肩こり、抜け毛、むくみ、疲れやすい…etc.心当たりがあるなら「毛細血管力」低下中かも!?
「血流」は、美容や健康のバロメーター。血流の良い人は、内側から湧き上がるパワーをもち、肌も体も不調知らず。 一方、血流の悪い人は、全身の細胞が栄養・酸素不足になり、肌や体にトラブルが多発しがちに…。血流を良くするには「毛細血管」の強化が必須なんです! 詳しいお話をハーバード大学・ソルボンヌ大学 医学部客員教授の根来秀行先生に伺いました。
こんな症状があるあなた、血流ワル子になっているかも!?
□ 髪にツヤがない。抜け毛が増えた。
□ 頭痛、肩・首こり、腰痛がある。
□ イライラする。やる気が出ない。落ち込みやすい。
□ 爪が薄く、弱くなった。凸凹がある。
□ 冷えやむくみがひどい。
□ 目が乾く。かすむ。充血しがち。
□ 乾燥、くすみ、シワ、ニキビなど、肌トラブルが絶えない。
□ 肌・唇・歯茎の血色が悪い。
□ 疲れやすい、だるい。
□ 風邪をひきやすい。
□ 胃もたれ、胃痛。お腹が張る。
□ 生理不順、生理痛。
毛細血管を強化して血流UP!不調の解消へ
体の内側からキレイを目指す大人女子にとって、「血流UP」は重要なキーワード。
「血液の流れが良くないと、体のすみずみまで充分な栄養が行き渡らず、体調に悪影響が出るだけでなく、肌、目、髪、爪などあらゆるパーツが輝きを失ってしまいます」と、ハーバード大学医学部教授の根来秀行先生は話します。
自分の血流の善し悪しを肉眼で確認するのは難しいけれど、上記の項目にひとつでも当てはまれば、血流の低下が疑われるそう。
「ここでいう“血流”とは、動脈や静脈などの太い血管を流れる血液ではなく、主には、全身の末梢に届く毛細血管を流れる血液のことです。毛細血管は動脈や静脈とは比べものにならない量で全身に張り巡らされています。体のあちらこちらで生じる不調は、この毛細血管のダメージや減少が大きな要因。つまり、まずは毛細血管を強化することこそが全身の血流UP、ひいてはキレイへの近道になるのです」(根来先生)
血管の99%を占める毛細血管は、人体最大の臓器!
動脈と静脈をつなぐ毛細血管は、血液循環の要!
「毛細血管は、内皮細胞一層とそれを囲む周皮細胞のみでできていて、髪の毛の1/10程しかない超極細な血管です。1本1本はか細いものの、全身にくまなく張り巡らされ、血管の99%を占めるため、実は血液循環の主役といえるでしょう。体に必要な酸素や栄養素を全身の細胞に届け、不要な二酸化炭素や老廃物を回収するといった、生命活動の根幹に関わる働きを狙う点でも、毛細血管の健康は体のコンディションの直結します。動脈や静脈と違って、加齢や生活習慣によって減ったり増えたりするのも特徴です」(根来先生)
体に必要&不要なものの物々交換は、毛細血管なくして成立しない!
毛細血管は健やかな体のためのライフライン!
全身の靴液温流れを整理すると、大きくは、取り入れた酸素や栄養素を運ぶ「動脈の流れ」と、いらなくなった二酸化炭素や老廃物を回収する「静脈の流れ」のふたつに分かれます。
「動脈や静脈といった太い血管と毛細血管の違いは、道路に例えるとわかりやすいと思います。物資を必要とする現場を全身の各細胞とした場合、動脈や静脈は高速道路。なんとか周辺までは行けても、その先の現場までたどり着けるのは一般道路の毛細血管です。実際、全身の細胞は毛細血管から0.03mm以内に存在します。つまり、毛細血管こそが物々交換の現場であり、ライフライン。毛細血管の働きなくして、健やかな体は維持できないのです」(根来先生)
毛細血管には、そういった物々交換の現場として意外にも、重要なミッションがあるといいます。
「ひとつは免疫機能。最近やウイルスなどの外敵が体内に潜入してしまった場合、感染を防ぐために免疫細胞をその部位に派遣するのは毛細血管の役目です。また、血液に乗せたホルモンを介して情報を伝達する、体の通信網的な働きも。さらに、外気の温度に応じて毛細血管を拡張・収縮させることで、体温を調節します」(根来先生)
教えてくれたのは…
ハーバード大学・ソルボンヌ大学医学部客員教授 根来秀行先生
ねごろひでゆき/医師、医学博士。東京大学大学院医学系研究科内科学専攻博士過程修了。専門は内科学、腎臓病学、抗加齢医学、睡眠医学など。最先端の臨床・研究・医学教育の分野で国際的に活躍。著書も多数で、近著に『超呼吸法』(KADOKAWA)。
『美的』12月号掲載
イラスト/小迎裕美子、きくちりえ(Softdesign) 構成/つつみゆかり
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。