そのくすみの原因、実は「血」が足りてないのかも!?|健康な肌を育む「気血ごはん」って?
冬ぐすみを解消する外側からのケアをアルパカ先生に学んだら、内側からのケアもセットで!今回は東洋医学をベースにした「気血ごはん」を食生活に取り入れることで、血色のいいくすみ知らずなヘルシー肌を手に入れて。国際中医薬膳師の瀬戸佳子さんのお話を伺いました。
「気血ごはん」レシピでくすみ知らず習慣
そのくすみの原因、実は血が足りていないのかも
みずみずしくてハリがあり、キメが細かく血色がいい、そんなくすみ知らずの肌は健康の証でもあります。これは外側からのケアだけでは補えない部分でもあり、毎日の食事から育んでいきたいもの。
女性の多くは「気血両虚(きけつりょうきょ)」といって、「気」と「血」が不足していることが多いのですが、この気血は肌のくすみにも大きな影響を与えます。「血」は肌の代謝を促し、潤いを与えつつ、老廃物を回収。「気」は血の流れを促し、肌のキメや肌あれに関係します。もうひとつ気をつけたいのが「瘀血(おけつ)」です。これは血液に老廃物が蓄積したり、血行不良になったりしている状態のこと。それなら血行を良くしたらいいのではと思いますが、実はそもそもの気血が足りていないために瘀血になっている人が多いのです。
つまり、気血を補いながら、血流を促すことが重要。毎日継続することで、くすみ知らず習慣につながります。くまやシミは瘀血によるものですが、肌あれ、吹き出物の跡が残る、冷え症、血行不良などは気血両虚のサインかも。
また、東洋医学では健康に過ごすため、季節ごとに養生する内臓があり、春は「肝(肝臓)」。くすみの原因、瘀血を解消します。菜の花やキャベツなど、緑の葉もの野菜を積極的にとりましょう。「気血ごはん」は肌のくすみ解消はもちろん、心と体の不調にも効果的です。毎日の食習慣にぜひ取り入れてみてくださいね。
そもそも「気血」って何?
「気」と「血」、どちらも私たちが元気に過ごすには欠かせないものです。おおまかにいえば「気」はエネルギーや元気、「血」は血液。東洋医学では、この「血」と「気」のふたつが相互に影響し合って健康を維持すると考えられています。
血
栄養を運ぶのはもちろん、老廃物を外に出す働きをするのも「血」。皮膚の潤いや細胞の代謝の原料で、くすみや肌あれに大きく関係します。
気
血液を体中に巡らせたり、体温を保ったりするのが「気」。風邪や花粉から体を守るバリア機能もあります。絶え間なく体を動かすエネルギー源です。
春は肝臓を強化してくすみを解消しよう!
まだまだ寒い日が続きますが、2月4日には春の訪れを告げる「立春」を迎えます。この季節は血を貯蔵し、瘀血(くすみの原因)やストレスの解毒をしてくれる「肝(≒肝臓)」を労ることが大切。「肝」をケアする養生で、血色のいい肌を目指しましょう。
瀬戸先生の「気血ごはん」習慣は?
毎朝、1杯のみそ汁
「朝の7時~9時は『胃』が活動的になる時間帯。この時間帯に養生すれば胃が修復されます。効果的な養生は温かくて発酵したもの。おみそ汁はぴったりのメニューです」
お椀に1杯のカツオぶしと適量のみそを入れ、お湯を注ぐだけの「かちゅー汁」も忙しい朝にはおすすめ!
ツナ缶を常備する
「ツナの原料のマグロやカツオは気血を補う食材。特に貧血予防にはコンスタントに取るのがおすすめ。いつもの食事に加えるのに、手軽なツナ缶は重宝します」
おやつは魚肉ソーセージ
「血虚の人はチョコやアイスのとりすぎで瘀血を増やし、気血の供給源である胃も弱らせがち。まずは動物性たんぱく質のおやつで気血を補って」
「気血」を促進する食材はこれ!
くすみ肌の原因は血の不足が多いので、血を補う動物性のものをメインにするのがおすすめ。気血を補う食材としてサケ、マグロ、カツオ、レバー、牛肉(赤身)など。カキ、イカ、タコなども血を補います。血流を促すものを合わせて、くすみを解消して。
血流を促す
黒きくらげ、酢、玉ねぎ
特に血を増やす
サケ、マグロ、レバー
あなたは大丈夫!?くすみを助長するNG習慣
NG!
くすみの原因・瘀血を解消する「肝」は深夜1~3時に回復するので、この時間は確実に睡眠を。協力して働く「胆」も休めるために0時前に寝られるのがベスト。
NG!
瘀血を増やすのがカフェイン、アルコール、脂っこいもの。意外にもバターやチーズなどの乳脂肪も紛れもない“油もの”。チョコも食べすぎは要注意。
NG!
しょうがのとりすぎは、気血両虚の人にとっては逆効果に。一時的に温まっても、毛穴が開いた状態でかえって冷えてしまいます。肌の乾燥の原因にも。
『美的』2022年3月号掲載
撮影/よねくらりょう スタイリスト/来住昌美 料理制作/石黒裕紀 イラスト/黒猫まな子 構成/宮田典子
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。
せと・よしこ/国際中医薬膳師。会社員を経て、東京・表参道の「源保堂鍼灸院」にて、東洋医学に基づいた食養生のアドバイス、レシピを提案。鍼灸院併設の薬戸金堂で漢方相談も行う。著書に『お手軽気血ごはん 1週間で必ず体がラクになる』(文化出版局)。