健康・ヘルスケア
2018.4.9

隠れ貧血チェックシート|あなたの血液薄くありませんか?

一生懸命美容にいそしんでるのに、髪や爪がカサカサだったり、やたらむくんだり・・・。疲れもだるさも全然抜けなーい!っていう人に足りないのは鉄分かも。貧血と診断されなくても、日本人女子の約4割が「鉄」不足という事実が! ナビタスクリニック院長の濱木珠恵先生にお話を伺いました。

「隠れ貧血」チェックシート

こんな兆候があれば「貧血」または「隠れ貧血」の疑いあり!
1.□ 朝から体がだるい
2.□ 疲れやすい。疲れがなかなか抜けない
3.□ 階段で息切れする。
4.□ 爪が弱くなり、割れる、へこむ。
5.□ 顔色が悪いと言われる。
6.□ 生理のときの出血量が多い
7.□ 食事の偏りがある。肉を食べることが少ない。
8.□ 飲み物などに入っている氷を大量に食べてしまう。

→1~5でふたつ以上該当すれば、貧血・隠れ貧血の可能性大
6~8は貧血・隠れ貧血のリスクファクター&症状

 

鉄不足による体の不調は、貧血・隠れ貧血のサイン

「1~5は、体内に鉄分が不足している場合に起こりやすい症状。血液検査で『貧血』と診断された人は明らかに鉄分不足のため、ほとんどの症状が当てはまるのではないでしょうか。一方、血液検査で『貧血』の基準値をクリアできていても、ふたつ以上の症状に該当すれば、鉄分不足の可能性は大。近年増加傾向にある『隠れ貧血』(潜在性鉄欠乏症)かもしれません。また、6(生理の出血量が多い)や7(偏食)は、体内の鉄不足を招き、『貧血』や『隠れ貧血』のリスクファクターになります。
反対に8(氷を大量に食べる)は、『氷食症』と呼ばれ、鉄不足が要因となって起こる症状。貧血と合併しやすい病気です。土など食べられないものまで食べたくなってしまうこともあります。
『貧血』や『隠れ貧血』でこういった症状に悩まされている人は、生理のある日本人女性の5人にふたりともいわれます」(濱木先生)

血液検査で以下に当てはまると貧血

ヘモグロビン濃度が12.0g/dl以下
一般の貧血診断ではこの値がもっとも重要視される。
成人女性は、血中のヘモグロビン濃度が12.0g/dl以下で「要注意」、10.9g/dl以下「異常」と診断される。

ヘマトクリット値が33.4%未満
ヘマトクリット値は、血液中に占める血球の体積の割合。
正常値は女性の場合、33.4~44.9%とされ、それより少ないと貧血と診断される。

赤血球数が376万未満
血液中の赤血球数の正常値(血液1ulに当たり)は、女性で376~576万。この範囲より少ないと、貧血が疑われる。376万未満は「要注意」、330万未満は「異常」。

そもそも貧血とは?
→体内の酸素の運び屋ヘモグロビンが少ない状態

貧血の症状は体に酸素が不足しているサイン
「血液の成分のひとつ、赤血球の働きは、肺で取り込んだ酸素を体のすみずみまで送り届けること。その赤血球の中にあって、酸素をしっかりキャッチする役割を担うのがたんぱく質の一種『ヘモグロビン』です。貧血とは、このヘモグロビンが減少して、酸素が全身に充分に運ばれていかない状態。疲れや息切れなどの貧血症状は、体の酸素不足によって起こります。医療機関の貧血検査でヘモグロビン濃度や赤血球の数をチェックするのはそのためです」(濱木先生)

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貧血ではない人
赤血球が足りている健康な人の血液は、ヘモグロビン濃度が高く、充分な酸素が体に運ばれる。

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貧血の人
貧血の人は血液内の赤血球の数が少なく、酸素を運ぶヘモグロビンも不足。体は酸欠状態に。

貧血はなぜ起こるの?
→ヘモグロビンの材料となる鉄分の不足が主な原因

鉄分の需給バランスが崩れると、貧血状態に!
「酸素と結合するヘモグロビンの原材料は鉄。体内に鉄分が足りないと、ヘモグロビンの生産量は減り、酸欠=貧血症状が現れます。体が鉄不足になる原因は、まず摂取する鉄分の量自体が少ないこと。通常、食事で摂取する鉄分のうち1mgは体に吸収され、1mgは尿や便、汗によって体外に排出されます。ところが、偏食、過激なダイエットによる欠食や減食、鉄分を含まないものばかりを食べるなど、栄養バランスの乱れた食事を続けていると、摂取する鉄分量が少なくて、体内への鉄の吸収が減少してしまいます。吸収された鉄はまず、筋肉や骨、神経伝達物質などの材料や酵素としても使われるため、ヘモグロビンの生産に充分な量が回ってこないのです。また、月経過多、子宮内膜症や子 宮筋腫などで大量に出血し、それに伴って鉄分の排出が増えてしまうことも、もうひとつの原因。排出が吸収を上回ると、鉄分の”収支バランス”が乱れて、貧血リスクは高くなります」(濱木先生)

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鉄の吸収=排出のバランスが、吸収<排出に傾くと、鉄不足に!
1日に摂取した鉄分のうち約1mgは、主に十二指腸で吸収されて骨髄に運ばれ、ヘモグロビンの材料に。酸素運搬などに用いられた鉄の大部分はヘモグロビン合成などに再利用されるが、一方で、約1mg/日は便や汗、尿と一緒に体外へ排出される。

隠れ貧血とは?
→貧血(ヘモグロビン不足)の一歩手前。貯蔵鉄が足りない状態です

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体内には常に3~4gの鉄が存在します。そのうち60~70%は赤血球の中のヘモグロビンに含まれる血清鉄。残りの一部は、肝臓など臓器細胞内にあるフェリチン(たんぱく質)に、貯蔵鉄として蓄えられています。体内で鉄不足が起こると、フェリチンに含まれる貯蔵鉄が血液中に放出されて、一時的に鉄分不足を補う仕組み。血液検査でヘモグロビンの数値が正常範囲内でも、フェリチン値が低いと貧血のような症状が現れやすくなります。これが『隠れ貧血』の正体です」(濱木先生)

貧血・隠れ貧血を放っておくと?
→不調が続く負のスパイラルから抜け出せなくなる!

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長引く不調への不満からさらなる不調の渦へ!
隠れ貧血の人は、貧血の自覚がない分、不調があっても放置しがち。そのまま鉄分不足の生活を続けていると、貯蔵鉄がなくなって、ヘモグロビン濃度が12g/dl以下の本格的な貧血に進行します。貧血が続いて体内に充分な鉄分を確保できないと、酸素はもちろん、酵素も不足。代謝が低下して疲れがたまりやすくなります。また、肌や髪、爪など、美容面のコンディションもぐっとダウン。さらに、脳の中の神経伝達物質も不足するため、落ち込んだり、イライラしたり、気分の優れない状態が続きます。また、眠りも浅く、熟眠感を得られないため、一日中ぼぉ〜 っとして、仕事の効率がダウン。頭痛のリスクも高まります。しかも、そういった不調への不満はさらなる不調を招くため、負のスパイラルからなかなか抜け出せなくなってしまいます。また、妊娠をすると、赤ちゃんの細胞作りにたくさん鉄分を使うため、貧血が確実に進みます。妊活中の人は特に、今からの貧血・隠れ貧血対策をとることが必要です」(濱木先生)

“疲れやストレスがたまっているせい”というだけで片づけられがちな不定愁訴。大人女子の場合、その裏に鉄分不足=貧血や隠れ貧血が潜んでる可能性大。放っていると、トラブルはどんどん深刻化してしまいます。

 

貧血・隠れ貧血について教えてくれたのは・・・
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ナビタスクリニック新宿 院長 濱木珠恵先生
はまきたまえ/北海道大学卒。都内病院にて造血幹細胞移植の臨床研究、血液疾患の治療に従事し、2016年4月より現職。貧血内科・女性内科などで、女性の健康をサポートしている。

 

『美的』4月号掲載
イラスト/やましたともこ 構成/つつみゆかり

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