健康・ヘルスケア
2018.7.11

女医に訊く#21|小食なのになかなか痩せないのはどうして?

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ボディラインが気になる季節。ダイエットに励んでいる人も多いのでは? ダイエットをしていると、そんなに食べていないのに、あまり体重が減らないということがあります。いったい何が間違っているのでしょうか?抗加齢医の田路めぐみ先生に伺いました。

 栄養が不足すると体は「省エネモード」に入ります

食事の量をカットしているにもかかわらず、なかなか痩せられないことがあります。その原因のひとつは活動量。せっかく食事を減らしても体を動かさなければ、消費カロリーは摂取カロリーを上回らず、痩せられません。

「また、小食になると、活動に必要な栄養素が絶対的に不足します。特にタンパク質・コレステロール、それらに含まれるミネラル・ビタミン類など、必要な栄養素が入ってこない状態が長く続くと、ホルモンバランスが悪くなったり、体が代謝を落として『省エネモード』に入ってしまったりするため、痩せにくくなります」と田路先生。

特に、女性は食事や生理の影響から、通常でもミネラル不足になりがち。ミネラルが不足すると、疲れやすく活動性が下がり、酵素自体の動きが鈍ってきて、代謝が上手くできなくなります。

「むくみやすい方と寒がりな方は要注意。そもそも日本は鉄分が少ない土壌のうえ、代謝自体が普段から低い“省エネ型”体質の人が多い国なんです。代謝が落ちると物質の移動が滞りやすくなり、むくみ(水分貯留)につながりますから、ミネラルやビタミンををしっかり摂って、体内の循環をよくしていきましょう」

ほかにも、ダイエット中は良質のタンパク質と脂質をしっかり摂る必要があると田路先生は言います。

「ダイエットというと、みなさん脂質をあまり摂りたがらないのですが、少量でいいので油を入れないと、細胞自体の元気がどんどん落ちてきますし、ホルモンもつくれなくなってきます。すると、結果的に代謝が落ちてきて、痩せにくくなってしまうんです」(田路先生)

白米は玄米に、食パンは全粒粉パンにスイッチ

ダイエット中だからと、昼食や夕食をコンビニのおにぎり1個で済ませてはいませんか? 白米や小麦粉、砂糖など、精製されて白い糖質食材は、消化は非常に早いのですが、ミネラル・ビタミンの豊富な部分が取り除かれているため、栄養価が低いのです。また、精製された糖質は食後急激に血糖値を上げて、肥満の原因になります。

「このような栄養バランスが悪く、栄養価が低いものを少量食べても、脂肪を効率よく燃焼することはできません。もちろん、力も出ないし、スタミナもつきませんから、運動しようにも体が動かないし、しても疲れてしまうし、する気も失せてきて、どんどん痩せられない体になってしまうんです」(田路先生)

ご飯やパンを食べたいのなら、同じ糖質でも玄米、雑穀、全粒粉パンなど、色がナチュラルに残っているものがおすすめ。ミネラル・ビタミンに加え、食物繊維も豊富なうえ、血糖値の上昇が緩やかなので、身体への負担も少なく、太りにくいのが特徴です。

「同じ糖質でも、白米や精製した砂糖に比べれば、ジャガイモなどの生鮮食品の方がビタミンが含まれていますし、血糖値も上がりにくい。ただし、イモ類も野菜ジュースも糖質度は意外と高いので、食べすぎないようにしてください」(田路先生)

夜と寝る前の炭水化物は極力控えましょう

「炭水化物を完全にカットするのは、簡単ではありません。炭水化物を完全に抜いてしまうと、代謝の効率も少し落ちてしまいますし、ある程度糖質を摂った方が、脂肪燃焼もまわりやすくなるという側面もあります」と田路先生。

ただし、糖質はたくさん摂れば有害。食べるタイミングや食べ方にも注意が必要です。

「体が飢餓状態の朝や活動している日中は、血糖値が上がってもすぐにそれを燃焼していけますが、夜や寝る前は極力控えること。寝る前に血糖値が上がると、太りやすいだけでなく、自律神経やホルモン系にも悪影響を及ぼします。また、食べたあとはすぐにウォーキングなどで燃やすことも大切。普段から運動習慣を身につけ、筋肉を増やして糖代謝を改善し、燃焼しやすい体にしておきましょう」(田路先生)

おすすめのおやつは茹で卵とミックスナッツ

ダイエット中、もっともキツイのが甘い物の誘惑。仕事の合間にひと息入れたいときや小腹が空いたときは、どんなおやつを食べればいいのでしょう?

「タンパク質やミネラル・ビタミンが多い茹で卵がおすすめ! 一個の卵には、ヒヨコができてしまうくらいの細胞に必要な成分がギュッと詰まっているんです。糖質も少ない(白身はタンパク質、黄身はコレステロール)ので、腹持ちがよく、食べた後に血糖変動しにくい点もポイントです」(田路先生)

ほかにも、ミックスナッツや昆布などのおつまみ系も、ダイエット中のおやつにはぴったり。ただし、塩分やカロリーを摂り過ぎないよう量は控えて。逆に、糖質の多いおせんべいや、チョコ・ケーキ・あんこなどは避けましょう。

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抗加齢医
田路めぐみ先生
形成外科専門医。日本抗加齢医学会専門医。東京大学医学部卒業後、同大学医学部附属病院など複数の臨床病院勤務を経て、2014年より松倉クリニック&メディカルスパ勤務。患者さんの状態やニーズに合わせて柔軟に治療法を選ぶ、総合的な診療を行う。
■松倉クリニック&メディカルスパ http://www.matsukura-clinic.com

文/清瀧流美 撮影/田中麻以(小学館)

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