産後にやさしい「6の骨盤体操」寝ながら、立ったままできる!
出産後、骨盤が緩んだままでいると、「体型が元に戻らない」、「下っ腹が出る」、さらには「尿もれしやすくなる」などの現象に悩まされることも。そこで“産前産後の骨盤アドバイザー”に聞いた「寝ながらできる」骨盤戻しの体操やトレーナーが教える「立ったまま」できる骨盤矯正体操をご紹介します。 ※産後のエクササイズに関しては医師と相談の元行ってください。
産後に「骨盤がゆるむ」理由
出産時には骨盤は最大に開く
女性の骨盤は、妊娠すると“リラキシン”というホルモンが分泌され、恥骨結合(写真の白で囲った部分)と仙腸関節(写真の赤で囲った部分)が徐々にゆるんで骨盤が開いていきます。
これは、赤ちゃんが骨盤の中を通りやすいようにするためで、出産時には最大に開きます。
産後の体型戻し、いつから何する?
「産後直後」からできる体操で骨盤を締める
産後、開いた骨盤を締めるために、産院によっては助産師が骨盤の調整をしてくれるところもあるのでお願いしたり、退院後に骨盤調整をしてくれる整体院を利用するとよいでしょう。
また、骨盤ベルトやガードルを着用するという手段もありますが、何よりも自分自身の筋肉で骨盤をちょうどいい位置に戻す力をつけることが大切です。
\産後すぐにできる“寝ながら”体操を/
「産後すぐ」寝ながらできる2つの体操
【1】うつぶせのお尻締め体操
妊娠中はなかなかできないうつぶせ寝ですが、産後すぐのまだおっぱいが張っていない時期なら無理なくできるでしょう。
「うつぶせになると骨盤がまっすぐになりやすく、お腹も伸びやすくて内蔵もよい位置に戻りやすいので、うつぶせ寝はおすすめです」(小池さん)
<体操のやり方>
【Step.1】うつぶせになり、頭からつま先までまっすぐに伸ばす。
力を抜いたまま、足の親指どうしをくっつける。
【Step.2】親指どうしをくっつけたまま、かかとどうしもくっつける。
このとき、太もも、ひざ、ふくらはぎなどの脚全体を内側に巻き込むようにしながら、お尻を締める感覚を意識する。
さらにキューっと締めてから脱力する。この動きを何度か繰り返しましょう。
【2】あお向けの片足上げ体操
あお向けに寝たままででき、前側の骨盤が締まりやすくなります。
<体操のやり方>
【Step.1】あお向けになり、片足を少し上げる。
【Step.2】息を吐きながら、反対の足のほうに斜めにのばす。
【Step.3】足をおろす。左右ともに何度か繰り返しましょう。
「産後3週間後から」寝ながらできる5つの体操
【1】膝を抱えて引き締め体操
骨盤の下部分に位置する骨盤底筋群は、出産時は伸びきったゴムのようにゆるんでいます。
「骨盤底筋群がゆるんだままだと、尿もれしやすくなったり、入浴時などに膣にお湯が入りやすくなってしまいます」(小池さん)
<体操のやり方>
【Step.1】あお向けになり、足をそろえて、左右のひざとかかとが床と平行になるようにしながら両腕でひざを抱える。
【Step.2】息を大きく吸って骨盤をゆるめる。
【Step.3】息を吐きながら、腕の力でひざを胸のほうに引き寄せて10秒間キープする。
【Step.4】これらの動きを3回繰り返してから、脚の力を抜き、ひざを腕で抱えてストレッチ。
【2】足首交差で引き締め体操
骨盤底筋群を締めて、台形型のどっしりお尻になるのを防ぐ
<体操のやり方>
【Step.1】あお向けになり、足首を持ち上げて交差させる。手は床の上に。
【Step.2】息を大きく吸って骨盤をゆるめる。
【Step.3】息を吐きながら、両足首が互いに押し合うように力を入れる。
【Step.4】交差する足を入れ替えて同様に。左右交互に3回繰り返す。
【3】骨盤底筋群を鍛える体操
<体操のやり方>
【Step.1】体の縦のラインはまっすぐ、横軸は肩や腰のラインが平行になるようにあお向けになる。
【Step.2】足は肩幅くらいに開き、ひざを立てる。手は、手のひらを下にして床に下ろす。
【Step.3】下腹部とお尻に力を入れて骨盤を締め、息を吐きながら腰を上げる。足の裏で床を押し、膣がキュッと締まるのを意識しながら。腰は反らさないように。
【Step.4】一度息を吸い、骨盤を締めたままで息を吐きながら、背骨からゆっくりと床につけるように腰を下ろす。
【Step.5】これらの動きを3~6回繰り返す。※腰を上げるのが辛いときは、ひざをくっつけてみましょう。
【4】骨盤のゆがみをとる体操
骨盤のゆがみをとって内蔵の下垂を防ぎ、お腹のたるみを引きしめます。
<体操のやり方>
【Step.1】うつぶせになり、あごの下で手を組んで、足は少しだけ開く。
【Step.2】左手を腰にあてて、左ひざを直角に曲げる。
【Step.3】左足のかかとを体に引き寄せながら、足を外側に倒す。
【Step.4】続いて、左足を内側に倒す。
【Step.5】これらの外側と内側に倒す動きをリズミカルに行い、それに合わせて左手で腰骨をさする。10回やったら左右を入れ替えて。
【5】抱っこしながらできるハーフロールダウン
赤ちゃんを抱っこしながら、お腹を引き締められる体操です。
<体操のやり方>
【Step.1】腰の後ろにクッションなどを置き、体操座りをして、赤ちゃんを胸の前で横向きに抱っこする。
【Step.2】息を吐きながら上体をゆっくり後ろに倒す。背骨を丸めながら倒していき、腰がクッションについたところでストップ。息を吸いながら上体を戻す。この動きを3回繰り返す。
「立ったまま」できる体操
下腹ぽっこりを解消!骨盤を“立てて締める”
「下腹ポッコリは女性ならではの悩み。出産や体重増加、姿勢の悪さなどから骨盤が開いてゆがむと、内臓が下に落ちてしまってシルエットとして出てしまうのです。
食事制限などでは改善できず、骨盤を立てて締めて整えるしかないんです。内臓が正しい位置に戻ると、血行が良くなり代謝もアップ。早速、骨盤のゆがみチェックから開始!」(波多野さん)
まず、かかと同士をつけて爪先を度に開きます。かかとをつけたまま、爪先立ちをしてみて。
「左右にフラついたら骨盤がゆがんでいる証拠。かかとが離れてしまうなら骨盤が開いています。前後にグラつくなら、骨盤が前傾また は後傾しているサインです。
骨盤は継続して整えないとすぐにゆがんでしまいます。1日1分、1~4のプロセスをセットするだけ。場所も時間も選ばず簡単。早い人は2週間でシルエットの変化を感じますよ」(波多野さん)
<体操のやり方>
【Step.1】かかと同士をつけてまっすぐに立つ
背筋を伸ばして両かかとをつけ、爪先を開いた状態で立ちます。立ち鏡を用意して、肩や首は前に出ていないかなどチェックしながら行って。
【Step.2】両腕を耳の後ろに上げ両手を重ね、息を吸う
耳の後ろで頭を挟むように手をしっかり組みます。その際、手のひらを組まずに重ねて。鼻から空気を3秒かけて吸い込みましょう。
\NG 手のひらは絡めない!/
【Step.3】息を吐きながら真上へ伸び上がる
Step.2の状態で空気を吸い込んだら、爪先立ちをしてできる限り全身を伸ばします。ひざとかかとを離さずに、一気に息を吐いて。
\NG かかとを離さないで!/
【Step.4】息を吐き切ったらそのまま7秒キープ
かかとを上げたまま、息を吐き切って7秒キープ。
「7秒息を止めるのが、いちばん筋肉に効いてエクササイズ効果が高いんです」(波多野さん)
\上体は少し反らして/
痛みを感じる場合は…
すぐに整体師や医師に相談を
痛みがある場合の骨盤体操は、出産時の体の仕組みや産後に尾骨が痛くなる原因を知っている整体師などにみてもらうのがおすすめです。
産後1か月は安静を心がけ、バランスのよい食事とその時期に合う体の動かし方で、徐々に体を回復させていくことが大切。痛みが激しいなど何かトラブルがあったときは、すぐに医師に相談しましょう。
※産後のエクササイズに関しては医師と相談の元行ってください。
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。
女性の一生に寄り添うサロンとして、妊娠前の体づくり、マタニティケア、産後ケア、初潮前ケア、婦人科系トラブル全般のケアを行う。NPO法人日本妊産婦整体協会会員、産前産後の骨盤アドバイザー、マザーズオフィス認定マタニティタッチ(R)プラクティショナー。