健康・ヘルスケア
2023.7.27

夏の暑さや気温の変化でも睡眠不足に陥りやすいってホント?真相を専門家に直撃!【美容の常識ウソ?ホント?】

日常生活で生まれる美容や女性のライフスタイルの疑問を医師や専門家に答えてもらうこのコーナー。今回は「夏の睡眠」について。夏の暑さや気温の変化でも睡眠不足に陥りやすいってホント? 医師の石原新菜先生にお話を伺いました。

Q:夏の暑さや気温の変化で睡眠不足に陥りやすいってホント?

今年の夏も猛暑日の頻度が増える可能性もあり、厳しい暑さとなりそう。暑い日は室内外の気温差も激しく、疲れているにも関わらず「夜も暑さでなかなか寝つけない」なんてときはありませんか? 夏は暑さが原因で睡眠不足に陥る人が増えるのだとか。そこで、夏の暑さや気温の変化で睡眠不足に陥りやすいってホント? さっそく、この疑問を医師の石原新菜先生に聞いてみました。

A:ホント

「室内外の気温差が激しい夏は自律神経の働きが乱れやすく、体の不調や十分な睡眠が取れないということが増える傾向にあります」(石原新菜先生・以下「」内同)

暑さで睡眠不足になる理由は?

「外は暑く、室内は空調で涼しいという気温差によって、自律神経が乱れるというか、疲れてしまう人が多いです。気温差によって自律神経が疲れていると、睡眠時に体温がうまく下がらず、交感神経が優位になってしまい“眠れない”という状況を作りだしてしまします。昨今は暑さ自体も厳しく、夏日でも夕方には涼しくなるという日は良いのですが、夜間でも25℃以上という熱帯夜のように日は、暑さで寝つきが悪くなったり、夜中に目が覚めてしまうという睡眠不足の原因となるようなことが起きてしまいます」

睡眠不足は翌日のパフォーマンスにも影響する?

「経験がある人もいると思いますが、寝不足の日は頭が回らないですよね。睡眠というのは体の修復、脳の情報整理、ストレス緩和の時間でもあります。その時間が減ってしまうということは、体も回復しませんし、頭の中も整理されていない、ストレスも溜まったままの状態です。そんな状態では、もちろん仕事のパフォーマンスに影響が出てしまいます。厚生労働省が発表している健康作りのために必要な睡眠時間は成人以降50代までは6.5~7.5時間です。個人差はありますが、働く世代の人たちであれば6~7時間は睡眠時間を確保するべきだと思います」

睡眠不足だと熱中症にもなりやすい?

「睡眠は体調を整える重要な時間です。そのため、睡眠不足で体調が悪いと、体の機能も働きが鈍り、熱中症にもなるリスクも高まります。暑い日でもしっかり眠れるように工夫するのがおすすめです」

睡眠時間は90分の倍数が理想?

「睡眠にはサイクルがあり、大脳を休める“ノンレム睡眠”と夢を見る“レム睡眠”を繰り返しています。眠りはじめは深い眠りのノンレム睡眠でスタートし、朝に向かってレム睡眠が徐々に多くなっていき、覚醒に向けて準備していきます。このサイクルが約90分のため、睡眠時間が90分の倍数のほうが起きやすいと言えます」

Point

“ノンレム睡眠”と“レム睡眠”は約90分周期で変動している

枕はなしのほうがいい?

「個人差はありますが、大事なのは良い寝姿勢を保てることです。枕だけでなく、マットレスも合わせて体のS字カーブをキープできるものを選ぶと良いと思います。枕は首に合わせて自然なカーブに合うものが良いので、高さが合っていない場合はバスタオルなどで調整するという方法もあります」

横向きで寝るのは良くない?

「先ほどもお伝えしましたが、無理な体勢でなければ横向きでも全然良いです。逆に仰向けは口呼吸になりやすく、いびきをかく人の場合は横向きにして鼻呼吸にしてあげるほうが良いです。

次の日に体が痛いとか、無理な姿勢だと睡眠の質にも影響します。寝ている間に寝返りも打つので、自分が楽な寝姿勢であれば眠るときは仰向けでも横向きでもOKです」

医師
イシハラクリニック 副院長/健康ソムリエ講師

石原新菜

文/土屋美緒

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

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