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2023.7.4

アスタキサンチンを多く含む食べ物【一覧】ダイエット・美容への取り入れ方

強い抗酸化作用があり、化粧品などにも含まれる「アスタキサンチン」食事からとるにはどうしたらよいでしょうか。今回の記事では、アスタキサンチンの多い食べ物と取り入れ方、美容へのメリットをご紹介します。日々の食生活に役立ててみてくださいね。

アスタキサンチンの多い食べ物

アスタキサンチンは、鮭やイクラなどに含まれる赤い色素です。エビやカニの殻、鯛のうろこの赤色もアスタキサンチンによるものです。

動物は、アスタキサンチンを体内で作ることができません。アスタキサンチンは海中のへマトコッカスと呼ばれる藻類によって作られ、それをオキアミなどのプランクトンが食べ、さらに鮭などが食べることで体内に蓄積され、身や殻、うろこに蓄積されます。

以下の表は、アスタキサンチンの多い食べ物とその含量です。鮭の種類によってもアスタキサンチン含量は異なります。一般的に鮭というと「白鮭」を指します。

食品名 100gあたりのアスタキサンチン含量(mg)
桜えび 5.4
イクラ(白鮭の卵) 0.87
銀鮭 0.97
紅鮭 2.0
白鮭 0.16

出典:文部科学省|「平成20年度新たな健康の維持増進に関わる食品成分等に対するニーズ調査 5.成果 第1章 機能性成分等新たな健康の維持増進に関わる成分の分析に対するニーズ調査」

アスタキサンチンの一日の目安

アスタキサンチンは「日本人の食事摂取基準(2020年版)」には掲載されていない栄養素です。そのため、明確にこの量と決められた目安はありません。

多くの研究で検証されているのは、アスタキサンチンを1日に4~6mg摂取した場合の効果です。研究により期間は異なりますが、4~8週間続けて摂取することで、肩の血流改善、目の疲れの改善、抗炎症作用などが見られています。(出典:板倉弘重ら. 補完代替医療素材としてのアスタキサンチン. 日本補完代替医療学会誌. 2008; 5(3): 173-182.

また美肌効果については、1日3mgの摂取を4週間続けることで、肌の水分量を維持し弾力を改善したという研究結果もあります。(出典:塚原寛樹ら. アスタキサンチン含有飲料の肌に及ぼす影響. 日本補完代替医療学会誌. 2016; 13(2): 57-62.

これらの結果を見る限り、アスタキサンチンの効果が期待できるのは、1日3mg以上を摂取し続けた場合と考えられます。ただし、アスタキサンチンを3mg摂取するには、白鮭を約1.9kg食べる必要があります。桜えびなら56g、紅鮭なら150g(およそ2切れ)に相当するため、長期的にとり続けることは難しい量といえるでしょう。

アスタキサンチンの効果的なとり方は?

アスタキサンチンは、他の栄養素との相乗効果が知られています。少量でも効果を期待するために、一緒にとる食べ物を工夫するとよいでしょう。

アスタキサンチンをコラーゲンペプチドや、ビタミンEの一種であるトコトリエノールと一緒にとることで、より少ない量でも美肌効果がみられたという研究結果があります。(出典:Zhou X et al. Systematic Review and Meta-Analysis on the Effects of Astaxanthin on Human Skin Ageing. Nutrients. 2021; 13(9): 2917.)トコトリエノールは、米ぬかや麦のふすまなどに含まれる成分です。

また、アスタキサンチンはトマトなどの色素成分であるリコピンと抗酸化作用の相乗効果があるともいわれています。(出典:Liang J et al. Antioxidant synergism between carotenoids in membranes. Astaxanthin as a radical transfer bridge. Food Chemistry. 2009; 115(4): 1437-1442.

アスタキサンチンを健康・美容に役立てるには、アスタキサンチンの多い鮭や桜えびを取り入れつつ、食事全体のバランスを意識するのがおすすめです。玄米や全粒粉などの精製度の低い穀類や、緑黄色野菜も合わせて取り入れましょう。

アスタキサンチンの美容へのメリット

アスタキサンチンは抗酸化作用を持ち、活性酸素を消去する力があります。その力の強さは、同じ抗酸化成分であるビタミンEと比較して約100倍、β-カロテンの1.5~2倍といわれています。(出典:板倉弘重ら. 補完代替医療素材としてのアスタキサンチン. 日本補完代替医療学会誌. 2008; 5(3): 173-182.

紫外線などが原因で肌で活性酸素が発生すると、肌のハリを支えるコラーゲンやエラスチンを傷つけます。これはシワやたるみの原因のひとつです。また、肌の表面では炎症が起こり、バリア機能が低下することで乾燥肌にもつながります。

アスタキサンチンには、肌のバリア機能を維持し肌の水分量を保つ働きや、弾力を保つ効果があるといわれています。また、シワ改善に役立つ可能性も期待されています。

管理栄養士

成松 由佳

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

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