知っておきたい頭痛の疑問Q&A|働く女性に頭痛が多いのはなぜ?天気の影響は?
もともと女性に多い「片頭痛」持ちに加え、最近はデジタル生活で起こる「緊張型頭痛」が美的世代にも急増中! 女性に頭痛が多い原因は?慢性頭痛から抜け出せないのはなぜ?などなど、頭痛にまつわる疑問に頭痛外科の先生に答えてくれました!
Q1.30代の働く女性に頭痛が多いのはどうして?
仕事も家庭も最も忙しい時期で肉体的・精神的ストレスが大きい上、女性ホルモンの影響も大
「頭痛は、男女ともに働き盛りの30~40代が最も多いのですが、女性は男性の2倍以上。30代女性といえば、仕事はもちろん、家事や育児などにも忙しい人が多く、肉体的、精神的なストレスが非常に大きいからだと考えられます。また、毎月の生理に伴う、女性ホルモン(エストロゲン)の変動も片頭痛に関連性があります。 月経や排卵日の前後に脳内の神経伝達物質セロトニンが急激に増減し、血管が拡張して神経を圧迫します。 その変化を敏感な脳が読みとって、片頭痛が起こるのです」(東京女子医科大学 頭痛外来 清水俊彦先生/以下同)
Q2.慢性の頭痛から抜け出せないのはなぜ
慢性的な頭痛は脳の興奮状態の蓄積。 脳を興奮させる要因をなくさない限り繰り返します
「慢性頭痛は、単なる痛みではなく、水面下で脳が興奮する疾患です。痛み止めなどで表面的に抑えても、水面下の興奮状態が鎮まらない限り、痛みを繰り返すことになります。しかも、脳は一度刺激されて興奮すると3日間は余韻が残ります。まずは、目から入る光に後頭葉が反応してズキズキし始めます。そこで興奮状態が鎮まらないと次は側頭葉で音、さらには前頭葉でにおいに対して過敏に反応するように。この興奮のエネルギーが脳に蓄積されて強くなると、 頭痛はどんどん悪化、慢性化します」
Q3.天気がくずれると、決まって頭が痛くなるのですが…
気圧が低くなると、脳の血管が広がって片頭痛を起こしやすい
「低気圧によって外気の体への圧が弱まると、全身が少しむくみやすくなります。結果、脳の血管も広がって、周囲に張り巡らされた三叉神経を刺激するため、頭痛を起こすことが多いのです。また、むくんだ血管の隙間から水分が漏れ出して、尿の量が減り、体が重くだるくなります」
Q4.頭痛を放っておくと、どうなりますか?
脳に誤作動が生じて、体にさまざまな不調が現れます
「慢性頭痛を放置すると、脳の興奮のエネルギーが蓄積されて、ささいな刺激にも反応したり、1回の頭痛のパワーが増したり…。脳が誤作動を起こして耳鳴りやめまい、不眠、 イライラ、鬱などを引き起こすようになります。ひどい頭痛がz続くときは、病院で検査を受けてください」
教えてくれたのは…
東京女子医科大学 頭痛外来 清水俊彦先生
東京女子医科大学客員教授。医学博士。 1日平均約200人もの患者を診る傍ら、 メディアでも精力的に頭痛解消の啓発 を行う。『頭痛女子のトリセツ』 (マガジンハウス)、『頭痛は消える』(ダイヤモンド社)など著書も多数。
美的6月号掲載
撮影/松原敬子 イラスト/Nobby 構成/つつみゆかり
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。