レーシックをしたらコンタクトレンズは使えないってホント?真相を専門家に直撃!【美容の常識ウソ?ホント?】

日常生活で生まれる美容や女性のライフスタイルの疑問を専門家に答えてもらうこのコーナー。今回は「目」について。レーシックをしたらコンタクトレンズは使えないってホント? 吉祥寺森岡眼科の院長、森岡清史先生にお話を伺いました。
Q:レーシックをしたらコンタクトレンズは使えないってホント?
レーシックをしたら、もちろん矯正のためのコンタクトレンズは必要なくなります。でも、近視の戻りや、カラーコンタクトレンズをしたいという場合もありますよね。レーシックをしたら、コンタクトレンズは使えなくなるというウワサもありますが、実際のところどうなのでしょう。さっそく、この疑問を森岡先生に聞いてみました!
A:ウソ
「レーシックの術後すぐにつけるのはNGですが、傷口がくっついていればカラーコンタクトレンズを使用しても問題ありません。だた、手術によるダメージで角膜内皮細胞が極端に減ってしまった場合は、コンタクトレンズの装着は危険と判断することがあります」(森岡清史先生・以下「」内同)
術後いつからコンタクトレンズを使用できる?
「レーシックでは角膜をめくり、レーザーを照射して角膜の屈折率を矯正します。そのため、めくった部分がしっかりくっついていれば、カラーコンタクトレンズを装着しても大丈夫です。だいたい1週間ほどでめくった部分はくっつき、1か月もすれば落ち着いてきます。ただし、ファッション目的のカラーコンタクトレンズの中には、酸素の透過性が良くないものもあるので、眼科医に相談の上、安全性が確立されたものを選ぶようにしましょう」
Point
・手術から1か月ほど経過してから・眼科医に使用するレンズを相談すること
コンタクトレンズ使用NGの場合も
「基本は傷口が治れば、コンタクトレンズの使用も可能ですが、装着が危険な場合もあります。黒目の内側にある角膜内皮細胞が極端に減ってしまった場合は、コンタクトレンズを装着することで、さらに細胞が減ってしまう可能性が高いので、使用は控えてもらいます。
角膜内皮細胞というのは5つの層からできている角膜の一番内側にあるもので、角膜内の水分を最小限に維持することで透明性を保つはたらきをしています。角膜の透明性が失われると、目の奥に光が届きにくくなるため、視力の低下につながります。さらに、角膜内皮細胞は一度死んでしまうと再生することがないため、角膜内皮細胞数が減り、白く濁ってしまった場合は角膜移植をするしか治療の方法がありません。コンタクトレンズの長時間使用や誤ったレンズ装着、手術によるダメージなどでも角膜内皮細胞は減少してしまいますから、注意が必要です。レーシック後にコンタクトレンズを使用したいときは眼科医に相談するようにしましょう」
文/土屋美緒
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浜松医科大学医学部卒業。東京大学大学院医学系研究科にて網膜色素上皮細胞の研究に従事し、同大学院を修了。医学博士授与、日本眼科学会眼科専門医認定。都内の眼科に勤務後、吉祥寺森岡眼科を開設。視覚身体障害者指定医・難病指定医でもある。著書は「目は10秒でもっとよくなる!—すぐできる目ヂカラの強化書」(自由国民社)、「見える力がよみがえる 立体 遠近トレーニング」(サンクチュアリ出版)。
吉祥寺森岡眼科