健康・ヘルスケア
2024.4.10

肉割れ・妊娠線を消す方法は?レーザー治療のダウンタイムや費用・デメリットを美容皮膚科医が解説!【教えてドクター#9】

妊娠中にできる妊娠線や体重の増減でできる肉割れ。キレイに消すにはどうしたらいいのでしょう? 美容皮膚科医の山田麻友先生に教えていただきました。

妊娠線はどうしてできるの?

 

先日、友人が出産したのですが、お腹の下の方に妊娠線ができてしまっていたそうで…。妊娠線って自然に消えますよね?

 

「なかには自然に消える方もいますが、1年くらい経っても気になるようでしたら、治療を考えてもいいかもしれませんね」(山田先生)

 

そもそも妊娠線ってどうしてできるんですか?

 

妊娠線ができる原因は、大きく分けて1.結合組織の変化、2.急激な伸張による損傷、3.炎症反応、4.色素沈着と組織修復の4つがあります (山田先生)

【妊娠線ができる主な原因4つ】

1.結合組織の変化
皮膚の弾力性を保つ結合組織には、コラーゲンとエラスチンがありますが、妊娠中はホルモンの影響によりコラーゲンの生成が増え、エラスチンは生成されにくくなります。その結果、結合組織が硬くなり、皮膚の弾力性が低下します。

2.急激な伸張による損傷
肌が硬くなってしまったときにお腹が急激に大きくなると、真皮がお腹の急激な成長に追いつけないために、肌表面に裂けたような「妊娠線」が生じます。妊娠線は主に腹部・ヒップ・バストなどに表れます。

3.炎症反応
皮膚の急激な伸張に伴う微小な組織の破損は、炎症を引き起こします。最初に妊娠線が紫色や赤色を帯びるのは、この炎症反応が関与しているためです。

4.色素沈着と組織修復
炎症が落ち着くと、シミと同じように色素沈着で黒く見えることや、組織修復により白く見えることがあります。

妊娠線と肉割れはどう違う?

 

妊娠線と肉割れはどう違うんですか?

 

「肉割れは、妊娠線のホルモン変化がないバージョンとも言えますね。急激な体重・身長の増減や過度なトレーニングで偏った負担をかけ続けると、皮膚がついていけず、真皮層が断裂して裂け目ができてしまうんです」(山田先生)

肉割れは、男女問わず、腹部・ヒップ・太もも・ひざ裏などの柔軟性のない皮膚が引っ張られ、ひび割れたような筋が生じできるのが特徴 。ほとんどの場合、自然には消えることがなく、跡が残ってしまいます。

妊娠線・肉割れ除去の治療法や治療期間は?

 

妊娠線や肉割れ除去には、どのような治療法があるんですか?

 

「当院ではフラクセルレーザーというレーザー治療を行うことが多いですね。これはレーザー照射で1平方センチメートルの皮膚表面にミクロ単位の穴を2,000個くらい開けるという治療法。組織の修復やコラーゲン生成、古い組織の除去などを促して、新しい肌に入れ替えます」(山田先生)

 

新しい肌に入れ替わるんですか!? こちらの治療は何回くらい行うのでしょうか?

 

「1回の施術で10%くらいの皮膚が入れ替わるといいますから、最低5回くらいは受けていただきたいですね」(山田先生)

 

フラクセルレーザーで妊娠線や肉割れは完全に消えますか?

 

「なかには消える方もいらっしゃいますが、妊娠線や肉割れを完全に消すことは簡単ではありません。周りの肌とちょっとでもなじむようにするという感じですね」(山田先生)

フラクセルレーザーの治療間隔は、1か月に1回。熱による痛みが多少あるため、治療部位にオリジナルの麻酔クリームを塗布して行います。ダウンタイムは、肌の赤みが3~5日間。長いと1週間くらい続きます。

フラクセルレーザーのデメリットは?

 

フラクセルレーザーのデメリットは何ですか?

 

「結構強いレーザーなので、人によっては強い痛みを感じたり、赤みが出たり、色素沈着がついたりすることですね。色素沈着してしまったら、治るまで待って、良くなったらまた施術を再開します」(山田先生)

 

いつかは消える色素沈着なんですか?

 

「はい。ハイドロキノンを塗ったり、トラネキサム酸を飲んだりすると、より早くキレイになるかなとは思います」(山田先生)

妊娠線の予防には、皮膚の弾力性を維持し、急激な伸びによる組織の損傷を最小限に抑えることが重要です。 妊娠初期から専用の妊娠線クリームやオイルで毎日保湿を行う、適度な運動をして体重管理を心がける などして、妊娠線ができないように注意しましょう。

美容皮膚科医

山田麻友先生

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文/清瀧流美

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

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