健康・ヘルスケア
2024.3.13

月経前など女性ホルモンの変動からくる【頭痛】のなだめ方3選

月経前などの女性特有の女性ホルモンの変動で起こる「頭痛」への対処法を専門家の先生に伺いました。日頃からできるダイアリーや、市販薬を選ぶ際の注意事項など要チェックです!

産婦人科医

稲垣美恵子先生

脳神経内科医

五十嵐久佳先生

エストロゲンの分泌が急激に減少するタイミングで片頭痛を起こしやすい!


女性のライフステージにおいて片頭痛の有病率が高いのは30代。

「女性ホルモンの分泌が多い世代だからです」と産婦人科医の稲垣美恵子先生。「片頭痛が起こりやすいのは月経2日前から月経3日目。排卵後に増えたエストロゲンが急降下するとき、CGRPなど神経伝達物質のバランスが変化して、神経に炎症が起こったり頭の血管が拡張するためと考えられています。月経時に起こるので月経痛やPMS症状のひとつと思われがちですが、頭痛としての対処が必要です」


※五十嵐久佳;診断と治療 2002, 90(6):877-882より改変
排卵後にいったんピークになったエストロゲンの分泌量は月経に向けて急激に減少します。その変動が片頭痛の引き金に。

 

【METHOD 1】頭痛ダイアリーをつけて頭痛に備える



「自分の月経周期や頭痛の頻度、パターンを見たり、薬の服用など対策を管理するためにも、記録をつけることをおすすめします。受診の際の診断にも役立ちます」(稲垣先生)

頭痛ダイアリーはココからダウンロード可能!

【日本頭痛学会】

【頭痛オンライン】

 

【METHOD 2】市販の頭痛薬で早めに鎮痛


「痛みを我慢して日常生活に支障を来すより、早めに頭痛薬を飲む方が得策。頭を振って痛いと思ったときが服用のタイミングです。市販薬を選ぶ場合は、眠くなる成分やカフェインを含まない鎮痛成分のみのものに!」(稲垣先生)


体を温めて、頭痛を抑える
気・血の流れを乱す冷えを取り除き、頭痛を鎮める。
クラシエ薬品 呉茱萸湯(ごしゅゆとう)エキス錠クラシエ [第2類医薬品]48錠 ¥2,640


効き目が速く眠くならない!
痛みの原因物質を素早く抑える。
第一三共ヘルスケア ロキソニンSクイック [第1類医薬品]12錠 ¥878

 

【注意!】頭痛薬を飲みすぎると、かえってひどい「薬物乱用頭痛」に!

「頭痛薬の過剰使用でかえって頭痛の頻度が増え、連日のように頭痛が起こることを“薬物乱用頭痛”といいます。月10日以上の服用を3か月以上続けている場合は可能性大!」(稲垣先生)

□こんな場合は受診を!

  • 週2日以上、頭痛が起こる
  • 月に10日以上、頭痛薬を飲んでいる

 

【METHOD 3】医療機関を受診

「治療は薬物療法が中心。鎮痛薬はアセトアミノフェン、NSAIDs(エヌセイド)が一般的で、効果が出なければトリプタンやジタンに。予防としては、内服薬のほか、月1回程度の注射で、片頭痛の原因物質CGRPを抑える方法もあります」(稲垣先生)

【クリニックで処方される頭痛のクスリ】

【鎮痛薬】
アセトアミノフェン…脳の体温調節や痛みを感じる中枢に作用。穏やかに効く。

NSAIDs…非ステロイド性抗炎症薬。痛み物質の合成を抑える。

トリプタン系…セロトニン受容体に作用して血管の拡張を抑える。

ジタン系…頭痛発作を引き起こす脳の神経に作用し、症状を和らげる。

【予防薬】
抗うつ薬…セロトニンやノルアドレナリンなど脳内の神経伝達系に作用してうつ症状を抑え、頭痛を予防。

カルシウム拮抗薬…脳血管の収縮と拡張の差を少なくして片頭痛発作を軽減。

【新薬】
CGRP抗体薬…片頭痛の発症に関わる物質CGRPの働きをブロック。約月1回の注射で発作回数が減少。

 

『美的』2024年4月号掲載
イラスト/ながのまみ 構成/つつみゆかり、有田智子

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

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