健康・ヘルスケア
2023.7.31

冷たい飲み物や食べ物で体温を下げたほうが寝つきはよくなるってホント?真相を専門家に直撃!【美容の常識ウソ?ホント?】

日常生活で生まれる美容や女性のライフスタイルの疑問を医師や専門家に答えてもらうこのコーナー。今回は「夏の睡眠」について。冷たい飲み物や食べ物で体温を下げたほうが寝つきはよくなるってホント? 医師の石原新菜先生とマンダムの根岸沙英さんにお話を伺いました。

Q:冷たい飲み物や食べ物で体温を下げたほうが寝つきはよくなるってホント?

暑さから寝る前に冷たい飲み物やアイスを食べるなんて習慣がある人もいるかもしれません。人は深部体温が下がることで入眠しやすくなると言われているので、実はそれは理に叶った行動なのでは? ということで、冷たい飲み物や食べ物で体温を下げたほうが寝つきはよくなるってホント? さっそく、この疑問を医師の石原新菜先生とマンダムの根岸沙英さんに聞いてみました。

A:ウソ

「深部体温が下がったときに寝つきやすいというのはありますが、胃腸を冷やすのは逆効果になってしまうので注意してください」(石原新菜先生・以下「」内同)

“お腹を冷やすと良くない”はホント

「深部体温は自然と下がり、眠りにつくもので、入浴で温まってから1時間くらいで下がります。そのタイミングでない場合は冷たいもので下げるというのもひとつの方法と考えるかもしれませんが、入浴後1時間を越えても、すでに深部体温が下がった状態であればそれ以下に下がるものではありません。女性は特に冷えやすい人も多いので、冷たい飲み物や食べ物で胃腸を冷やすのはおすすめできません。お腹が冷えることで交感神経が優位になってしまうこともありますし、睡眠中に腸が活動することで眠りが浅くなってしまう可能性もあります。体調は人それぞれなので、暑がりの人などはその方法が体に合う人もいるかもしれませんが、通常は睡眠中や眠る前も体を冷やす行動は控えたほうが良いでしょう。とはいえ、最近の夏は特に暑いので水分は必要です。冷たいものが必要な場合は、口に含む時間を長くし、ゆっくりと飲むようにして内臓への負担を和らげるようにしましょう」

暑い夜でも温かいハーブティーを飲むほうがいい?

「寝ている間にコップ1杯分程度の汗をかくので、水分を摂るのは良いです。そして、冷えやすい人は夏でも温かい飲み物のほうが良いと思いますが、そうでない人は暑い夜に無理に温かい飲み物を飲むことにこだわらなくても大丈夫です。水分補給は常温でもOKです。ただ、暑い夜は冷房などで部屋の中を冷やしている場合も多く、冷えている環境であれば温かいハーブティーはおすすめです。冷え性の人は特に体を温めたほうがいいので、寝る前でも温かい飲み物を飲むと良いでしょう」

「女性は体が冷えやすいと言いますから、冷たいもので直接体を冷やす行動は避けたいところです。マンダムでは感覚センサーの研究をしており、温度は下げずに涼しさを感じる研究をしています。ミントタブレットなどを口に含んでから水を飲むと冷たく感じるという経験をしたことがある人もいると思いますが、まさにその現象です。“体を冷やしたくないから常温の飲み物を飲みたい”というときや、温かいハーブティーを飲むときもミントを入れるとスッキリ飲むことができます。同室の人と室内の温度設定でもめることがあれば、暑がりの人にクール商品を使っていただけるといいかもしれません」(根岸さん)

就寝前にストレッチをしたほうが入眠しやすい?

「ストレッチは凝り固まっている部分をほぐしたり、血流も良くなるのでよい習慣です。体の疲れを取り、リラックスした状態になることも寝つきを良くするポイントになります。逆に入眠の妨げになるのは光です。布団までスマホを持ち込んで、寝るまで見ていたり、テレビや電気の光も気をつけて欲しいです。寝る直前まで光を浴びていると、夜間であってもメラトニン分泌量が低下します。メラトニンは覚醒と睡眠を切り替え、自然な眠りを誘う作用がある“睡眠ホルモン”とも言われるホルモンなので、その分泌を抑制してしまってはよく眠れませんよね。寝つきが悪いな~と感じている人は、寝る前の光にも気をつけてみてください」(石原新菜先生・以下「」内同)

呼吸で睡眠モードに変える

「眠っているときは腹式呼吸をしています。そのため、眠るときは意識的に腹式呼吸に切り替えるというのも寝つきをよくする方法のひとつです。交感神経が働いていると、どうしても呼吸が浅くなりがちで、入眠しにくくなってしまいます。意識して呼吸から変えることで副交感神経にチェンジできれば、体もおやすみモードになり、スッと眠りに入ることができるでしょう。呼吸の仕方ひとつでできることなので、ぜひ試してみてください」

良い睡眠が取れているかチェック!

「よく眠れていれば、朝の目覚めもスッキリしていますし、食後を除けば、日中眠くなることもないと思うので、このふたつがチェックポイントになります。一度で起きれず二度寝をしてしまったり、日中だるくて仕事が捗らないというようなことがあれば睡眠不足の可能性が高いです。睡眠不足の日は体がなんとなく火照ったりすることがありますが、それは交感神経から副交感神経に切り替わろうとしているサインです。そういうときは無理せず、可能であれば15分でも睡眠を取るとパフォーマンスを保つことができると思います」

  • 朝スッキリ目覚められる
  • 日中眠くならない

寝落ちは良くない?

「寝落ちは完全に疲れているサインです。究極に寝不足の日が続くと、立ったままでも眠れるくらいなので、そのくらい疲れているということだと考えてください。寝不足の自覚がない人も多いので、寝落ちをするようならご自身の睡眠時間を見直してみましょう。睡眠時間は長くても短くても認知症になりやすいというデータもありますので、やはり6~7時間の睡眠時間を確保するのがベストと言えます」

医師
イシハラクリニック 副院長/健康ソムリエ講師

石原新菜

株式会社マンダム
広報部 主任

根岸沙英

文/土屋美緒

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

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