アユの「栄養」と「糖質」まとめ|ダイエット・美容への取り入れ方
清流に生息する淡水魚で夏の風物詩としても有名な、アユ。天然ものは希少なため高価ですが、手に入れやすい養殖ものでも十分美味しく食べられる魚です。この記事ではダイエットや糖質制限などを行っている方へ、アユの糖質や栄養素を見ながら、おすすめの食べ方を管理栄養士がご紹介します。
アユの「糖質」と「カロリー」
アユ(可食部)50gのエネルギーおよび糖質
アユ(養殖/生)
エネルギー:69kcal
糖質:0.3g
※アユ1尾の可食部は約50gであるため、上記ではこの数値を基準に算出
出典:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
ほかの食べ物(可食部)50gとの比較
食べ物の種類 | エネルギー(kcal) | 糖質(g) |
---|---|---|
イワナ(養殖/生) | 51 | 0.1 |
ヤマメ(養殖/生) | 55 | 0.2 |
出典:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
アユはほかの淡水魚に比べると、50gあたりのエネルギーがやや高いことがわかります。魚類は全般的に、糖質をほとんど含んでいません。
アユに多く含まれる「栄養素」
アユ50gに含まれる主な栄養素は、以下のとおりです。
たんぱく質:8.9g
脂質:4.0g
カルシウム:130mg
ビタミンD:4.0μg
ビタミンE:2.5mg
ビタミンB12:1.3μg
出典:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
水質のよい川で育った天然のアユには、高価で香りがよいという特徴があります。養殖されたアユは天然のアユに比べて脂がのっており、エネルギーやほかの栄養価が高めです。
カルシウム
カルシウムは、人間の体に最も多く含まれるミネラルです。丈夫な骨や歯をつくる栄養素であり、不足すると骨が弱くなり骨折しやすくなるおそれがあります。日本人には不足しがちな栄養素であるといわれているため、積極的に摂取するよう心掛けましょう。
ビタミンD
小腸でのカルシウムの吸収を促進し、強い骨や歯の維持に作用する栄養素です。太陽光を浴びることで体の中でも作られますが、屋内で過ごすことが多い人は合成量が少なくなるため、意識して食べ物からビタミンDを摂取してください。
ビタミンE
ビタミンEには体をサビつきから守る強い作用があり、肌や血管の老化防止や生活習慣病の予防に効果が期待できる成分です。毛細血管を広げ、血行を改善する効果も見込めます。
ダイエットに効果的な「摂取方法」
摂取量
淡水魚の中ではエネルギーが高いアユですが、食品全体で見るとヘルシーであるため、ダイエット中に食べても問題はありません。しかし、アユを塩焼きにする場合は注意が必要です。塩でしっかり味付けされているため、塩分の摂取過多でむくみや高血圧を引き起こすおそれがあります。塩焼きを食べる場合は1日1尾程度までにとどめて、食べ過ぎないようにしてください。
摂取に適した時間帯
カルシウムとビタミンDが豊富なアユは、夕食で食べることをおすすめします。骨を強くするにはカルシウムとビタミンDだけでなく、成長ホルモンの働きが必要です。成長ホルモンは夜に分泌が多くなるため、夕食にアユを食べると効率のよい骨の形成が期待できます。骨が丈夫になれば、ダイエットのために運動してもケガをしにくい体になるでしょう。
アユを食べる際の組み合わせ
ビタミンEを含むアユは、ビタミンCが豊富な食品と一緒に食べてください。ビタミンEとビタミンCには、体をサビつきから守る作用があるとされます。血液中にサビついた脂質があると、血液がドロドロになり血行が悪くなってしまうでしょう。ビタミンEとビタミンCの作用によってサビついた脂質が除去されれば、血流改善効果が期待できます。血行をよくして基礎代謝をアップさせ、効率よくダイエットを進めましょう。
「美容」への作用・メリット
アユに含まれるビタミンEは、美肌作りにも効果が期待できる栄養素です。ビタミンEの血行促進作用によって肌に栄養が届くようになれば、肌のターンオーバーが整います。肌にシミができにくくなり、うるおいのある肌を保てるでしょう。ビタミンEには体をサビつきから守る作用もあるため、紫外線による肌のサビつきを防ぎ、シミやそばかすを予防する効果が期待できます。
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。
アパレル企業を退職し、栄養士資格を取得。病院栄養士、食品メーカー品質管理、保育園栄養士などを経験する。現在はフリーランス管理栄養士として食・健康に関する記事を執筆する傍ら、日本ワインに合うおつまみレシピを発信している。