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2023.11.16

乳酸菌、葉酸、ビタミンD……妊娠前からの栄養管理で「妊娠力」アップ!【わたしにもできるフェムテックBeauty】妊娠・不妊編②

 

将来の妊娠を考えながら健康に向き合う「プレコンセプションケア」のひとつとして、食事・栄養の管理はとても重要。「忙しい現代女性は1日3食をバランス良くとるのが難しく、低栄養になりがちです。栄養不足は不妊だけでなく、胎児の低成長、将来の子供の病気につながる可能性があります」と、グレイス杉山クリニックSHIBUYA院長・岡田有香先生。そこで、現在妊活中の人はもちろん、いつかは子供をもちたいと考えている人にも、将来の健康的な妊娠・出産のために今のうちから習慣的に補っておきたい栄養素をアドバイスしていただきました。

子宮内フローラのバランスを整える「乳酸菌」を摂取

「腸と同じように、子宮内にも細菌が棲み着いていて、近年、子宮内フローラ(子宮内細菌叢)のバランスが妊娠に大きく関わっていることが明らかになりました。子宮内の細菌バランスが悪いと、子宮内膜に炎症が起きて受精卵が着床しにくくなります。特に、子宮や腟内に常在する善玉菌『ラクトバチルス菌』が少ないと、病原性微生物が侵入しやすく、それを排除しようとする免疫システムが過剰に反応してしまいます。そうすると受精卵までも排除されて、妊娠率や出産率の低下につながります。また、ラクトバチルス菌が少ない人は、おりもののトラブルを抱えていることが多いようです。

子宮内フローラのバランスを整えるには、腸内フローラと同様で、乳酸菌を含む食品を積極的にとることをおすすめします。普段の食生活にヨーグルトやチーズ、麹菌を含む味噌、納豆などの発酵食品をとり入れるほか、サプリメントで補うのも手!」(岡田先生)

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「葉酸」は妊娠前から摂取する習慣を!

「葉酸は妊娠初期に胎児の脊髄や神経管などの重要な部分を形成する上で必要な栄養素です。厚生労働省の基準で一般の葉酸摂取量は1日に240μgとされていますが、妊娠を望む女性の場合は1日400μg程度の摂取が推奨されます。ここで言う妊娠初期とは妊娠がわかるまでの期間も含まれます。その時期に葉酸が不足すると、二分脊椎症などの神経管閉鎖障害をもつ子供が産まれる危険性も。そのため、少なくとも妊娠の1〜2か月前の妊活期間からとる習慣をつけましょう。また、葉酸はビタミンCやB6、B12一緒にとることで吸収率が高まります。なので、葉酸のサプリメントをと同時に、マルチビタミンのサプリメントをとるのがおすすめです」(岡田先生)

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免疫バランスを整える「ビタミンD」は妊娠率・妊娠継続率にも関与

「妊活をする上で、ビタミンDもしっかりとることが必要です。ビタミンDは免疫に関わる栄養素で、新型コロナウイルス感染症が拡大した頃、として注目されました。実際、ビタミンDには免疫機能を適切に調整してくれる働きがあります。ビタミンDが不足して子宮の内側の免疫バランスが崩れると、受精卵が着床しにくくなってしまう可能性があります。ビタミンDの必要量は年齢や性別によって異なりますが、妊活の指導では1日1,000IU(ビタミンD効力)、重量にして25μg程度の摂取をおすすめしています。ただし、ビタミンDは脂溶性なので、とりすぎると体内に蓄積してかえって免疫バランスが崩れる場合があるので注意は必要です」(岡田先生)

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やせすぎはNG。妊活中は体重コントロールを!

BMI値※1が18.5未満やせすぎは、低体重の子供が生まれ、将来子供が生活習慣病になりやすくなる要因に。また、25.0以上肥満は妊娠糖尿病や妊娠高血圧症候群などにつながります。そのため、妊娠前からBMIの適正範囲(18.5〜24.9)に収まるように体重をコントロールしておくことが大切です。

なお、30代女性が1日に必要なエネルギー量は、2,050kcal※2とされています。ただしカロリーだけでなく、栄養バランスを考えることが大事。1日のうち、主食・主菜・副菜の揃った食事を2食以上とれていると、栄養素の摂取量が適正になりやすいという報告があります。1食分の目安は、ごはん、パン、麺類など主食が握りこぶし1個分、魚や肉、大豆製品など主菜が手のひら1枚分、野菜など副菜が両手1杯分(加熱してカサが減った野菜は片手1杯分)。特定の食品に偏らないように、いろんな食事を楽しみましょう」(岡田先生)

※1 [体重(kg)]÷[身長(m)]の2乗 ※2 日本人口食事摂取基準(2020年版)より

 

グレイス杉山クリニックSHIBUYA 院長・産婦人科医

岡田有香先生

イラスト/リバー・リー(Softdesign) 構成/つつみゆかり

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