧水だけの保湿ケアは、OK? スキンケアアイテムごとの役割とは
毎日のスキンケアに関する疑問。化粧水だけで保湿ケアを終わらせるのってダメ?その疑問に専門家がお答えします!そもそも化粧水や乳液、クリームの役割って?それぞれの役割、効果をきちんと知って日々の保湿ケアを徹底しましょう!
「保湿」は化粧水だけじゃダメ?
「化粧水だけ」ではダメな理由
Q:保湿は化粧水だけじゃNGってホント?
A:本当
「化粧水は水分補給をして、肌にうるおいを届ける役目があります。このうるおいをキープしたり、さらにバリア機能を高めるためには油分(乳液やクリーム、オイルなど)が必要なのです。化粧品の歴史は古く、驚くことに顔に油を塗ることから始まったのですよ」(小西さん)
「化粧水だけ」でいい人っているの?
アヴェーニュー表参道クリニック 皮膚科医
太田 理会医師
藤田医科大学医学部卒、藤田医科大学ばんたね病院、福井県済生会病院にて研鑽を積む。皮膚科医、美容皮膚科が専門。丁寧なカウンセリングを通じて患者様のお悩みに正面から向き合いたいと思っています。どんなことでもお気兼ねなくご相談ください。
「基本的には、化粧水だけというのは避けてほしいもの。どんなに脂っぽい人でも、皮膚が炎症を起こしていると、皮膚がめくれて乾燥していることもあるのです。乳液なりクリームで保湿するようにしましょう。
とはいえ、明らかに毛穴が詰まっているという場合、こってりクリームなどを使用することで余計に毛穴詰まりが酷くなってしまうことも。化粧水のあとに乳液やジェルをつける程度で保湿するのがよいでしょう」( 太田医師)
そもそも保湿ケアが大事な「理由」
名古屋市立大学大学院医学研究科 加齢・環境皮膚科学 教授
医学博士・皮膚科専門医 森田明理先生
環境による皮膚の反応・変化、紫外線免疫、最新皮膚疾患治療、肌老化のメカニズムとアンチエイジングなどの専門家であり、大気汚染と肌の関係の研究における第一人者。
- 乾燥した肌は角層が乱れ、肌のバリア機能が低下した状態。
- ポリューションにも敏感で炎症が起こりやすくなります。
- 一年中、とにかく保湿はしっかり行うこと。
- 化粧水、クリームなどで水分と油分の両方を補うことが大切です。
【角層が乱れた肌】
角層が乱れると肌本来のバリア機能が低下し、外的刺激に敏感になりポリューションの影響を受けやすくなる。
【角層が整った肌】
角層が整い、肌本来のバリア機能が正常に働くことで、ポリューションの肌内部への侵入を防ぐことができる。
「化粧水」の役割
「化粧水には、肌に水分を与えることできめを整えてふっくらさせ、透明感を与える効果があります。でも、バリア機能を補う程の保湿成分は入っていないものが多く、大半は水分。化粧水だけを何度も重ねるのではなく、美容液やクリームもしっかりつけて」(大塚さん)
「乳液」の役割
美容好き芸人
秋葉信吾さん
あきばしんご/日本化粧品検定1級、化粧品会社での勤務経験を経てお笑い芸人に。インスタグラムにてコスメの疑問やお悩みに個別にお答えするストーリーズも実施中。
日頃から不思議だなぁと思うのですが、なんとなく世間一般的に『化粧水だけしていたらスキンケアをしている感がある』という感覚があるように思います。もちろん各メーカーさんごとにアイテムのステップは異なりますが、元々化粧品メーカーにて働いていた感覚からすると、化粧水と乳液のふたつでセット、という気持ちです。乳液は化粧水が肌に与えた潤いに蓋をする役割を持ちます。逆に言えば、乳液で蓋をしないとせっかく与えた潤いが肌にしみこむ前に出ていってしまいます。
「クリーム」の役割
ビューティ エキスパート
大高 博幸さん
1948年6月22日生まれ。24歳の時、日本人として初めてパリコレでメークを担当。一流化粧品会社数社にて、メークアップアーティスト、美容教育&製品開発マネージャーを歴任後、フリーとなる。『美的』では、創刊号より連載『大高博幸さんが選ぶベストバイ』を執筆。
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- 乳液とクリームは基本的に、どちらも水分と油分etcを含んでいて、肌を保湿・保護するためのアイテム。
- 乳液は水分が多めの処方、クリームは油分が多めの処方になっています (そのため、乳液は流動体を意味する”ml”、クリームは粘性の高さを意味する”g”で容量を表示しているケースがほとんどです)。
- クリームよりも乳液のほうが軽やかで、みずみずしい。
- 1品でもケアは可能であるが、2品を重ねるコトによって、肌へのなじみor収まりor満足感が高まるコトは確か。
効果を高める2つの「保湿ケア法」
日本化粧品検定協会代表理事
小西 さやかさん
一般社団法人 日本化粧品検定協会代表理事 東京農業大学 食香粧化学科 客員准教授 各種協会の顧問、学会幹事を歴任。化粧品の開発経験があり、工学修士としての科学的視点から美容、コスメを評価できる専門家「コスメコンシェルジュ」。著書9冊、累計30万部を突破。
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【1】保湿シートパックに「乳液」をプラス
「スペシャルケアとして、シートパックを取り入れている方も多いですよね。しかし、場合によっては逆に肌が乾燥してしまうことも。欲張って、規定以上の時間シートパックをのせている……なんてことはありませんか? パックが乾きはじめ、肌の水分が蒸発して乾燥を招いてしまいます。
手ごろな価格で大量に入ったシートパックの場合、個包装よりも浸透させている液の粘度が低く、保水力が低めのものが多いです。パックの効果を長持ちさせるためには、シートパックをのせる前にまず化粧水で保湿しましょう。さらに、上からラップを重ねれば、ラップが水分の蒸発を防ぎ、パックをムダなく吸収することができます。
それでも面倒……という人は、シートパックの上から乳液をつけてみて。ラップ同様に、油分のラップ効果でパックの水分が蒸発しにくくなります。また、数分おいて裏返せば、乳液パックもできますよ」(小西さん)
【2】「シリコンパック」で効率よく保湿
「個包装のシートパックの場合、パックをのせた上から、耳にかけて使用できる市販のシリコンパックを取り入れてみて。シリコンパックを使用することで、密閉性が高まり保湿力がアップ。パックが乾かないので、規定時間より5~10分長持ちしますよ。
また、パックがズレにくくなるので、家事やストレッチ、髪を乾かしたりなどの“ながら美容”にもピッタリ。洗って繰り返し使用できる『ピエラシリコンマスク』(フォレストビューティーラボ)や、コスパ重視なら100円均一の『シリコーン 潤マスク』(ザ・ダイソー)もおすすめです」(小西さん)
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。
一般社団法人 日本化粧品検定協会代表理事 東京農業大学 食香粧化学科 客員准教授 各種協会の顧問、学会幹事を歴任。化粧品の開発経験があり、工学修士としての科学的視点から美容、コスメを評価できる専門家「コスメコンシェルジュ」。著書9冊、累計30万部を突破。