「毎日運動する人は老化しやすい」ってホント?真相を専門家に直撃!【美容の常識ウソ?ホント?】
日常生活で生まれる美容の疑問を専門家に答えてもらうこのコーナー。今回は、“運動”と“老化”の関係について。毎日運動する人は老化しにくいって…ウソ? ホント? 立命館大学 スポーツ健康科学部 藤田聡教授にお答えいただきます。
Q:毎日運動する人は老化しやすいってホント?
運動にまつわる有名なウワサに、「運動すると老化が早まる」というのと「運動すると老けにくくなる」というものがあります。相反するこのウワサ、どちらが本当なのでしょうか。さっそく、この疑問を藤田教授にぶつけてみました! 果たして答えは…?
A:ウソ
「老化の定義によっても変わってきますが、脳の老化と定義して考えてみましょう。脳は、加齢と共に脳も委縮してきます。ところが、日ごろウォーキングなどをしていて活動力が多い人は、脳の萎縮が緩やかであることがわかっています。このことから、運動が脳の老化を抑制する効果はあると思います」(藤田教授以下「」内同)
「有酸素運動が老化を早める」といわれる理由は?
「マラソンなどの運動量が多く、激しいトレーニングをしたときには、活性酸素といわれる物質が長時間に渡って生成されます。と同時に、体には抗酸化作用のような、修理する機能が備えられているのです。ところが、マラソンのような長時間の過酷な有酸素運動をすると、酸化ストレスが過剰になり、体に害を与えることに…。活性酸素が体のサビの原因となるといわれていることから、有酸素運動が老化を早めるといわれているのではないでしょうか。
確かに、アスリートは別として、日常、軽~く運動をする程度の一般女性が過酷な長時間マラソンをするのは、アンチエイジング的な観点で、もしかしたらデメリットがあるかもしれません」
上手な運動の取り入れ方とは?
「酸化ストレス=悪いと思われがち。ですが、これは誤解です。適度な強度と時間の運動実施に伴う酸化ストレスは、実は体によいのです。
例えば、筋トレをしたときに筋肉をつくる、生理的なスイッチの引き金となるのもこの酸化ストレスなのです。とはいえ、繰り返しになりりますが、やり過ぎは禁物。長時間にわたって、とてもキツい高強度な運動をした場合は休むなどして、自分自身の体とコミュニケーションを取ることが大切ですよ。毎日適度な運動をすることは体にもいいし、アンチエイジング的な効果もあるのですから」
Point
アンチエイジングのためには、毎日、少しの運動を短時間、継続的に行うべし運動を習慣づけるために
「まずは、毎日、筋トレやスクワットを2回だけ行うことからスタートさせていきましょう。運動初心者の人にとっては、1回につき3セット、週3回やる、というように回数で決めてしまうと、習慣がつく前にやらなくなってしまいます。さらに、今日できなくても、明日やればいいか…と思ってしまうことも。新しい習慣を身に付けることは、思っている以上に難しいものなのです。
そして、毎日の運動が慣れてきて物足りないなと感じたら、そこで10回に増やせばOK。毎日行っていくと、仮に運動をしない日には、今日はなんだか体が気持ち悪いな…という感覚になってきます。1日1日、積み上げて、運動を体にインプットさせることから始めてみてくださいね」
- 初めは、筋トレやスクワットを1日2回からスタート
- 物足りないなと感じたら、10回に増やす
文/木土さや
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・2002年南カリフォルニア大学大学院博士課程修了
・博士(運動生理学)
・専門は運動生理学、特に運動や栄養摂取による筋肉の代謝応答
藤田研究室twitter