健康・ヘルスケア
2018.4.3

女医に訊く#7|子宮筋腫ってどんな病気?痛みがなくても油断禁物

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「何となくおかしい」と女性特有の不調を自覚しつつも、「婦人科は受診しづらい」「そこまで深刻じゃないから」など、うやむやにやり過ごしている人は少なくないはず。これから妊娠・出産を望む女性や、仕事が忙しくてなかなか検診を先送りにしている女性必見! 婦人科疾患の中でも罹患率が多い“子宮筋腫”について、婦人科医の福山千代子先生にお話しを伺います。

40代では4人に1人が子宮筋腫

子宮筋腫は婦人科系の疾患の中で、最も患者数の多い病気。40代女性の4~5人に1人が、子宮筋腫を持っているとも言われています。気の合う友達と4~5人で集まったら、その中の1人が子宮筋腫を持っていると考えると……? これって結構な確率です。

「子宮筋腫は、繊維のかたまりのような腫瘍が子宮筋層にできる病気で、ほとんどが良性です。サイズが小さい場合は自覚症状もなく、日常生活に支障もありません。40代では4~5人に1人が子宮筋腫持ちと言われていますが、若い世代も他人ごとではないんです」(福山先生)

検診や、何らかの自覚症状で、気づくのが30代半ば以降。子宮筋腫自体は20代から発生している可能性が高いそう。子宮筋腫の原因はまだ解明されていないそうで、遺伝とも関係ないと言われており、親や姉妹がかかったからといって自分もそうなるとは限りません。分かっているのは、女性ホルモンのエストロゲンの影響で徐々に成長していくこと。つまり、生理の回数を重ねていく=年齢を重ねるほど、大きくなっていくそうです。

ひょっとして子宮筋腫?そのサインとは?

子宮筋腫が成長すると、時にグレープフルーツ大、なかには子供の頭の大きさほどまで成長することがあるそうです。

「ここまで大きくなると、下腹部がポッコリ膨らんできたり、お腹を触った時に違和感を覚えるでしょう。子宮筋腫のある位置がちょうど膀胱が圧迫される場所だと、トイレが近くなることもあります」(福山先生)

さらに、筋腫があることで子宮内膜の面積が広がるため、経血量が増加したり、お腹が圧迫されて生理痛がひどくなることもあるそう。妊娠を望んでいるのに、子宮筋腫によって精子の着床が妨げられ、なかなか子供が出来にくいというケースもあります。

あなたは大丈夫? 子宮筋腫チェック表

□ 経血量が以前より多くなった

□ 下腹部がポッコリ出てきた

□ お腹を触ると固いものがある

□ トイレが以前より近くなった

□ 生理痛がひどい

□ なかなか妊娠しない

子宮筋腫は位置によって痛みに差がある

子宮筋腫は、子宮内のどこに発生するかによって、自覚症状に差があります。子宮の中にできる場合と、子宮の外側にできる場合、どの方向に向かって成長していくかにより、強い痛みを感じる場合も。ここでは代表的な子宮筋腫の種類と症状をご紹介します。

漿膜下筋腫(しょうまくかきんしゅ)

子宮の外側を覆っている漿膜の下にできる筋腫です。子宮の外側に向けて出っ張るように成長するため、自覚症状が表れにくく、気づきにくい傾向があります。膀胱の近くにでき、大きくなると膀胱を圧迫しトイレが近くなることも。

筋層内筋腫

子宮筋層にできる筋腫。小さいうちは自覚症状がありませんが、子宮の内側に向けて成長すると、子宮の表面積が大きくなり、経血の量が増加します。

粘膜下筋腫

この筋腫は子宮内膜と筋層の間にある粘膜にできるもの。子宮の内側に向けて成長するため、小さくても、痛みや経血量の増加など、自覚症状が出やすい傾向にあります。

「症状には個人差があり、全てが上記に当てはまるというわけではありません。しかし、以前より経血量が増えたり、生理痛がひどくなっているようだったら、一度婦人科の受診をおすすめします」(福山先生)

子宮筋腫の中でもごくまれに激痛をともなうものが

まれなケースではありますが、強い痛みをともなう子宮筋腫も存在します。そのひとつが有茎性漿膜下筋腫(ゆうけいせいしょうまくかきんしゅ)と呼ばれるもの。

「筋腫の下に茎のようなものができる筋腫です。この茎の部分がねじれると、筋腫に血流が届かず、筋腫が変性し強い痛みを感じやすい。またどんな筋腫でもあまりにサイズが大きくなり過ぎると、中心まで血流が届かず、壊死してしまうケースがあります」(福山先生)

壊死した筋腫には感染が起こりやすく、この場合も激痛をともなうといいます。いずれもまれなケースとはいえ、可能性はゼロではないため、子宮周囲に強い痛みを感じたときは、婦人科で診てもらいましょう。

子宮筋腫の検査には超音波が有効

数cmの筋腫は内診でも分からず、一般的な健康診断だけでは、気づかないケースがあります。子宮筋腫の発見には超音波、いわゆるエコー診断が最も適しており、結果もすぐに分かるので、やはり婦人科を受診するのがベスト。知らないままで放っておくと、子宮筋腫は生理の回数が重なるたびに成長していくので、半年後にはひと回り大きくなっていた……ということもあるそうです。

「子宮筋腫があるからといって、全員が筋腫や子宮を摘出する必要はありません。何もせず、経過を観察するだけのことも多いですね。ただし、これから妊娠・出産を望んでいる方は、子宮筋腫が妊娠の妨げになる可能性もある。ご自身のライフステージを考えて、若い世代でも定期的に婦人科での専門的な検診を受けていただきたいと思います」(福山先生)

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産婦人科専門医
福山千代子先生
アヴェニューウィメンズクリニック院長。金沢医科大学卒業後、東京大学医学部附属病院など複数の病院で経験を積み、2009年11月より現職。クリニックでは更年期障害をはじめ、月経痛や月経前症候群(PMS)など、女性特有の疾患に関する治療を行っている。
■アヴェニューウィメンズクリニック https://www.aw-clinic.com

文/宇野ナミコ 撮影/藤岡雅樹(小学館)

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