健康・ヘルスケア
2023.5.18

20~30代の多くが悩んでいる【PMS】って何で起こるの?|症状や仕組み、治療法など詳しく解説

生理の不調への治療、セルフケアは?知っておきたい生理のQ&Aをいただきました!淀川キリスト教病院 産婦人科医長の柴田 綾子先生に教えてもらいました。

『美的』世代の多くが悩んでいる! PMS(月経前症候群)が起こる仕組み

PMSは女性ホルモンの急激な変動が影響!?

PMSは生理前に3〜10日程続く心や体の不調で、生理が始まると消えるのが特徴。

「生理前になるとプロゲステロンの量が増えるなど、女性ホルモンの急激な変化が影響していると考えられていますが、はっきりした原因はわかっていません。プロゲステロンには水分をため込む働きがあるので、むくみが生じたり、乳房にたまるとハリや痛みを感じたりします。症状には個人差があり、ストレスで悪化しやすいともいわれています」(柴田先生)

\PMSが出現しやすいのは黄体期!/

PMSを感じるのは排卵後にエストロゲンが低下し、プロゲステロンが増加する黄体期。

「生理がある人の約80%に生理前になんらかの症状があるとされ、生活に支障を来すレベルの症状に悩む人もいますが、きちんと治療している人は5%程度です」(柴田先生)

\PMSの主な症状/

  • 乳房のハリや痛み
  • 頭痛や腰痛
  • 体の冷えやむくみ
  • 下腹部の痛み
  • めまい
  • 食欲の増加
  • 情緒不安定
  • イライラする
  • 集中力の低下
  • やる気が出ない
  • 気分が落ち込む
  • 過眠や不眠 …etc.

メンタルの不調が強い場合はPMDDの可能性もあり!
「激しいイライラや気分の落ち込み、感情がセーブできないなど、PMSの中でも精神的な症状が強い場合は、PMDD(月経前不快気分障害)の可能性もあります。思い当たる人は一度、婦人科で相談してみましょう」(柴田先生)

Q.生理の不調やPMSにはどんな治療があるの?

A.低用量ピルで女性ホルモンの波をコントロール。PMDDは心療内科の受診を勧めることも。

「現代女性はひと昔前の女性と比べて生理の回数が約5倍に増加しているため、生理痛やPMSに苦しむ人が増え、子宮内膜症などの病気が悪化しやすい傾向にあります。治療はホルモンの変動を抑制する低用量ピルのほか、漢方薬や子宮の中に直接ホルモン剤を入れるミレーナなど、症状に合わせた複数の選択肢があるので医師に相談を。PMDDの場合は向精神薬を使ったり、心療内科の受診を勧めることもあります」(柴田先生)

 

美的クラブに聞きました!PMSを感じたときの対処法は?


\何もせずに我慢している人が39%も!/
我慢しがちな生理の不調ですが、美的クラブでも「PMSを感じても何も対処していない」と回答した人が39%。一方、「ヨガをする」「温かい飲み物でリラックス」などセルフケアがある人も。

Q.生理の不調と上手に付き合うセルフケアは?

A.カルシウムやマグネシウム、有酸素運動が緩和

ウォーキングなどの有酸素運動は生理痛やPMSの緩和に効果的なので、体調が良いときに積極的に行いましょう。PMSの緩和には、マグネシウムやカルシウムの摂取もおすすめ。また、生理中は貧血になりやすいので、肉やヒジキなどの鉄分と野菜や果物のビタミンCをとるよう心掛けて。食品で補うのが難しい場合は、サプリメントを活用しましょう」(柴田先生)

\西洋ハーブ・チェストベリーがつらいPMSを緩和/

古くから婦人科系疾患の治療に使われてきたチェストベリーが、PMSの症状を緩和。1日1回1錠を服用。
ゼリア新薬工業 プレフェミン [第1類医薬品] 30錠 ¥1,980(編集部調べ)

 

淀川キリスト教病院 産婦人科医長

柴田 綾子先生

 

『美的』2023年5月号掲載
イラスト/本田佳代、きくちりえ 構成/青山貴子、大瀧亜由美、有田智子

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

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