【口の老化レベル診断】口の中の状態で見た目年齢が変わる!?
オーラルケアは歯磨きだけだと思っていませんか?噛む力・舌の力・唾液の量・飲み込む力・を意識しないと、お口はみるみる老化し始めてしまいます…。人生100年時代の今、まずはお口の健康が何よりも大事なんです!
キレイで健康的な口元を目指す「オーラルケア」新習慣!
「栗原クリニック東京・日本橋」院長
栗原 毅先生
医学博士。日本肝臓学会専門医。前慶應義塾大学大学院教授。消化器内科、肝臓病や脂肪肝などの生活習慣病の予防と治療に注力。『内臓脂肪がみるみる落ちる すごい歯磨き習慣』(飛鳥新社)ほか著書多数。
体の筋トレをするのと一緒で口にもトレーニングが必要!
コロナ以降、美的世代でも「噛む力」や「飲み込む力」が弱ってきたと感じる人、またフェースラインのくずれが、実は舌の力が弱くなったことが原因の「落ち舌」によるものと気づいた人がオーラルケアに注目し始めています。こうしたトラブルは口の周辺だけにとどまらず、いずれ全身の健康にも影響を及ぼすのが恐ろしいところ。
歯科医の照山裕子先生は「美的世代は幼少期から噛む必要が少ない食生活を送っていた方が多いので、舌で押し返す力や口を閉じる力が弱く、あごが充分に育たないため歯並びが悪くなりがちです。それどころか、現段階でオーラルフレイル (口腔機能の低下)予備軍になっている可能性も高いでしょう」と警鐘を鳴らします。
内科医の栗原 毅先生は「歯を失う原因でもある歯周病は、実は内臓脂肪を増加させる原因のひとつです。内臓脂肪を放置すると高血圧や糖尿病などさまざまな生活習慣病を誘発。そうしたリスクを減らすためにも若いうちからオーラルケアの見直しが必要です」と、内科と歯科の領域にわたる視点からアドバイスをいただきました。
口の健康を保つには虫歯や歯周病の予防だけでなく、口周りの筋肉、唾液などがきちんと機能していることが重要と先生方は話します。「まずは“うがい”を見直すだけでもだいぶ違います」と照山先生。今日から毎日の歯磨き習慣で美容と健康のステージを、アップデートしましょう。
Check 1|口腔機能の低下で起こる健康と美容のリスクとは…
「虫歯菌や歯周病菌といったバイ菌を放っておくと、口の中の毛細血管から、無菌のはずの血液中にバイ菌が入り込みます。この状態を“歯原性菌血症”と呼び、脳梗塞、動脈硬化、がんなど、さまざまな疾患の発症リスクに関与する可能性が」(照山先生)
【口の中のバイ菌侵入2ルート】
ひとつは歯周ポケットの炎症部位にある毛細血管内から虫歯菌や歯周病菌といったバイ菌が侵入し、血液を介して全身へ回るルート①。もうひとつは、これまでは胃酸で死滅すると考えられていたバイ菌の一部が、食道や胃を通過して生きて腸まで到達するルート②。腸内細菌の状態に変化を与えて、さまざまな疾病に悪影響を及ぼす。
Check 2|歯周病は内臓脂肪をため込みやすい!
「口の中で歯周病菌が生じると炎症物質が全身に回り、血糖値を一定に保ってくれるインスリンの働きを阻害します。それが原因で血糖値が上昇して肝臓に中性脂肪がたまり、太りやすい体質に。さらに進行して脂肪肝を放置すると、やせないどころか糖尿病を発症するリスクまで高まる負のスパイラルに」(栗原先生)
Check 3|「4つの口の力」を意識したオーラルケアが必要だった!
「食べ物の入り口である口は命に直結しています。そのために歯の本数を保つことも重要ですが、噛み切る力、充分な唾液量、食べ物をまとめて飲み込む舌やのどの筋肉といった口全体の機能、つまり“4つの口の力”を鍛えることが健康を支える土台となるのです」(照山先生)
数値化しづらい「噛む力」をグミでチェックしよう!
お好みのグミを一粒口に入れて、何回噛んで飲み込むか数えてください。30回より少ない回数で飲み込んでいれば、「あまり噛むことができていない」という目安になります。
あなたの口の中の状態を診断します!
ここからは、「口の老化レベル」をセルフチェックできる照山裕子先生監修の診断テストになります。正しい知識と対策法の参考に!質問は10個あり当てはまる数で老化レベルがわかるので、カウントしながら最後まで進めてくださいね。
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『美的』2024年12月号掲載
イラスト/ツルモトマイ 構成/宮田典子、有田智子 WEB再編集/多喜景子
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。
東京科学大学非常勤講師(顎顔面補綴外来)。日本大学歯学部卒業、同大学院歯学研究科にて博士号取得。『“食べる力”を落とさない!新しい歯のトリセツ』(日経BP)ほか著書多数。メディアでの解説も定評あり。