食・レシピ
2017.10.7

食べ過ぎや血糖値の抑制効果も!食欲の秋こそ「もち麦ファースト」を

“もち麦ファースト”という言葉を知っていますか? 今、健康に近づける食品として“もち麦”に注目が集まっています。

このたび筆者は、『もち麦の健康効果新エビデンスを発表!今専門家が薦める正しい食事法“もち麦ファースト”啓発セミナー・実践レシピ試食会』に参加してきました。

セミナーでは、大妻女子大学家政学部の青江誠一郎先生が“もち麦ファーストのすすめ〜もち麦の機能性〜”というテーマで、もち麦の機能と健康効果について、最新のエビデンスを用いて解説。ここでは、その内容をご紹介します。

 

「もち麦ファースト」って?

“もち麦ファースト”とはその名前の通り、朝食(1日のはじめ=ファースト・ミール)にもち麦を食べること。もち麦には水溶性食物繊維である“β-グルカン”が豊富に含まれていて、青江先生によると、朝食で摂ることにより次のようなメリットがあるそうです。

(1)時計遺伝子をリセットして食事のリズムをつくる

(2)朝食の“セカンドミール効果”により昼食時の血糖上昇を抑制(昆布やゴボウなどの水溶性食物繊維と組み合わせると効果が増強します)

また、食事のはじめ(ファースト・インテイク)に食べることで、下記のような効果も期待できます。

(1)胃内滞留時間が延長するので腹持ちがよくなり、満腹感が持続

(2)満腹感が増し、食べ過ぎを抑制

(3)朝食の“セカンドミール効果”により昼食時の食べ過ぎを抑制(大豆などのたんぱく質を多く含む食品と組み合わせると効果が増強します)

そんなメリットの多い“もち麦ファースト”ですが、もち麦自体にはどんな機能性があるのでしょうか?

 

「もち麦」は水溶性食物繊維を多く摂取できる

水溶性食物繊維には、血糖値上昇を抑えたり便秘を解消する効果があるとされていますが、摂取することが難しく、食生活での努力が必要な成分です。上は水溶性食物繊維の多い食品ランキングですが、単位が“100gあたり”になっていることに注目してください。

「100gあたりの水溶性食物繊維が多い1位は“らっきょう”という結果になっていますが、100gのらっきょうを一度に食べるのはハードルが高いでしょう。

同じく2位エシャロットや3位かんぴょう(乾)も現実的に一度に多く摂取するのは少し難しいですよね。それらに比べて6位の大麦は一度に100g食べるのも難しくはないので、水溶性食物繊維を効率よく摂取できる手段といえるでしょう」(青江さん・以下「」内同)

こちらは、水溶性食物繊維を1回あたりの食事で多く摂取できる食品一覧です。

「特に主食としてもおいしく食べることのできる大麦(もち麦)は、優秀な食品であるといえます」

 

消化管から全身にまではたらく「もち麦」の魅力

胃から腸への移動速度がゆっくりなことから、食べ過ぎの抑制につながったり、胆汁酸の再吸収を抑え、コレステロール低減に効果があるなど、もち麦は消化管から全身にまで、様々なはたらきをします。

具体的に見ていきましょう。

(1)血清コレステロール濃度の正常化

日本人を対象に、もち麦と白米をそれぞれ摂取した際の血清コレステロール値を比較したところ、もち麦のほうがコレステロールを抑えられているという結果が出ました。

(2)食後の血糖上昇抑制

食品の機能性評価事業を実施している公益財団法人日本健康・栄養食品協会は、2013年3月、大麦由来β-グルカンの“血中コレステロール正常化”、“食後血糖値の上昇抑制”、“満腹感の維持”作用について、いずれも「機能性について肯定的な根拠がある」と認めました。

 

どのように「もち麦」を取り入れたらよい?

青江先生は、まず朝食と夕食の主食としてもち麦を食べることをオススメしています。朝と夜にもち麦を摂取することで、その日の昼食と翌日の朝食での血糖値をコントロールすることができ、十分な健康効果が期待できるからです。

また、不溶性食物繊維もバランスよく摂取することがポイントとのこと。

「不溶性食物繊維には、排便を促す作用や、腸内の有害物質を体外へと排出させる働きがあると考えられています。ですので、水溶性食物繊維と一緒に摂ることで腸内環境をさらに改善できるでしょう。豆類やキノコ類は不溶性食物繊維を豊富に含んでいます」

さらに腸内細菌叢(腸内最近の集まり)の改善には、種類の異なる水溶性食物繊維を摂取することも重要とのこと。

「それには昆布やごぼうがよいでしょう。 また、食物繊維だけでなく、カロリーの低い豆や鶏肉などのたんぱく質も積極的に摂取してください。もち麦ごはんと一緒に、みそ汁や主菜、副菜といった様々な食材を組み合わせると、腸の働きを促進してくれますよ」

 

食生活に“もち麦”を取り入れるだけで、食べ過ぎ抑制、コレステロールのコントロール、腸内環境改善など、嬉しい効果が期待できそうですね。食欲の秋は、ぜひ“もち麦ファースト”を試してみてはいかがでしょう?

 

初出:美レンジャー  ライター:前濱瞳

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

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