骨盤底筋を鍛えて腟を引き締め、尿漏れ・頻尿を改善♪「腟ねぇ」が教えます!【わたしにもできるフェムテックBeauty】腟トレ編

日本初の腟プランナー「腟ねぇ」こと山口明美さんに教わるフェムケア第3弾。今回は、若い世代にも増えている尿漏れや頻尿の悩みを予防&改善する「腟トレ」について伺います。「ここで言う腟トレとは、骨盤底筋トレーニングのこと。尿漏れや頻尿の原因になる腟の緩みは、骨盤底筋の衰えに起因します」(山口さん)
骨盤底筋とは…
「骨盤底筋は骨盤の底にある筋肉。ひとつだけではなく、いくつかの筋肉が群をなして構成され、子宮や膀胱、腸をハンモックのように支えています」
座りっ放しの現代女性は、骨盤底筋の筋力が低下しやすい
以下の項目で当てはまるものが多い程、骨盤底筋が衰えて腟がゆるんでいる可能性大!
- 座っているとき、両ひざを付けるのがつらく、足が自然に開く
- 歩いているとき、ペタペタと足音がする
- ヒールの高い靴をよく履く
- 姿勢が悪い
- 下半身やおなか周りに肉がついている
- 下腹部がぽっこり出ている
- お風呂上がりに、腟からお湯が出ることがある
- ピラティスなどの運動や性交渉の後に、腟から空気が漏れる
- くしゃみや咳をしたとき、尿が漏れる
- 便秘ぎみ
- 産後、腟や骨盤ケアをしていない
「従来、腟のゆるみは、大半が加齢や妊娠・出産が原因とされてきましたが、最近は、出産経験のない若い世代にも増えています。長時間のデスクワークや運動不足などによって、骨盤底筋をはじめとした下半身の筋力が低下していることが原因です。そんな状態でこの先妊娠すると、骨盤底筋は、成長する赤ちゃんの重みや出産の腹圧で大きく引き伸ばされてゆるゆるに。尿道を閉める力が弱くなり、深刻な尿漏れに悩まされることでしょう。だから女性は、産む前も産んだ後も、骨盤底筋トレーニングが必要です!」(山口さん)
いつでもどこでもできる、簡単な「腟トレ」を習慣に!
骨盤底筋は目に見えないだけに、トレーニングと言っても、どこをどんな風に鍛えればいいのかわかりづらいもの。「ポイントは、呼吸と3つの穴です!」と山口さん。
「まずは鼻から大きく息を吸って、口から息を吐き出しながら肛門を絞めます。便をグッと我慢するように、内側に引き込むように力を入れます。このとき、腹筋を使うと骨盤底筋の収縮運動が弱まるので、おなかは動かさないようにしてください。これを呼吸に合わせて10回繰り返します。
次に、また息を深く吸って、吐きながら、今度は尿道を締めます。今度はおしっこを我慢するイメージ。これを10回。実際、トイレで座ったときにおしっこを止めてみると、感覚がつかめると思います。
そしてラストは腟。イスに座って姿勢をまっすぐ整え、体の中心を意識します。深く息を吸って、吐きながら腟を締めます。腟の扉を閉じ、頭に向けて引き上げるイメージで。これも呼吸をしながら10回繰り返してください」(山口さん)
通勤電車の中や仕事中など、座ったタイミングで行えば習慣にしやすい
「腟トレ(骨盤底筋トレーニング)は、ときどきやってもあまり効果はなく、コンスタントに続けることが大事です。ただし、毎日決めてやろうとすると、結局長続きしないので、日常の行動に組み込むのがおすすめ。私は、電車で座ったときやデスクワークなど、イスに座ったタイミングで行うようにしています」(山口さん)
Point
いつでもどこでも、座ったタイミングでチャレンジ!❶便を我慢するイメージで、肛門を締める×10回
❷尿を我慢するイメージで、尿道を締める×10回
❸体の中央を頭の方へ引き上げるイメージで腟を締める×10回
腹筋を使わないように注意して。
「骨盤底筋が鍛えられると、尿漏れの予防や改善ができるだけでなく、代謝が上がる、血流がアップするなどのメリットも。結果、体が疲れづらい、ダイエットできる、肌がキレイになる、気持ちが上がる…など、さまざまな副効用を期待できます」(山口さん)
イラスト(トップ)/リバー・リー(softdesign) 構成/つつみゆかり
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※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。
19歳でエステティシャンになって以来、美容業界30年の経験をもつ。〝美容寿命も健康寿命も延ばす〟をモットーに、学校や家庭で学べない「腟」についての教育、商品開発、コンサル、セミナーなど幅広く活動。フェムケア専用のサロン「FEMEW 恵比寿店」、「Unlimit WAO!」を展開。共著に『なんとなくずっと不調なんですが 膣ケアで健康になれるって本当ですか?』(サンクチュアリ出版)