「在宅勤務で夫にイライラ。気持ちが落ち込みやすく…」これはウツ?|“ウツっぽ”診療ルーム カルテ4
コロナ禍で在宅勤務が増え、メリットも多い一方で様々な問題が表出しているのも事実。 今回は、在宅勤務で夫婦間のもめ事が増えてしまった…という『美的』読者のお悩みについて、産婦人科医の尾西芳子先生からアドバイスをいただきました。
カルテ4
「在宅勤務で夫婦間のもめ事が増えてしまった」
Rさん(役員秘書/32歳) 夫と二人暮らし
【現在の環境について】
夫婦でテレワークがかぶると、夫が一日中オンライン会議をしているのがうるさくてつらいです。そういったイライラのせいか、夫への小言が増えてしまいました。生理前はそのピークで、夫はおろか職場の人や友人への暴言も止められず、相手を傷つけてしまいます。
【心の不調について】
新型コロナウイルス感染症が終息しないことへの不安、環境作りが難しいリモートワークに対する不満、夫の会食がなくなり毎日料理をすることの負担…。日常のささいなことですが、そんなことに悩まされて、以前より気持ちが落ち込むことが多くなった気がしています。
「物理的に距離を置いて対処しつつもクリニック受診の検討を」(尾西先生)
「これは放っておくと本格的なうつ病になる可能性があります。月経前に症状が悪化するということで婦人科を受診した場合でも、必要があれば心療内科も紹介させていただきます。しんどいなと感じたら、気軽な気持ちでクリニックへ行くことを検討してみてください。リモートワークに関しては、可能なら片方がカフェやホテルのデイユースを活用するなど、物理的に距離を置いてみることをおすすめします。24時間一緒だとイヤなところばかりが見えますが、環境が変われば新たな視点が見えてくるかもしれません」
前回までの「“ウツっぽ”診療ルーム」はこちら
カルテ1「コロナで人付き合いが激減。食も楽しめない」
カルテ2「コスメを見てもワクワクしない。自分を卑下して暗い気持ちに…」
カルテ3「物覚えの悪い後輩に対してモヤモヤ。心や体調も不調」
『美的』2021年1月号掲載
イラスト/松元まり子 構成/宮田典子(HATSU)、有田智子
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。
おにし よしこ/神戸大学国際文化学部卒業後、山口大学医学部学士編入。東京慈恵会医科大学附属病院研修医、日本赤十字社医療センター産婦人科などで勤務。 妊娠・出産、婦人科がんの手術、不妊治療など幅広く学んだ後、2017年に夫婦で婦人科クリニックを開業。