健康・ヘルスケア
2020.8.23

「声の大きい人に気圧されてしまう」「イベント前後で体調を崩しがち」…仕事に関する“敏感さん”あるあると対処法とは?

音など五感の刺激が人より気になる、他者の気持ちを敏感に感じとってしまうため気疲れしやすい…それって「HSP(=ひといちばい敏感な人)」かも? 今回は『美的』読者の“敏感さん”から寄せられた、「こんなことに困ってます…」をご紹介! 仕事から読み解く「敏感さんあるある」と「対処法」について教えていただきました。

怒りっぽい人、声のやたら大きい人、威圧的な人などに気圧されてしまう

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「職場に地声のとても大きな人がいて…怒っているわけではないらしいのだけど萎縮してしまいます」(福祉・25歳)、「隣の部署にしょっちゅう怒っている人がいます。自分が怒られているわけではないのに、気分が悪くなります」(経理・26歳)など、威圧的な存在感のある人に刺激を受けすぎてフリーズしてしまったり、弱ってしまいがち。「気にしない」が難しい“敏感さん“の場合、どう対応するのが正解?

→まずは極力避けること。難しい場合は胸元の辺りに書類を持っておくなど、心理的防御のために障壁を作っておく
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「心理的防御のために障壁を作ることが有効。マスクをする、胸の前で書類を持つ、テーブル越しなら相手との間に書類やコップを置く。これだけでも心理的な負荷が違います」(佐々木先生)

「どうしても避けられず会話をする必要がある場合は、声のトーンを落としてゆっくり、客観的&冷静な口調で。人には同調性があるので相手も同じテンションになっていきます。逆にこちらが影響されて声を大きくすると、さらに相手も大きくなってしまいます」(北川先生)

 

イベントごとが苦手で、前後で体調をくずしがち

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イベントのことを深く考えてしまうがゆえに、体調に影響が出てしまいがちな“敏感さん”。「クライアントを招いたパーティの担当になってしまい、本番当日まで本気で胃が痛くて。通院した程でした」(営業・31歳)などイベントの可否が気になってしまったり、担当者ではなくてもその場にいるだけで大勢の人や華美な音響・装飾などが刺激になって帰宅後はぐったりしてしまうことも。うまく対処する方法は?

→意識的に『ダウンタイム(=休息)』を取り入れる。また、イベントの不安な側面だけでなく肯定的な側面も洗い出し、バランスのとれた視点を身につける練習をしてみるのもおすすめです
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「HSPに覚えていてほしい言葉のひとつに“ダウンタイム=休息”があります。非日常的な出来事に敏感だからこそ、前後でしっかり休息を」(明橋先生)

「否定的な側面に着目しがちなので、メリットや成功した点など肯定的な側面の洗い出しを。その際、否定的側面をゼロにするのではなく、両面あることを発見することが大事。考えるときは思いきり考え、一定時間で区切り、切り替えを。お風呂に入るなど行動的に切り替えるといいでしょう」(北川先生)

 

お話を伺ったのは…
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真生会富山病院 心療内科医 明橋大二先生
あけはし・だいじ/精神病理学、児童思春期精神医療専門。真生会富山病院心療内科部長を務めるほか、児童相談所嘱託医など子供の問題に多数関わる。HSPの子供版“HSC”の日本における第一人者で、著作も多数。
公式HPはhttp://www.akehashi.com

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STトータルセッション 主宰・臨床心理士 佐々木智城先生
ささき・ともしろ/星槎道都大学社会福祉学部准教授。臨床心理士、公認心理師、精神保健福祉士。札幌と帯広にある心理臨床サロン「STトータルセッション」(https://www.st-total-session.jp)にて、トラウマ、HSPを中心に心理療法を提供。オンラインも受付。

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心理オフィスK 主宰・臨床心理士 北川清一郎先生
きたがわ・せいいちろう/臨床心理士、公認心理師、産業カウンセラー、認定心理士ほか多数資格取得。横浜のカウンセリング専門機関「心理オフィスK」(https://s-office-k.com)の代表として、年間約1,200件のカウンセリングと多くの症例に触れている。

 

『美的』2020年9月号掲載
イラスト/高野 優 構成/加藤絢子(本誌)、有田智子

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

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