女性の抜け毛の「９つの原因」と「頭皮ケア」

女性の抜け毛が増える原因は？1日70～100本程度抜け毛は正常範囲。シャンプー時に排水口をチェックして、抜けた毛のかたまりが大きくなったら要注意！育毛剤を取り入れるなど、頭皮環境を改善し抜け毛を防ぎましょう！

抜け毛が増える７つの「原因」

【1】ホルモンバランスの変化

「30代後半から髪には変化が出始め、40代後半になってくると、明らかに衰えを感じるようになります。

その理由は、髪と女性ホルモンは密接に関わっているから。女性ホルモンのなかでも、卵胞ホルモンである“エストロゲン”は、肌にハリやうるおいを与えたり、自律神経を安定させたり、骨をしなやかに保つなど、女性の美と健康に大きく関係しています。

このエストロゲンの分泌量が低減することで、髪のハリやコシがなくなり、細くなったり、ヘアサイクルが短くなって成長しないまま抜けるなど、薄毛や抜け毛にも影響を及ぼしてしまいます」（余慶さん）

 

【2】乾燥

髪質に関係なく、多くの方の頭皮は乾燥しているといわれます。肌と同じで、乾燥は頭皮を劣化させます。髪を育てる機能が衰え、薄毛、うねり毛など、老化による髪質変化が早まります。

 

【3】いつも同じ場所で髪を結ぶ

「強い力で長時間引っ張るような、ポニーテールなどのスタイルを続けている場合も、血流が悪くなりがちです。さらに、髪の成長に伴って深く大きくなる毛包が引っ張られている状態が続くことも、頭皮に負担をかけてしまうので良くありません。これについては、実際に薄毛などのトラブルに発展する可能性があります。

同じところに負担がかかっている状況を減らす工夫をしていただければと思います。できれば、分け目をズラすとか、少しゆるめにセットするなどしましょう」（渡部さん）

 

【4】汗・紫外線

「長時間帽子をかぶることで、頭皮が汗などで蒸れて雑菌が繁殖しやすくなります。その雑菌によって頭皮や毛穴に炎症が起こると、抜け毛増加へのリスクが高まってしまいます。

一方で、紫外線を浴びると、毛母細胞や毛包幹細胞が傷ついてしまい、髪の毛が十分に育つことができなくなります。これも薄毛の要因に」（西垣先生）

 

【5】ストレス

＼教えてくれたのは…ミルボンの渡邉紘介さん／

「老化だけでなく、ストレスによっても帽状腱膜が下に引き伸ばされて髪が生えにくくなります。また、円形脱毛症を起こす人もいるので、ストレスは本当に大敵です」（渡邉さん）

 

【6】日焼け

＼教えてくれたのは…アリミノ 研究開発部 総合研究所 基礎研究室係長　富樫孝幸さん／

「紫外線は毛髪の成長に悪影響を与えると考えられます。日焼けによるダメージが頭皮に蓄積することで、薄毛や白髪のリスクが高まる可能性もあります」（富樫さん）

 

【7】血行不良

「白髪や薄毛は代謝や血流の悪さが原因といわれています。」（伊熊さん）

 

「髪の毛が成長するためには十分な栄養が必要です。頭皮が硬いと、どうしても血流が悪くなってしまうので、髪の成長に必要な栄養が届きにくい状況になってしまうため、薄毛になりやすくなってしまいます」（渡部さん）

 

抜け毛について、知っておきたい６つの「基礎知識」

【1】1日70～100本程度抜け毛は正常

「正常な髪の場合、1日70～100本程度抜けます。しかし、明らかに抜け毛の量が増えた、抜け落ちる毛が細くなった、ロングヘアなのに短い毛が抜けるなど、いつもと違う場合には、何からのトラブルが起きている状態と考えられます」（余慶さん・以下「」内同）

【2】8月～10月は抜け毛が増えやすい

「8～10月は、特に髪が抜けやすくなります。その理由は、紫外線などの熱ダメージを受けたり、寝不足や、暑くて食欲がなくなり、つい素麺で済ませてしまうなど、栄養バランスが偏ってしまうことが挙げられます」

【3】自然な抜け毛と異常な抜け毛の見分け方

「明らかに抜け毛の量が増えた、毛が細くなった、ロングヘアなのに短い毛が抜けるというのをひとつの指標にしてみてください。

また、シャンプー時に排水口をチェックして、抜けた毛のかたまりの大きさを意識してインプットしておくことも良いでしょう。かたまりが大きくなった＝抜け毛の量が増えたというふうに、分かりやすく認識することができます」

【4】一気にとかすと抜け毛を助長することも

「“ブラッシング”こそ、ヘアケアの基本のキです。よくありがちなのが、頭皮から毛先に向かってブラシで一気に髪の毛をとかすというもの。これは頭皮に力がかかりすぎ、髪を傷めるだけでなく、抜け毛を助長させることになってしまいます。」

 

【5】産後の抜け毛は1年以内にもどる

「産後の抜け毛は、“産後脱毛症”や“分娩後脱毛症”とも呼ばれ、一時的に女性ホルモンの分泌が乱れることで起こります。女性ホルモンのバランスが整えば、再びヘアサイクルも戻り、抜け毛も改善していきます」

【6】「育毛剤」と「発毛剤」の違い

「薄毛・抜け毛ケアの場合、“育毛剤”と“発毛剤”の2種類があります。育毛剤は、髪が育ちやすい環境を整え、抜け毛や薄毛を防ぐ予防的要素が大きいもの。一方の発毛剤は、いま生えていない髪を生やすために使用するため、治療という意味合いになり医薬品に該当します。」

 

抜け毛を防ぐ５つの「意識すべきこと」

【1】育毛剤を取り入れる

抜け毛の原因は生活習慣や加齢、ホルモンバランスの変化などさまざまですが、気に留めたいのは毛周期の休止期が終わって生え始めた髪。このタイミングで育毛剤を取り入れると、髪がしっかり育つようになります。清潔な頭皮になじませてからマッサージで血行を促進させ、より効果アップ。頭皮環境も整います。

【Step.1】髪をかき分けて頭皮に直射

タオルドライ後の湿った頭皮に使用。髪をかき分けて頭皮を露出し、直接塗布。その後、指の腹を使って頭皮をマッサージする

【Step.2】この辺りにつける

抜け毛の影響が出やすいつむじ周辺や分け目、生え際をメインにつける。ハチ上全体で10か所程にシュッと！

 

【2】地肌を紫外線に晒さない

＼教えてくれたのは…ヘア＆メイクアップ アーティスト　NADEAさん／

分け目は毎日変える

「紫外線により発生する活性酸素は、髪の毛を生み出す幹細胞や色素の幹細胞を攻撃します」（伊熊さん）
「ジグザグ分けが◎。最初の“ジグ”を大きくするとふんわり分けられます」（NADEAさん）

 

【3】食生活を見直す

「食べ物に関してはビタミン、ミネラル、タンパク質、炭水化物をバランスよく摂取することが理想です。

特に髪を作るタンパク質や、タンパク質の合成に関わるビタミン B 群を積極的に摂取しましょう。スタイルを気にして過度なダイエットを実践すると、髪に栄養が行き渡らず1本1本の毛がやせ細ってしまいます。」（浜中先生・以下「」内同）

【4】良質な睡眠をとる

「睡眠時間は、毎日最低5～6時間は確保して。なるべく“夜寝て朝起きる”、太陽のリズムとともに就寝・起床すると、髪の成長に関与するホルモンのバランスが整いやすくなります。しっかり睡眠をとることで、抜け毛の原因の１つとなるストレスの緩和にもつながります。

さらに細胞の成長を促す成長ホルモンの分泌にも関わってくるので、良質な睡眠を心がけて」

【5】毎日のシャンプー習慣を見直す

自分でできる抜け毛対策として、“毎日のシャンプー習慣を見直すこと”も重要です。
きちんと汚れを落とし、清潔に保つシャンプーは、髪の土台ともいえる“頭皮環境”を整える大切なステップ。

「頭皮の脂っぽさや臭いを気にする方もいますが、“洗いすぎ”には注意が必要です。女性の場合、総じて頭皮がオイリーな方は少ないと言えます。頭皮が乾燥しているのに洗浄力が強いシャンプーを使うと、乾燥やダメージの原因になることも。抜け毛が気になる時は、アミノ酸系洗浄成分を配合した“低刺激のシャンプー”に切り替えるのも一案です」

 

抜け毛を予防する２つの「頭皮ケア方法」

＼教えてくれたのは…アリミノ 研究開発部 総合研究所 基礎研究室係長　富樫孝幸さん／

保湿ケアが重要

「頭皮の状態を整えて抜け毛を抑制するためには、頭皮の適切な水分量をキープするための保湿ケアが重要です」（富樫さん）

 

【1】1分でできる頭皮の保湿ケア

【Step.1】地肌に頭皮用ローションをつけ、軽くなじませる
つける場所は、頭頂部と側頭部を中心に。髪を左右にわけ、片側ずつ生え際側から奥に向かって、指で線を引いて髪を分けながらつけると、まんべんなくつけられます。紫外線のあたりやすい分け目や生え際は特に念入りに。

【Step.2】生え際360度方向から頭頂に向かってやさしくブラシでとかす

時間があれば頭皮にピン先を当て、小さな円をくるくる描くように揺らしながら、頭頂に向かって動かして。さらに、頭頂のいわゆる「カッパのお皿」部分は斜め方向にも動かして。頭頂部の毛細血管の血流をまんべんなく促すことができます。
※毛先までとかしきらなくても大丈夫！
※髪が抜けても気にしないで！　抜けるべき毛が抜けているだけです。

 

【2】血流を高める、頭皮マッサージ

「老化だけでなく、ストレスによっても帽状腱膜が下に引き伸ばされて髪が生えにくくなります。また、円形脱毛症を起こす人もいるので、ストレスは本当に大敵です」（渡邉さん・以下「」内同）

さらにストレスを感じると頭の筋肉が萎縮して、血流を妨げることも！
「対策としては、つかんでほぐす頭筋リリースマッサージがおすすめ。ストレスを抱えると頭皮が赤く炎症を起こし、それが抜け毛につながるので、抗炎症成分が配合された頭皮用美容液が有効です」

【Step.1】前頭筋をつかんでほぐす

清潔な頭皮全体に頭皮用美容液をなじませてから開始。おでこと頭頂部のちょうど真ん中あたりの、触ると膨らみを感じる部分を中心に、5指の腹でつかんでほぐす。痛気持ちいいぐらいの強さで行って。

【Step.2】耳の上を中心にほぐす

ストレスを感じると特に硬くなりやすいのが側頭部。耳のすぐ上あたりに両手の指の第一関節と第二関節の間の面を押し当て、筋肉ごと動かすイメージでクルクルと円を描くように、しっかりとほぐす。

【Step.3】後頭部をつかんでほぐす

5指の腹で後頭部をつかみ、しっかりと圧をかけながらほぐす。後頭部の骨の丸みの上と下は特に念入りに。前・横・後ろの頭筋を「つかみ」「ほぐす」ことで血流とリンパの流れが促され、健やかな髪が育まれる。

 

発毛・育毛をサポート！「医薬部外品」ヘアケアアイテム９選

【1】資生堂プロフェッショナル サブリミック アデノバイタル スカルプパワーショット［ 医薬部外品］

毛根の発毛・育毛に働きかけてサポートする。頭皮の深層に働きかけ、髪の成長や育成を手助け。

 

【2】ミルボン エンハンシング ビバシティ エッセンス［医薬部外品］

根元からふんわりとした髪に。髪の土台にアプローチする育毛ケアライン“エンハンシング ビバシティ”。育毛剤は5種の有効成分が脱毛要因に働きかけて頭皮環境を健やかに整える。

 

エンハンシング ビバシティ エッセンス［医薬部外品］の詳細はこちら

【3】コスメディ製薬 ファーサ スペシャルケアセット［医薬部外品］

「育毛成分とヒアルロン酸でできた極細の針を使用した高い浸透力の育毛ケア。セットのニードルパッチをプラスすると角質層の内部まで有効成分が浸透。テレビの前で彼と一緒にやるのもgood」（美容エディター　斉藤裕子さん）

 

【4】ラサーナ 薬用 地肌 ジェル［医薬部外品］

豊かな髪が育まれる頭皮環境に。3種の生薬由来成分や14種の海藻エキス、豆乳発酵液が、薄毛や頭皮の炎症などの悩みに幅広くアプローチする薬用育毛剤。ノズルで気になる部位に留めやすいジェルタイプ。

 

薬用 地肌 ジェル［医薬部外品］の詳細はこちら

【5】メナード 薬用スカルプエッセンスSV［医薬部外品］

ハリ･コシのあるしなやかな髪へ。頭皮に潤いを与える薬用美容液、薄毛や脱毛を予防。 トリフエキス＆超熟紅参エキスを組み合わせた共通の濃密ハリ成分が、頭皮環境を健やかに整える。

 

薬用スカルプエッセンスSV［医薬部外品］の詳細はこちら

【6】アイビー化粧品 薬用 スカルプ リフレッシュ グロウ ショット［医薬部外品］

頭皮のエイジングケアも忘れずに！ 突起型ノズルを頭皮に当て、シュッと心地よい刺激によって細胞の活性化＆血行促進をさせる女性用薬用育毛剤。保湿成分配合で、頭皮を乾燥からしっかり守る。 フローラルウッディの香り。

 

薬用 スカルプ リフレッシュ グロウ ショット［医薬部外品］の詳細はこちら

【7】大正製薬 美柑の雫［医薬部外品］

育毛、薄毛、かゆみ、脱毛予防、毛生促進、発毛促進、ふけ、病後・産後の脱毛、養毛などに効果がある、ボタニカル由来の有効成分を配合した自然派育毛剤。

 

【8】クィーン uruotte ハーバルエッセンス 優 薬用育毛料［医薬部外品］

和洋漢ハーブの力で、理想的な頭皮を目指す薬用エッセンス。３つの有効成分を凝縮配合し、フケやかゆみを防止しながら、健やかな髪を育むサポートも。穏やかな香りで癒されながらケアできる。

 

【9】コスメデコルテ ステムノワール［医薬部外品］

ユーカリエキスやタイムエキスをはじめ、髪と頭皮のエイジングケアに最適な美容成分を贅沢に配合した薬用育毛剤。

 

※価格表記に関して：2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。