健康・ヘルスケア
2023.8.3

【保存版】「プレコンセプションケア」って何? パートナーと一緒に!必要な検査やワクチンを受けよう!

スプーン1杯の量で女性の一生の肌、心、体を大きくつかさどるといわれる女性ホルモン。女性特有の病気、妊活、メンタルの不調など…将来のライフプランを立てる際に欠かせないのが女性ホルモンの知識です。その働きをお届けします!

今話題のプレコンセプションケアって何??

Q.美的クラブに聞きました!「プレコンセプションケア」について知っていますか?

子供を望む人だけでなく女性の健康に必要なケア

美的世代の9割以上が「まだ知らない」と答えたプレコンセプションケア。「妊娠可能年齢にあるすべての女性に必要なケア」と、国立成育医療研究センター母性内科診療部長の荒田尚子先生は話します。

「プレコンセプションケアは、簡単にいうと『妊娠前のヘルスケア』です。やせている女性が増えたことや、出産年齢の高齢化などから、ハイリスクの妊婦が増加しています。若いうちから生活習慣や体の状態を管理することは、元気な赤ちゃんを授かるチャンスを増やすだけでなく、生まれてくる子供たちの将来の健康にもつながります。また“若い世代の男女が将来、より健康になること”もプレコンセプションケアの目的のひとつ。妊娠を予定している人だけでなく、若い男女の健康管理にとって大事なケアと考えてほしいです」(荒田先生)

まずは今の自分を知ること、健康や妊娠・出産に関して正しい知識を得ることのふたつが大事だとアドバイス。

「その上で、生活習慣の改善や、定期検診の受診など自分に必要なケアを行いましょう。また、年齢を重ねる程、妊娠率が低下することは知っておいてほしい知識のひとつ。今の自分に必要な知識や情報を得て、これからの人生を考えるきっかけにしてみて」(荒田先生)

パートナーと一緒に!必要な検査やワクチンを受けよう!

「性感染症や風疹など、妊娠中にかかると赤ちゃんに影響を与える病気には充分な注意が必要です。ワクチンで防げる病気は必ず接種して、リスクを減らしましょう。パートナーから感染する可能性もあるので、女性だけでなく男性の検査やワクチン接種も大事です。また、子宮頸がんは若い女性が命を落とす危険性のある病気。早期発見のためにも定期検診を」(荒田先生)

男女ともに受ける検査&ワクチン

性感染症の検査|不妊の原因に! 男女ともに検査してピンポン感染を防いで!


性感染症の中でも、性器クラミジアは放置すると不妊の原因に。男女ともに検査を受け、パートナー間のピンポン感染を防いで。近年、急増している梅毒にも注意。特に20代の女性が多く、妊婦が感染すると胎児にも影響が。全国の保健所では、無料かつ匿名で性感染症の検査、相談ができる。

女性が受ける検査&ワクチン

子宮頸がん検診|毎年、約3,000人が亡くなる子宮頸がん。20〜30代女性の罹患率が増加中!

子宮頸がんは子宮の入り口にできるがんで、20代から感染リスクが増える。原因のほとんどがヒトパピローマウイルス(HPV)によるもの。誰でもかかる可能性があるので、早期発見のため年に1度は検診を。市区町村で実施する子宮頸がん検診なら、無料(一部自己負担)で受けることが可能。

女性ホルモンを味方に!今日から始める4つの生活習慣ケア

体と心の変化を記録して自分のパターンを知る

「生理周期と併せて、体調やメンタルのアップダウンを記録してみましょう。最低3か月記録すると、体と心の変化のパターンがわかるように。PMSが起こる前はゆっくり睡眠をとって休むなど、先回りしてケアできると気持ちもラクになるはずです。生理管理アプリなどのフェムテックもうまく活用して」(竹元先生)

生理周期や症状の記録がとれるようになったら、次は基礎体温も測ってみましょう。

生理管理アプリと連携して、基礎体温を自動で記録できる婦人用電子体温計もあります。これらの情報をもって婦人科を受診すると、より健康管理の方針が立てやすくなります。

【1】生理ケアマネジメント

生理管理アプリのリマインダー機能や自分の体調変化がわかるグラフ機能を活用して、痛みや不調をケア!

【2】睡眠

7時間睡眠で疲労をしっかりとる!
「寝不足は女性ホルモンの分泌に影響を与える可能性があります。さらにPMSの症状悪化につながることも。質の良い睡眠をとるためには、寝る前のカフェインやアルコールは控えて」(竹元先生)

「7時間睡眠を目安にゆっくり休みましょう。PMSの症状がある人は、生理前に予定を詰め込まないで、睡眠や休息の時間を多くとれるよう調整して」(柴田先生)

【3】運動

有酸素運動やストレッチを習慣に。まずはテレビ体操から!

「定期的な有酸素運動は、生理痛やPMSなどの生理トラブルの予防に効果的です。生理期間でつらい時期は無理する必要はありませんが、体調が良いときはウォーキングやジョギング、ヨガ、水泳などにチャレンジしてみましょう。ストレッチでもOKです!」(柴田先生)

運動習慣のない人は、まずはテレビ体操から始めてみては? わずか5分で有酸素運動とストレッチの要素を兼ね備えているので、一石二鳥です!

【4】食事

主食・副菜・主菜・乳製品・果物をそろえてバランス良く!
\肉や野菜をまんべんなく!/

「若い人の中には、炭水化物を食べなかったり、たんぱく質が不足していたりなど、偏った食生活を送っている人も。主食・副菜・主菜・乳製品・果物の5つのグループを意識すると、カルシウムやビタミンなど必要な栄養素をバランス良くとることができます。妊娠を希望する人は、妊娠の1か月以上前から葉酸の摂取を。貧血予防のほか、赤ちゃんの障害の発症リスクを下げてくれます」(荒田先生)

淀川キリスト教病院 産婦人科医長

柴田 綾子先生

sowaka women’s health clinic 院長

竹元 葉先生

国立研究開発法人 国立成育医療研究センター 周産期・母性診療センター 母性内科診療部長

荒田 尚子先生

 

『美的』2023年5月号掲載
イラスト/本田佳代、きくちりえ 構成/青山貴子、 大瀧亜由美、有田智子

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

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