にきび跡をキレイに消す方法は?にきび跡治療の種類やデメリットを美容皮膚科医が解説!【教えてドクター#10】
肌に残るガンコなにきび跡。凹んだり、膨らんだりしているにきび跡をキレイに消すには、どうしたらいいのでしょう? 美容皮膚科医の山田麻友先生に教えていただきました。
にきび跡はどうしてできるの?
去年できたにきびの跡が頬に残ってしまい、悩んでいます……。
「にきび跡には大きく分けて、萎縮性瘢痕(いしゅくせいはんこん)といわれる凹んでいるタイプと、肥厚性瘢痕(ひこうせいはんこん)といわれる膨らんでいるタイプ、色素沈着しているタイプの3つがあり、にきび跡の約6割が萎縮性瘢痕だといわれています」(山田先生)
そういえば、わたしのにきび跡も凹んでいます! そもそもにきび跡ってどうしてできるんですか?
「にきびの炎症により肌のコラーゲン生成が落ちると、それを修復しようとしてまたコラーゲンが生成されます。その際、コラーゲンの産生が不十分だとにきびの跡が凹んでしまい、産生が過剰だと逆に膨らんでしまうのです」(山田先生)
萎縮性瘢痕には、アイスピック、ローリング、ボックスカーという種類があり、それぞれ治療が異なります。
【萎縮性瘢痕の治療法】
1.アイスピック
アイスピックのような先細り型の天井瘢痕。直径は3mm未満で、真皮深層や皮下脂肪組織に及ぶ。治療法は、浅いものは「クリスタルピーリング」や「ミルクピール」、深いものは「フラクセルレーザー」など。
2.ローリング
皮下の索状膠原線維によりけん引されて広くなだらかな凹み。直径は3mm以上で、比較的浅め。治療法は、コラーゲン生成系の注射や「クリスタルピーリング」、「フラクセルレーザー」、「ダーマペン」など。
3.ボックスカー
垂直に陥没した四角い凹み。直径は1.5~4mmくらい。治療法は、浅いものは「クリスタルピーリング」や「フラクセルレーザー」や「ダーマペン」、深いものは「フラクセルレーザー」や「ダーマペン」など。
にきび跡はキレイに消える?
にきび程度でお医者さんに行くのはどうなの? って思ってしまうのですが……。
「にきびの炎症が強くなると、色素沈着やにきびの凹みが出る確率は上がります。にきびができたら、まずは皮膚科に行ってにきびを治療し、にきび跡ができないようにするのが重要! その上で、皮膚科でもカバーできないにきび跡などは、自由診療を組み合わせて治していくのがいいと思いますよ」(山田先生)
できてしまったにきび跡でも消えるんですか?
「一度傷ついてしまっているため、ほかの肌とまったく同じにするのは難しいですが、できるだけ元の肌に戻すような治療になります」(山田先生)
にきび跡の治療には、組織修復、ピーリング、注入の3つの方法があり、組織修復には、フラクセルレーザーとダーマペンを用いた治療があります。
【にきび跡の主な治療法】
1.フラクセルレーザー
レーザーで皮膚表面にミクロ単位の穴を開け、組織修復→コラーゲン再生→古い組織の削除を促す治療法。1回の治療で10%前後の皮膚が入れ替わるため、5〜10回の施術が必要。赤みや腫れ、乾燥、熱感、痛み、色素沈着などが一時的な反応として生じ、数日残る可能性がある。
2.ダーマペン
複数の極細針を装着したペン状の器具で真皮層に微細な穴を開け、創傷治癒効果により皮膚の再生や活性化を促す治療法。赤みや腫れ、痛み、熱感、皮むけ、内出血などが一時的な反応として生じ、数日残る可能性がある。
「ダーマペンのダウンタイムは、針の長さにもよりますが2~3日、長くて5日ほど。ダーマペンよりもフラクセルレーザーの方が効果は高いのですが、フラクセルレーザーの方が痛くて、色素沈着も起こりやすいです」(山田先生)
ピーリング治療の種類や副作用は?
ピーリング治療って、どれくらいの頻度で行うのですか?
「基本的には1か月に1回くらいをおすすめしています。ピーリングをするとにきびができにくくなるので、予防のためにやっている方もいますよ」(山田先生)
ピーリング治療には、どのような種類がありますか? 痛くないですか?
「当院のピーリング治療には、クリスタルピーリング、ミルクピール、マッサージピールなどがあります。肌に負担が少ないものもありますが、基本的にピーリングは刺激が強いので、肌がものすごく弱い方や薄い方、お化粧品で肌が荒れやすい方などにはおすすめしません」(山田先生)
【ピーリング治療の主な種類】
1.クリスタルピーリング
ザラザラした微粒子を吹きかけ、同時に吸引することで皮膚表面の古い角質を物理的に削るようなピーリング。凹凸タイプのにきび跡に効果的。若干のヒリヒリ感や赤みが生じても数時間で消失するが、肝斑がある人は刺激になるため不向き。
2.ミルクピール
グリコール酸、乳酸、サリチル酸を配合した液状のケミカルピーリング。古い角質を除去しながらコラーゲン生成を促進。凹凸タイプのにきび跡に効果的。赤みや乾燥、吹き出物、痒み、痛み、皮剥けなどが一時的な反応として生じ、数日残る可能性がある。
3.マッサージピール
過酸化水素、トリクロロ酢酸、コウジ酸配合のケミカルピーリング。有効成分が表皮を剥離させずに真皮層まで浸透し、コラーゲン生成を促進。美白・角質除去効果もあるため、凹凸タイプ、茶色タイプのにきび跡に効果的。赤みや乾燥、吹き出物、痒み、痛み、皮剥けなどが一時的な反応として生じ、数日残る可能性がある。
注入治療の種類や副作用は?
注入治療とはどのような治療法ですか?
「陥没部位に萎縮しているところを注射で剥離しながら、コラーゲンを生成してくれるような液体を注入する治療法。にきび跡治療には、以下の3つの注入治療が行われます」(山田先生)
【にきび跡に効果的な注入治療の種類】
1.リジュラン注射
サーモン注射とも呼ばれるサーモンのDNAから取った成分を注入する治療法。コラーゲンの生成を促して皮膚を再生するため、赤みタイプ、凹凸タイプのにきび跡に効果的。注射の単体の場合は、2〜3週毎に計4回の治療がおすすめ。治療直後、赤みや膨隆・腫脹、注射による施術のため出血や一部に内出血が起きることがある。ダーマペンでも注入可能。
2.プロファイロ(PROFHILO®)
非架橋の高分子と低分子のヒアルロン酸を配合。コラーゲンやエラスチンの生成を促し、脂肪細胞を活性化して肌の土台から再構築を図るため、赤みタイプ、凹凸タイプのにきび跡に効果的。効果が持続しやすいため、半年毎に計2回の治療がおすすめ。治療直後、赤みや膨隆・腫脹、注射による施術のため出血や一部に内出血が起きることがある。
3.フィロルガ注射
超高濃度非架橋ヒアルロン酸、12種類のビタミン、24種類のアミノ酸、6種類のミネラル、5種類のヌクレオチド、6種類のコエンザイム、2種類の抗酸化成分など、55種類の美容成分を贅沢に配合。 2~3週間毎に計5回の治療がおすすめ。治療直後、赤みや膨隆・腫脹、注射による施術のため出血や一部に内出血が起きることがある。ダーマペンでも注入可能。
「注入治療はフラクセルレーザーと同時に施術できます。同日に行えば、相乗効果でにきび跡を満遍なく治療できます」(山田先生)
色素沈着の治療法は?
色素沈着はどのように治療するのですか?
「色素沈着に関しては、シミと同じで通常は3~6か月で治ることがほとんどです。この期間にハイドロキノンを塗ったり、トラネキサム酸を飲んだりするのは有効かなと思います。半年を過ぎても消えない場合は、Qスイッチヤグレーザーやルビーレーザーで治療します」(山田先生)
にきび跡の治療は難しく、治療方法もたくさんあります。自己流で解決しようとせずに、まずは専門医に相談してみましょう!
シミを消すにはどうしたらいい?レーザー治療と光治療のダウンタイムやメリット・デメリットを美容皮膚科医が解説!
タトゥーを消すにはどうしたらいい?タトゥー除去治療のダウンタイムや費用・デメリットを美容皮膚科医が解説!
肉割れ・妊娠線を消す方法は?レーザー治療のダウンタイムや費用・デメリットを美容皮膚科医が解説!
文/清瀧流美 ※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。
シロノクリニック恵比寿院 医師。サーマクール認定医。ウルセラ認定医。ボトックス認定医。帝京大学医学部卒業後、慶応義塾大学病院(消化器内科)、済生会中央病院勤務を経て、シロノクリニック入職。「痛みをできる限り軽減し、ナチュラルに美しく」をモットーに、一人ひとりに合わせた最適な治療を提案している。