ボディケア
2024.2.5

腹式呼吸の「効果」って?若々しく、リラックスした体が叶うやり方

「腹式呼吸」、意識してやったことはありますか?インナーマッスルを鍛えることでお腹痩せ、リラックス効果、声が老けるのを予防するなど、嬉しいメリットがいっぱい!専門家が教える「正しいやり方」を常に意識するようにしてみて♪

胸式呼吸との「違い」って?

せたがや内科・神経内科クリニック院長

久手堅 司 先生

  • 「胸式呼吸」は交感神経を優位にする
  • 「腹式呼吸」は副交感神経を優位にする

普段、私たちは無意識に呼吸をしていますが、胸の下(肋骨)と背中(脊椎)に手を当てて、意識して呼吸をしてみると、吸ったり吐いたりするたびに助骨や脊椎が伸び縮みするのがわかります。これは、呼吸と骨格が連動している証拠。悪い姿勢で呼吸を続ければ、骨格に与える影響も強く出ます。逆に言えば、正しい姿勢で正しく呼吸をすると、骨格もそのたびにリセットされます。

呼吸法には、吸うときに胸部を含ませる「胸式呼吸」と、腹部を膨らませる「腹式呼吸」があります。骨格リセットには、このふたつを組み合わせたエクササイズが効果的。ちなみに、胸式呼吸は交感神経を優位に、腹式呼吸は副交感神経を優位にするため、自律神経の乱れを強く感じているときは、腹式呼吸を多めに行うと良いでしょう。

【胸式呼吸】

  1. 胸下に手を添えて、助骨を上に上げるように意識しながら、3秒かけて鼻から軽く息を吸う。
  2. そのまま3秒息を止めてから、助骨を下に下げるように6秒かけて口から息を吐き切る。

【腹式呼吸】

  1. おなかに手を添えて、おなかが膨らむのを意識しながら、3秒かけて鼻から息を吸う。
  2. そのまま3秒息を止めてから、おなかと背中がくっつくようなイメージで6秒かけて口から息を吐き切る。


腹式呼吸で得られる「4つの効果」

【効果1】イライラから来る「体の不調」を和らげる

ぬるめのお風呂や腹式呼吸でリラックスを
上から下へと下降するべき気が逆流している状態。そのため、突然の頭痛やめまいなどが出ることも。軽い運動を心掛けて気の流れを整えて。足湯などで足元を温めるのも効果的。

気逆タイプ|イライラしやすくのぼせやすい

\Let’s Check!/

  • 冷え・のぼせがある
  • イライラしすい
  • 吐き気が起こりやすい
  • 胃部・腹部の張り感
  • 急な頭痛や腹痛
  • せきや喘息
  • 急な動悸
  • 驚きやすい

【効果2】「声老け」を予防

東京医科大学病院 耳鼻咽喉科・頭頸外科講師

本橋 玲先生

横隔膜を動かす腹式呼吸でハリのある声に!
「胸を膨らませる胸式呼吸は、肺に入る空気の量が少なく、声を出す呼気の量も安定しません。一方、おなかを膨らませる腹式呼吸は、空気をたっぷり取り込めて呼気の量が安定。声もしっかり出せます。呼吸が浅くなりがちな人は特に、腹式呼吸の練習を」(本橋先生)

【効果3】「インナーマッスル」を鍛える

美巡家

余慶尚美さん

「鼻からゆっくり息を吸っておなかに空気をため込み、口からゆっくりと息を吐き切る腹式呼吸は、インナーマッスルを鍛え、体の中から温めることにつながります。また呼吸のリラックス効果で副交感神経が優位になると毛細血管の血流の改善にも有効」(余慶さん)

【効果4】心の「不安」を軽減

心理カウンセラー「LOGOSCOPE」代表

片田智也さん

「感情は自律神経と密接な関係をもっていて、緊張や不安を感じているときは交感神経が優位な状態です。乱れた自律神経を意識的に整えられる唯一の方法が呼吸。不安なときは呼吸が浅く速いのですが、深くゆっくりと息を吐くことで、副交感神経が優位になり、不安を軽減できます」(片田さん)

腹式呼吸の「5つのやり方」

【1】ハリのある声も取り戻す「基本のやり方」

\1セット 5〜10回/

【How to】

  1. 姿勢を正し、おなかを凹ませながら口から息をゆっくりと(6〜8秒で)吐き出す。このとき横隔膜は上に動く。
  2. 鼻から息をゆっくりと(3〜4秒で)吸い、おなかの膨らみを確認。このとき横隔膜は下がる。
  3. 2を5〜10回繰り返す。力を入れず、リラックスして行うのが◎。

【2】外でもできる「座って吐く」スタイル

池袋オリーブメンタルクリニック 院長

松島幸恵先生

「息をゆっくりと深く吐くことを意識した呼吸法は、副交感神経を刺激して心の緊張をほぐします。ストレスマネジメントに効果的で、不安への抵抗力もUP!」(松島先生)

【How to】

  1. イスに座って全身の余分な力を抜く。
  2. 目と口を閉じて鼻から細く長く(6~8カウント)息を吐きながら下腹部を凹ませる。
  3. 息を吐き終えたら少し休む(2カウント)。
  4. 鼻から息を吸いながら(3〜4カウント)、下腹部を膨らませる。
  5. 2~4を無理のない範囲で10分程度繰り返し、最後に両腕や首を軽くストレッチ。

\1日10分間×3回/

【3】「緊張や不安」を和らげるやり方

心理カウンセラー「LOGOSCOPE」代表

片田智也さん

【How to】

  1. 背筋を伸ばして胸を軽く開き、口をすぼめて長くゆっくりと息を吐く。
  2. おなかの空気を全部出すイメージで吐き切ったら、自然に鼻から息を吸い込む。
  3. おなかが膨らんだら、3秒程息を止め、再度ゆっくりと息を吐く。これを5回程繰り返す。慣れたら回数を増やして。

【4】カンタン「吹き戻し」で血流アップ

医師

工藤孝文先生

目がさえて眠れないときは “吹き戻し” で副交感神経のスイッチをオン。

  • 副交感神経を優位にするには、腹式呼吸(肺の下にある横隔膜を上下させる)がおすすめ。
  • “吹き戻し”を使えば腹式呼吸が簡単にできます。
  • 血流アップの効果もあり、冷えやむくみにも◎。

【5】寝る前や緊張時に「4・4・8呼吸法」

ハーバード大学・ソルボンヌ大学医学部客員教授

根来秀行先生

「呼吸法は、自律神経のバランスを整える上で最も有効な方法。胸腔内の横隔膜には自律神経のセンサーがあり、それをコントロールできるのが腹式呼吸。寝る前や緊張をほぐしたいときなど、上記要領の『4・4・8呼吸法』を実践すると、副交感神経にスイッチが入り、血流も促進されます」(根来先生)

【How to】
(1)息を吸い込む
息を吐き切って、おなかが膨らむように2~3回呼吸した後、腹式呼吸で4秒かけて息を吸う。

\胸部が広がり、横隔膜が収縮/

(2)息を吐く
4秒息を止めた後、8秒かけてゆっくりと息を吐く。これを4回×2クール程度繰り返す。

\胸部が縮み、横隔膜が緩む/

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

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