朝と夜、同じ運動でもダイエットの効果に差が出るってホント?真相を専門家に直撃!【美容の常識ウソ?ホント?】
日常生活で生まれる美容の疑問を専門家に答えてもらうこのコーナー。今回は、“運動”と“老化”の関係について。朝と夜、同じ運動でもダイエットに差が出るって…ウソ? ホント? 立命館大学 スポーツ健康科学部 藤田聡教授にお答えいただきます。
Q:朝と夜、同じ運動でもダイエットの効果に差が出るってホント?
ダイエットをするのなら、少しでも効率よく、短期間で効果を出したいですよね。運動する時間帯が違うと、ダイエット結果にも差がでるというウワサがあります。本当なのでしょうか。さっそく、この疑問を藤田教授にぶつけてみました! 果たして答えは…?
A:ウソ
「朝と夜、運動する時間が違うからといって、ダイエットに差が出るとは根拠がなく、考えにくいです」(藤田教授以下「」内同)
【朝】の運動のメリット、デメリットとは?
「ただし、筋トレに限って言えば、朝は力が入りにくいもの。体が活発に動き始める午後のほうがパフォーマンスが上がるという人は多いですね。とはいえトレーニング効果やダイエットでは、午前と午後は差がないという報告が大半です。ひとりひとりの生活習慣によって、“いつ運動をしやすいか”という点を重視するほうがよいでしょう」
- 筋トレは、午後の方がパフォーマンス力がUP!
- 生活習慣によって、いつ運動しやすいかを重視
【夜】の運動のメリット、デメリットとは?
「夜の運動には、日中の眠気が改善され、よく眠れるようになる、というメリットが報告されています。ですが、寝る直前の運動は交感神経が刺激され、入眠の妨げになることも。また、運動することで体温が上がり、1時間弱ほど深部体温が下がりにくくなります。人間が心地よく、リラックスして眠るには、体温が平熱よりも1℃ほど下がり、室内温度が18℃前後(夏場は28℃前後)であることがベストとされています。このことから、運動直後は体温が上がっているため、寝つきが悪くなる可能性が考えられます。運動後、ベッドに入るまでは、少なくとも1時間以上、できたら2時間は空けるのが望ましいですね」
- 夜の運動は日中の眠気を改善し、良質な睡眠をもたらす
- 運動後、ベッドに入るまでは1~2時間空けるのがベスト
運動後は入浴すべき?
「運動後はお風呂に入るのがおすすめ。お風呂に入ることで、皮膚から熱が放出され、血流がよくなり、体がポカポカと温まります。その後、血液が熱をもって放出してくれるので、体温が下がりやすくなり、寝つきがよくなりますよ」
朝食後におすすめの運動は?
「朝食を食べてしまうと運動ができない…という人も多いので、運動するのなら、朝食前がベスト。少しストレッチをしたり、体を温めたら、朝は軽めの運動からスタートしましょう。自分の体重を負荷として使う“自重トレーニング”がおすすめです」
サイドステップ
- 脚を肩幅に開いて立つ
- 腕を床と平行の高さに持ち上げて、前ならえの姿勢をとる
- 左の脚はそのままに、右脚を横に踏み出す
- ゆっくり腰を落として戻すを10回行う
- 2の姿勢に戻り、反対の脚も同様に行う
「運動時は、“息こらえ”(息を止めて運動すること)を避けてもらえれば、特にすったり吐いたりするタイミングは気にしなくて大丈夫。
筋トレと聞くと、10回3セット行わなければ効果がないというように思えるかもしれませんが、運動習慣のない人にとって、最初から10回3セットというのは、ハードルが高すぎるもの。最終的には片側10回づつできるようになればベストです。大切なのは、筋トレの常識に縛られすぎないこと。慣れてきて、物足りないなと感じるまでは、まずは2~3回からはじめてみましょう」
文/木土さや
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。
・2002年南カリフォルニア大学大学院博士課程修了
・博士(運動生理学)
・専門は運動生理学、特に運動や栄養摂取による筋肉の代謝応答
藤田研究室twitter