健康・ヘルスケア
2022.12.7

残尿感があるのは病気が原因ってホント?真相を専門家に直撃!【美容の常識ウソ?ホント?】

日常生活で生まれる美容の疑問を専門家に答えてもらうこのコーナー。今回は、“尿トラブル”について。残尿感があるのは病気が原因って…ウソ? ホント? 四谷メディカルキューブ女性泌尿器科の藤﨑章子医師にお答えいただきます。

Q:残尿感があるのは病気が原因ってホント?

トイレを済ませたあとなのに、何だかスッキリしない。残尿感があるのは病気が原因というウワサが…。本当なのでしょうか。さっそく、この疑問を藤﨑医師にぶつけてみました! 果たして答えは…?

A:本当

「病気によってトイレが近くなってしまったり、実際に尿が出し切れず残尿がある場合と、膀胱自体に問題はないものの、何だかスッキリしない、ムズムズするといった神経が過敏になっている場合や心因性の場合とに分かれます。また、泌尿器科以外の病気や薬の副作用などによっても尿が出にくくなることがあります」(藤﨑医師・以下「」内同)

残尿感の検査方法

「クリニックに来ていただき、尿検査などでトイレを済ませたあと、お腹に機械を当てて、膀胱にどのくらい尿が残っているかチェックします。ここで尿が残っている場合は、残尿を引き起こす病気が原因と考えられますが、尿が多く残っていない場合は、頻尿による症状であったり、神経過敏や心因性のものが原因である可能性が高くなります。

また、ほとんどの場合は、機械をお腹にあてる検査で判断しますが、場合によっては尿の出口からに管を挿入して測定することもあります」

Point

◆尿が出し切れず残尿がある、病気によってトイレが近くなってしまった場合と、膀胱自体に問題はないものの、何だかスッキリしない、ムズムズするといった神経が過敏になっているケースや、心因性の場合とに分かれる

◆泌尿器科以外の病気や薬の副作用などによっても、尿が出にくくなることがある

残尿感があるときに考えられる病気

「本当に残尿量が多いときには、何かしらの病気が原因だと考えられます。膀胱が腟から出てしまう骨盤臓器脱の場合、尿がスムーズに出ないことがあります。また、直腸癌や子宮癌、膀胱の手術後や糖尿病などがきっかけで起こることもある低活動膀胱でも尿が出にくくなります」

排尿後滴下

「残尿感がないものの、トイレに行ったあとに不快感がある、尿漏れがあるというときには、排尿後滴下の疑いがあります。

尿のキレが悪くなり、トイレを済ませたあとなのにポタポタと尿が出る、排尿後に下着をつけてからポタッと濡れてしまうといった症状が挙げられます」

残尿感があるときのセルフケア

「まずは、泌尿器科で本当に残尿があるかどうか、診てもらうことをおすすめします。治療可能な病気がある時は、きちんと治療を行いましょう。一方で特にこれという明らかな原因がないという場合は、体に合う漢方薬を探すこともあります。

排尿後滴下の場合は、お腹に力を入れて尿を全部出し切ろうなどとせず、排尿後にゆっくりトイレットペーパーで抑えるようにして、尿を吸収させるとよいでしょう。小陰唇が大きい人は、トイレットペーパーで拭いたあとも中に尿が付着していることがあることも。焦らず、丁寧に拭き取るようにしてみてくださいね」

  • 泌尿器科で本当に残尿があるかどうか、診てもらう
  • 治療可能な病気があるときは、きちんと治療を行う
  • 明らかな原因がない場合は、体に合う漢方薬を探す
  • 排尿後滴下の場合は、お腹に力を入れて尿を出し切ろうなどとせず、排尿後にゆっくりトイレットペーパーで抑えるようにして、尿を吸収させる
  • 小陰唇が大きい人は、トイレットペーパーで拭いたあとも中に尿が付着していることが。焦らず、丁寧に拭き取るようにする

クリニックでの治療法

「症状があり、実際残尿が多い場合には、原因の病気の治療や尿を出しやすくするための内服薬を処方することがあります。また自分で尿がしっかり出せない人や、手術後で一時的に神経がダメージを受けている場合には、一定の時間ごとに自分で尿道にカテーテルを挿入して、排尿する自己導尿を取り入れます。

残尿が多いと細菌感染のリスクが高まり、膀胱炎や腎盂腎炎などを引き起こす可能性がありますが、定期的に自己導尿をすることで感染を予防することができます」

泌尿器科専門医

藤崎 章子医師


四谷メディカルキューブ ▶︎

文/木土さや

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

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