健康・ヘルスケア
2023.5.12

ホクロは切らなくてもCO2レーザーでキレイに除去できる?【教えてドクター!#2】

顔の目立つところにあるホクロ、切らずにキレイに除去することはできるのでしょうか? 代表的なホクロ治療である「CO2レーザー手術」について、皮膚科専門医の慶田朋子先生に教えていただきました。

ホクロは切らずに除去できる?

 

 顔の目立つところにあるホクロ、ずっと気になっているんだけど、取ることってできるのかしら?

 

「間違いなく良性の小さいホクロで、審美的に取りたいということであれば、CO2レーザー(炭酸ガスレーザー)手術で取れますよ」(慶田先生)

CO2レーザー手術とは?
炭酸ガスを発振物質とした波長10600nm遠赤外線領域の光を発するレーザー治療機器を使って、隆起した部分、メラニンを含めたホクロ全体を蒸散させて削り取る治療。手術部位には歯科で用いるのと同様の局所麻酔を行うため、注射の際はチクッとしますが、その後は無痛。小さいホクロなら数分で切除できて、当日より洗顔・入浴も可能です。

悪性のホクロはCO2レーザー手術で取れない!?

 

 悪性のホクロはCO2レーザー手術では取れないのですか?

 

「悪性の可能性があるホクロは、削ったら転移してしまう危険があるため、切除縫合手術で切除するしかありません」(慶田先生)

悪性黒色腫、メラノーマ、基底細胞がんなど、皮膚の悪性腫瘍の初期はホクロに似ていることがあるため、ホクロを取る場合は、ダーモスコープなどの拡大鏡を使って詳しく調べる必要があります。

診察の結果、問題がなければCO2レーザー手術が受けられますが、悪性の可能性がある場合は、基幹病院で皮膚生検など精査を受ける必要があります。気になるホクロがある場合は、皮膚科専門医か形成外科専門医、いざというときに手術ができる基幹病院などに診断してもらいましょう。

CO2レーザー手術でホクロはキレイに取れる?

 

 なんだか大変そう…。ホクロ切除っておすすめするようなものではないのかしら?

 

「でも、小さいホクロを取ると肌が白くなったように見えますよ。わたしも練習のために自分の顔のホクロを全部取りました!」(慶田先生)

 

 確かに!先生のお顔、明るくてキレイです♡

 

「ほとんどキレイに消えました。子どもの頃からあったホクロのうち2個は、シミみたいに薄く残っていますけどね」(慶田先生)

 

 ホクロの色がちょっと残っちゃうこともあるんですか?

 

「CO2レーザー手術でも脂肪組織が出てくるまでバーンと深く削れば全部取れますが、傷痕は残ってしまう可能性が高くなります。そのため、凹みが残らないギリギリのところでとどめて手術するのですが、一部のホクロではシミのように薄く色が残ることもあるのです」(慶田先生)

CO2レーザー手術はホクロの部分をレーザーで蒸散させることによって除去するため、治療後は小さく浅い穴があいた状態になりますが、1週間~10日前後で皮膚が再生し、盛り上がり、治癒します。

「最初に傷痕が赤くなるのは、傷が治る過程で新生血管ができるから。黒くなってくるのは1か月後以降。CO2レーザー手術は熱を入れて組織を蒸散させているのですが、日本人の肌は熱が加わるとメラニンをつくり出すため、日に当たったときに黒くなりやすい人は、傷痕が黒ずみやすいですね」(慶田先生)

ホクロ(母斑細胞母斑・色素性母斑)は深くまで腫瘍細胞が存在するため、23回追加照射が必要な場合もあります。クリニックによっては、タッチアップ手術がサービスされているところもあるので、よく調べて相談してみましょう。

皮膚科専門医

慶田朋子先生

 

ホクロの色や大きさ、膨らみ方が変わってきたけど大丈夫?治療が必要なホクロとは?

文/清瀧流美 撮影/黒石あみ

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

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