マスク生活で顔がたるんで、肌のハリやツヤが失われた気がします…【女医に訊く#152】
帰宅後、マスクを外してビックリ! 顔の下半分がたるんだように感じたり、肌のハリやツヤが失われように感じたりしたことはありませんか? マスクが肌に与える影響と対策について、皮膚科専門医の慶田朋子先生に教えていただきました。
マスクを装着し続けると顔がたるむ!?
「マスクをした影響で、大幅に顔がたるんだり肌のハリが失われたりするというのは、通常は考えにくいですね」と話すのは、皮膚科専門医の慶田朋子先生。
基本的にきれいな笑顔を作るときは、口角を上げる大頬骨筋と小頬骨筋、口を横方向に引っ張る笑筋の3つを連動させます。マスクなしで人と対面するときは、見られているという意識から、これらの筋肉に軽く力を入れた状態で顔を保っていただけ。今たるみが気になる人は、もともとたるんでいたか、マスクをすることで表情筋をキープする力が衰えてしまったのかもしれません。
「マスクで顔を覆っていると、主に目元でのコミュニケーションになるため、口元をあまり使わなくなりますよね。その影響で輪郭や口元が少したるんだように感じてしまうのかもしれません」(慶田先生)
顔を上げるには顔ストレッチやマッサージが有効?
表情筋をキープする力が衰えてきたからといって、過剰な顔ストレッチやマッサージするのは危険! 表情筋が発達し過ぎると、表情ジワが深くなることがあるのです。
「そもそもボトックス注射は、このような過剰な筋肉の収縮を緩めて、表情ジワを解消するもの。顔のストレッチで徐々に筋肉が大きく発達すると、シワはさらに深くなってしまいます」(慶田先生)
過剰な顔ストレッチやマッサージは避け、日頃からかすかに微笑みをたたえた状態をキープするように意識して。また、姿勢が悪いと顔の筋肉が下方向に引っ張られて顔がたるむこともありますから、体幹を鍛えて姿勢を改善しましょう。
肌のツヤが消えるのは角層の状態が悪くなった証拠!?
肌のツヤは肌のバリア状態を反映しています。肌のツヤが消えるのは、角層の状態が悪くなったというサイン。角質細胞が均一に並んでいて、水分を十分に蓄えていれば、キメが整い透明感とツヤ感が出て、ふっくらとした肌に見えるのです。
「残念ながら角層は、マスクの影響を受けます。マスクで擦れたり、保湿成分が取られたりすると、角層が乱れて肌のツヤが失われてしまうのです。さらに、マスク蒸れで皮脂の分泌量が増えると、ニキビができたり脂漏性皮膚炎になったりすることもありますから注意しましょう」(慶田先生)
マスクを買うときは硬い生地を避け、通気性と肌当たりのいいものを選んで。汗をかいたら、やさしくティッシュや濡れハンカチでおさえ、帰宅後はすぐに洗顔をして保湿をしましょう。
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。
銀座ケイスキンクリニック院長。医学博士。日本皮膚科学会認定皮膚科専門医。日本レーザー医学会認定レーザー専門医。東京女子医科大学医学部医学科卒業後、東京女子医科大学病院、聖母会聖母病院などを経て、2006年、有楽町西武ケイスキンクリニック開設。2011年、西武有楽町店閉店に伴い、銀座ケイスキンクリニックとしてリニューアルオープン。最新マシンと高い注射注入技術で叶える、切らないリバースエイジングに好評を博している。著書に『女医が教える、やってはいけない美容法33』(小学館)など。