ホクロの切除、手術するなら30代がおすすめの理由とは?【教えてドクター!#3】
CO2レーザー手術によるホクロ治療、術後はどんなケアが必要で、傷痕はどれくらいでキレイになるのでしょうか?皮膚科専門医の慶田朋子先生に教えていただきました。
CO2レーザー手術のダウンタイムは?
もうすぐ友人が結婚するんだけど、式までにCO2レーザー手術で顔の目立つところにあるホクロを取りたいみたい。
「式はいつでしょう?ちなみに、結婚式が1か月後にあるから削ってほしいと来ても、手をつけませんからね。絶対無理ですよって言います。結婚式を挙げる1年前ぐらいに来てくれないと…!」(慶田先生)
1年前!?特に結婚式のような重要なイベントなら、ということですね?
「ホクロ切除のホクロ切除の傷が安定するには、赤みのピークを超すのに3か月、白っぽい傷痕や赤み、黒ずみが肌の色になじんでくるのに最低でも半年、人によっては1年かかることもあるんです」(慶田先生)
ただし、これは1回で取り切れた場合。CO2レーザー手術では深く大きなホクロは2~5分割し、1回ごとに削るサイズ(直径)を小さくすることで、縫わずに治療することが可能となっています。つまり追加で処置を行った場合は、そこからが傷の安定の再スタート。傷痕が肌の色になじむには、さらに半年かかってしまうのです!
結婚式などの重要なイベントを控えている方は、早めに皮膚科専門医か形成外科専門医に相談しましょう。
CO2レーザー手術のアフターケアは?
CO2レーザー手術後はどんなアフターケアが必要ですか?
「まず傷を保護するテープで覆っておいて、生傷がふさがったあとは日焼け止めを塗ってもらいます」(慶田先生)
思ったより簡単そう!美白剤とかは塗らなくていいのですか?
「ホクロを1個削っただけの人に美白剤をぜひとすすめることはしないです。ただし、ハイドロキノンやルミキシルクリームなどを塗っておくと、患部のメラニンがまた増えてしまうのを抑えることができますから、ベストを尽くしたいという方やホクロをたくさん取った方には、そのような美白剤を処方することもあります」(慶田先生)
また、ケロイドになりやすいタイプの方やホクロをたくさん削って予後が心配な方には、抗ケロイド作用のある抗アレルギー薬を飲んでもらうこともあります。傷痕が硬くなりやすいという方や目立ちやすいという方は、施術前に医師に相談してみましょう。
ホクロを取るなら30代がおすすめ!?
ホクロの盛り上がりや傷痕の再生を考えると、ホクロ切除をするなら若いうちの方がいいのかしら?
「再生力が高い10代のうちは、できれば私は手をつけたくないですね。細胞分裂の勢いが早くて、削っても恐ろしいくらいすぐに戻ってしまうんです。それでも定期的に受診してくれる方ならいいですが、受験やテスト、部活などがあると、追加で削りたいタイミングで削れないじゃないですか。そういう意味でも、10代での施術はあまりおすすめしません」(慶田先生)
確かに!では、何歳くらいがちょうどいいですか?
「30代ですね。まだ若いから傷の再生力も高いうえ、自分で決断もできる。テープを貼る期間は1週間〜10日ほどありますが、上皮化さえしてしまえば、傷痕はコンシーラーでかなりカバーできますから、ホクロよりは隠しやすい。結果的に良かったって言っていただくことが多いですね」(慶田先生)
もちろん、40代以上の方にもCO2レーザー手術はおすすめ。年を取れば取るほど、傷が安定しやすいと慶田先生は言います。気になるホクロがあって、将来これいらいないな……と思っている方は、一度相談してみましょう。
文/清瀧流美 撮影/黒石あみ ※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。
銀座ケイスキンクリニック院長。医学博士。日本皮膚科学会認定皮膚科専門医。日本レーザー医学会認定レーザー専門医。東京女子医科大学医学部医学科卒業後、東京女子医科大学病院、聖母会聖母病院などを経て、2006年、有楽町西武ケイスキンクリニック開設。2011年、西武有楽町店閉店に伴い、銀座ケイスキンクリニックとしてリニューアルオープン。最新マシンと高い注射注入技術で叶える、切らないリバースエイジングに好評を博している。著書に『女医が教える、やってはいけない美容法33』(小学館)など。