マブチメディカルクリニック院長、東京栄養食糧専門学院・副学院長。東京医科大学医学部医学科卒業後、同医科大学病院皮膚科学講座に所属しながら同病院に勤務。その後、マブチメディカルクリニックを開設、現在に至る。内科学・皮膚科学が専門であるが、あらゆる科と提携を結び、多面的に人間の体を総合的にサポートする医療を推進している。著書に『からだを救う、水の飲み方、選び方』(講談社)、『朝のコーヒー、夜のビールがよい仕事をつくる』(クロスメディア・パブリッシング)など。
水を飲む代わりに水分補給できる食材や食べ方があるってホント?真相を医師に直撃!【美容の常識ウソ?ホント?】
A:ホントです
「飲み水からの水分摂取に加え、みずみずしい野菜などからの摂取を増やせば水分の補給につながります。
セロリは94.7%、トマトは94.0%、キャベツは92.7%…。これらは野菜に含まれている水分量です。多くの野菜の90%以上は水だと思って間違いないのです。私たち日本人は野菜が不足ぎみ。厚生労働省は健康維持のために1日350gの野菜摂取を推奨していますが、厚生労働省の『平成26年国民健康・栄養調査」によると、日本人の野菜摂取量は1日平均290g程度に留まっています。野菜からは水分が摂れて低カロリーなうえに、多くの栄養素も摂り入れられます。ぜひ意識して食べるようにましょう。
とはいえ、まったく水を飲ますに食品だけから水分を摂取するのはすすめしません。自分に見合った量の水分摂取(飲み水)を心がけながら、食品からも必要な栄養成分をしっかり摂るのが正解、ということを忘れてはいけません。補助的な役割という認識をもってくださいね」(馬渕知子先生・以下「」内同)
野菜ジュースやスムージーは水代わりになる?
味のしない水を飲むのが苦手という人もいます。果物や野菜使ったジュースやスムージーに頼るのはどうなのでしょう?
「市販のジュースに頼りすぎるのは控えてください。果物のジュースだとのど越しが良すぎるので、一度にたくさん飲めますが、果物には野菜と違って糖質が多く含まれており、飲み過ぎるとカロリー過多を招きやすいのです。
野菜や果物の不足を補うためにスムージーを飲んでいる人もいらっしゃいますよね。甘味が恋しくてバナナやリンゴなどの果物を多く入れすぎてしまうと、”果物ジュースに野菜が少しだけ入っている”という状態になります。それでは一度に大量の果糖を摂ってしまうことになるので危険。野菜と果物の配合をうまく調整して”野菜ジュースに果物が少しだけ入っている”という状態がオススメです」
スムージーをつくるならジューサーとミキサー、どちらがいい?
「スムージーを作るときに、ジューサーを用いる人とミキサー(ブレンダー)を用いる人がいますね。ジューサーは不溶性の食物繊維を分離して除くので、口当たりの良いサラッとした仕上がりになります。
一方ミキサーは野菜と果物を丸ごと撹拌するので、不溶性の食物繊維を含んだトロリとした飲み応えのあるスムージーができます(水溶性の食物繊維は両者に含まれます)。オススメは、野菜や果物の成分を丸ごと摂れるミキサーです。とはいえ、嫌いなことを続けるのは難しいので、ミキサーを使用したときの食感などが苦手な場合、好みの飲み口と風味が得られるほうを選んで取り入れるのがよいでしょう」
文/野邑みえ(all the way)
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。