健康・ヘルスケア
2018.4.9

産後の不安を解消!うつ・骨盤の開き・たるみお腹・むくみ…原因や対策を専門家が解説

人生の一大イベント、出産を終えたママさん。ホッとするのもつかの間、そこから子育ての本番が始まります。産後はホルモンバランスの崩れや疲れでうつの症状が出たり、骨盤の開きやぽっこりお腹がなかなか戻らない、ダイエットがうまくいかない、生理が再開しないなどの悩みを抱える女性も多いでしょう。今回は、“産前産後の骨盤アドバイザー”であり、“女性の一生に寄り添う”がテーマのプライベートサロン『プチ・ソム・ド・アンジュ』オーナーで、マタニティケア、産後ケアなどを行う小池真由美さんに、これらの悩みの対策について聞いてみました。お腹の筋肉を引き締める体操もご紹介しています。

【目次】
産後うつの原因や対策は?
産後の生理再開はいつから?
産後の骨盤矯正はどうすべき?
産後のダイエット…ぷよぷよお腹を戻すには?
産後のむくみの原因や対策は?

産後うつの原因や対策は?

産後うつはなぜ起きる?

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赤ちゃんが生まれると、妊娠中は多く分泌されていたエストロゲンとプロゲステロンという女性ホルモンが急激に減少し、逆に、プロラクチンという母乳を出すためのホルモンと、オキシトシンという子宮を収縮させるホルモンが分泌されるなどして、ホルモンのバランスに大きな変化が訪れます。これが自律神経系に影響を及ぼし、情緒不安定やうつを招きやすいのです。

自覚症状があるかチェック!

主な自覚症状には次のようなことが挙げられます。

・食欲がない、または食欲がありすぎる
・眠れない
・頭痛がする
・涙があふれる
・無気力
・悲観的
・子どもが可愛いと思えない
・物事の手順が分からなくなることがある

いつからなる人が多い?

うつの症状は、産後すぐに出る人もいれば、1〜3か月経ってからの人もいるなど、人によって異なります。

産後すぐになる人に多い原因としては、上記のホルモンバランスの乱れに加え、

・育児へのプレッシャー(親や周囲からの期待、そして自分自身への期待からくるプレッシャー)
・夫から理解してもらえない、協力してもらえない

などが考えられます。
また、産後しばらくしてからの場合、さらに

・体が思うように回復しない
・疲労の積み重ね

といった原因も考えられ、いずれにしても、悩みを1人で抱え込んでしまうことが多いようです。

うつの症状が出たときの対策は?

もしうつの症状が始まったら、まずは体を休めること。そして、パートナーに限らず、誰かのサポートを得ること。身近に頼れる人がいない場合は、出産した病院や保険センター、民間のサービスなどに相談するのもよいでしょう。行政では、産後1〜2か月以内に自宅に保健師や助産師さんが出向いてくれる“新生児訪問”を実施しているところも多く、アドバイスを受けることで産後うつを事前に防ぐこともできるかもしれません。

また、上に挙げた自覚症状の中でも、特に後半の症状が出てきて育児にも影響を及ぼすようであれば、早めに専門医に診てもらいましょう。

とにかく1人で抱え込まずに、SOSを出すことが大切です。

うつを予防する方法は?

上述のとおり、産後はどうしてもホルモンバランスが崩れるもの。そのことを理解し、できれば妊娠中、さらには妊娠前から起こりうる“産後のリアル”を知っておくことが重要です。

産後について事前に話し合うなどパートナーとのコミュニケーションをきちんと図っておくこと。そして食生活を気をつけたり、筋肉を良い状態にして、出産そのものがスムーズにいくような体づくりをしておきましょう。

また、人間は朝、太陽の陽を浴びると、“セロトニン”という脳内物質の分泌が活性化されます。セロトニンは脳の覚醒や精神安定に関わるホルモン。セロトニンが分泌されると、気持ちのアップダウンもある程度安定するといわれています。

そして、もうひとつ、上述の“オキシトシン”は、“愛情ホルモン”、“幸せホルモン”という通称があるように、子供やペット、家族、愛する人などと触れ合うときに分泌され、ストレスを緩和してくれるホルモンです。

ホルモンバランスが乱れていても、セロトニンとオキシトシンという2つのホルモンがきちんと分泌されていれば、気持ちの激しいアップダウンはおさえることができるでしょう。

産後の生理再開はいつから?

生理再開の時期は人によってさまざま

産後の生理の再開の時期は人によってバラバラで、一概に早い遅いの良し悪しは言えません。夜の授乳をやめると生理が始まるという説もよく聞きます。これは、上述の母乳を出すためのホルモン“プロラクチン”に、排卵を抑制する作用があるためでしょう。

ひとつ言えるのは、もし第二子を望んでいるのであれば、断乳は早めのほうがよいということ。血液を母乳ではなく生殖のほうにまわすためです。第二子妊娠中に貧血が多いという人は、第一子の母乳期間が長かったことも原因のひとつに考えられるでしょう。

産後は生理痛がラクになる?

妊娠・出産したことで筋肉が強くなったり、子宮の収縮の働きがよくなることで、出産前より生理痛がラクになることは考えられます。もし妊娠前より生理が重かったり生理痛がひどい場合は、疲れや冷えなどの原因が考えられますが、婦人科に相談するようにしましょう。

産後の骨盤矯正はどうすべき?

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産後の骨盤は最大に開いている

女性の体は妊娠すると“リラキシン”というホルモンが分泌され、骨盤の恥骨結合(写真白で囲った部分)と仙腸関節(写真赤で囲った部分)が徐々にゆるんでいき、出産時に骨盤が最大に開くようになっています。

産後はそのまま骨盤が開いた状態になりやすく、それを防ぐために、産院によっては助産師が骨盤が締まるように調整してくれるところもあります。退院後に骨盤調整をしてくれる整体院を利用するのもよいでしょう。

骨盤ベルトやガードルはあくまでもサポートとして

骨盤を締めるために骨盤ベルトやガードルを使う人も多いと思います。実際にこれらをつけると骨盤は締まりますし、歩きやすくなったり、体勢が安定します。締まることでやせたようにも感じられます。

ただ、あくまでもこれらの道具は“サポートするためのもの”として使いましょう。頼りすぎると、自力で骨盤を締める筋肉が育ちませんし、ベルトやガードルが手放せない体になってしまいます。また、ずっと締め続けることで血流も悪くなり、冷えにもつながってしまうかもしれません。

出産後1か月くらいの安静にしている期間はベルトなどに頼っても、その後は少しずつ手放していき、自力で骨盤を締められる体づくりを心がけることが大切です。

骨盤矯正&骨盤底筋群を鍛えるための体操

自らの力で骨盤を締めることができず、骨盤がゆるんだままだと、次の出産のときに早産になりやすくもなります。

また、骨盤の下部分に位置する骨盤底筋群も、出産直後は伸びきったゴムのような状態になっていますが、これがゆるみっぱなしだと、尿もれにもつながります。

骨盤を締めたり、骨盤底筋群を鍛えるための体操は美的.comの下記記事でご紹介しています。産後すぐでも寝ながらできる動きや、出産後3週間ほど経ってからできる骨盤底筋群を鍛えるための体操などがありますので、ご自身の状況に合わせて実践してみてください。

→→「産後におすすめ骨盤体操|体型を戻すには?産後すぐの“寝ながら体操”から正しい座り方までを紹介」

産後のダイエット…ぷよぷよお腹を戻すには?

日常生活の中でも骨盤や下腹部を鍛えられる!

産後、母乳をあげることで体重は落ちていきますが、体を動かさずにいると、ただただやつれてしまうことに。バランスよく健康的に元の体型に戻すには、時間をかけてインナーマッスルのトレーニングをすることが大切です。

特に産後の多くの女性が悩む“ぽっこりお腹”は、骨盤が開いていることにより、上の内臓を支えきれずに下腹部が出てしまうことが主な原因。骨盤を締めることは、ぽっこりお腹の解消にもつながります。

また、日常生活の中で呼吸の仕方を気をつけるだけでも、下腹部を鍛えることはできます。例えば、ちょっとした動作をするとき、息を吐ききった状態で“おまた”を締めることを意識しながら動くだけで、自然に下腹部に力が入り、トレーニングになります。“おへその位置を高くする”意識を持ちながら行動することも、おなかやせに有効です。

昔の人は出産後3か月ほどで元の体型に戻っていたといいますが、現代と生活様式が違って、もっと足腰を使っていたことが理由のひとつに挙げられます。現代の私たちも、無理にダイエットを心がけなくても、日々の動作にちょっと意識を加えることで、体型を戻すことはできるはずなのです。

たるみお腹を鍛える体操

続いては、たるんだお腹の引き締めに効く体操をご紹介します。

■骨盤のゆがみをとる体操

骨盤のゆがみをとって内蔵の下垂を防ぎ、お腹のたるみを引きしめる体操です。産後3週間以降から始めましょう。

【How to】

(1)うつぶせになり、あごの下で手を組んで、足は少しだけ開く

(2)左手を腰にあてて、左ひざを直角に曲げる

(3)左足のかかとを体に引き寄せながら、足を外側に倒す

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(4)続いて、左足を内側に倒す

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(5)これらの外側と内側に倒す動きをリズミカルに行い、それに合わせて左手で腰骨をさする。10回やったら左右を入れ替えて

■抱っこしながらできるハーフロールダウン

赤ちゃんを抱っこしながら、お腹を引き締められる体操です。産後3週間以降から始めましょう。

(1)腰の後ろにクッションなどを置き、体操座りをして、赤ちゃんを胸の前で横向きに抱っこする

(2)息を吐きながら上体をゆっくり後ろに倒す。背骨を丸めながら倒していき、腰がクッションについたところでストップ。息を吸いながら上体を戻す。この動きを3回繰り返す

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ダイエット以外にも理由が!甘いものの摂りすぎはNG

甘いものを摂りすぎるのは、ダイエットによくないのはもちろん、筋肉の収縮力が弱まるため、産後のゆるんだ筋肉をさらにゆるめてしまうことに。血液も酸性に傾いてドロドロになり、母乳も詰まりやすくなってしまうので、気をつけましょう。

産後のむくみの原因や対策は?

産後に顔や足がむくむ原因

妊娠中は血液の循環量が増えていますが、産後は出血や羊水の排出で循環量が減り、脱水気味になります。母乳を出すためには水分や血液が必要なので、体は水分を溜め込もうとすることによってむくみが起きることがあります。

足のむくみについては、筋肉量が減って、ふくらはぎなど下半身に溜まっている水を上に運ぶ力がないということも考えられます。

また、入院中、冷房の効いた部屋にいたことなどによる“冷え”もむくみの原因に。特に顔のむくみの原因は内臓の冷えが考えられます。

むくみをとるためには?

体を冷やさないこと、白湯などの水分はきちんととって循環をよくすること、塩分を摂りすぎないこと、骨盤の調整を行うこと、安静にして精神的にも安定させることが大切です。産院によっては、リンパマッサージなどを行ってくれるところもあるので、活用するとよいでしょう。足湯もおすすめです。

産後1か月は、とにかく安静を心がけましょう。食事も消化吸収にエネルギーがかからないものを摂るようにし、子宮の回復を優先させることが第一です。そして、早く元の体型に戻りたいと焦ることもあるかもしれませんが、無理なダイエットなどはせず、自身の力でしっかりと骨盤のゆるみやゆがみを正せる体づくりをすることが大切です。もし痛みなどのトラブルがあるときは、すぐに専門医に診てもらいましょう。

 

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小池真由美

こいけまゆみ/横浜のプライベートサロン『プチ・ソム・ド・アンジュ』オーナー。女性の一生に寄り添うサロンとして、妊娠前の体づくり、マタニティケア、産後ケア、初潮前ケア、婦人科系トラブル全般のケアを行う。NPO法人日本妊産婦整体協会会員、産前産後の骨盤アドバイザー、マザーズオフィス認定マタニティタッチ(R)プラクティショナー。スペインIR認定不妊とホルモンバランス ディプロマコース・健康な赤ちゃんと妊娠のためのリフレクソロジー(デトックス)等を修了。

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