食・レシピ
2023.6.17

酢豚はダイエットに効果的?カロリーや栄養素を解説

高カロリーでダイエット中には不向きなイメージのある酢豚。しかし食材の選び方や、調理方法、食べ方を工夫すれば、ダイエット中であっても低カロリーに楽しめます。この記事では、酢豚のカロリーと含まれる栄養素、ダイエットに適した酢豚を作るポイントを紹介します。

酢豚のカロリーと糖質量は?

カロリーが高いイメージのある酢豚ですが、実際のカロリーはどれくらいでしょうか。酢豚のカロリーは使用する材料や分量によって異なりますが、ここでは「日本食品標準成分表2020年版」の数値をみていきます。

酢豚100gあたり
・エネルギー(カロリー):77kcal
・糖質:7.7g

酢豚のカロリーは他の惣菜に比べて高くなく、糖質量も特に多くありません。ただし食べすぎると、摂取カロリーは当然高くなります。さらに肉などのカロリーの高い材料を多く使った場合は、ここで示した数値よりも脂質が増え、カロリーも高くなるでしょう。

料理100gあたり

料理の種類 エネルギー(kcal) 糖質(g) 脂質(g)
酢豚 77 7.7 3.1
八宝菜 64 4.0 2.9
麻婆豆腐 104 4.1 6.4
餃子 209 23.3 10.0
筑前煮 85 8.8 3.3
肉じゃが 78 12.5 1.1
アジの南蛮漬け 109 7.5 5.6

また、ダイエット中は食事全体でのカロリーにも注意が必要です。酢豚は味つけがしっかりしているため、ついご飯を食べすぎたり、ビールなどのお酒を飲みすぎたりしがちです。酢豚だけでなく、一緒に摂取するものによるカロリーオーバーにも気をつけましょう。

また、カロリーの高い揚げ物や餃子などとの組み合わせもできるだけ避けたいところです。油を使う料理は、1食1品までにするのがおすすめです。もし油の多い料理が重なった場合は、次の食事では煮物や蒸し物などの油の少ない料理を選び、1日の中で調整しましょう。

出典:文部科学省|日本食品標準成分表2020年版(八訂)

酢豚の栄養素と4つの健康効果

酢豚には肉や野菜など多くの食材が使われ、含まれる栄養素もさまざまです。ここでは酢豚の材料に含まれる代表的な栄養素と、健康面で期待できる効果について紹介します。

酢豚100gに含まれる栄養素
・たんぱく質:4.0g
・脂質:3.1g
・ビタミンB1:0.17mg
・ビタミンB6:0.10mg
・ビタミンC:4mg

出典:日本食品標準成分表2020年版(八訂)

1.豚肉による疲労回復効果

疲労から回復するには、体内に十分なエネルギーが必要です。豚肉にはビタミンB1が豊富に含まれ、糖質の代謝を助け、エネルギーに変換するのに役立ちます。

さらに、玉ねぎから摂取できる「アリシン」という成分は、豚肉に含まれるビタミンB1の吸収を助ける働きがあります。酢豚で豚肉と玉ねぎを一緒にとることは、糖質を効率よくエネルギーに変えるのに役立つといえるでしょう。

2.野菜のビタミンCによる美肌効果

ピーマンやパプリカは、野菜の中でも特にビタミンCを豊富に含みます。ビタミンCは、肌の土台となるコラーゲンを作るのに欠かせない栄養素です。また抗酸化作用があり、活性酸素による肌の老化を防いでいます。

さらに、メラニン色素の生成を抑える働きも知られており、日焼けやシミを予防するのに役立つとされています。

3.玉ねぎによる代謝促進効果

玉ねぎに含まれるビタミンB6は、たんぱく質の代謝を助ける働きがあります。体内のたんぱく質は分解と合成を繰り返し、常に新しい組織に入れ替わっています。ビタミンB6は、たんぱく質の分解と合成の両方の過程に関わる栄養素です。

また、たんぱく質が分解されてできるアミノ酸は、体内でエネルギー源としても使われます。先ほど解説したアリシンと合わせて、摂取したたんぱく質や糖質からエネルギーを作り出すのを助けています。

4.パイナップルによる消化促進効果

パイナップルに含まれるクエン酸には、胃酸の分泌を助け、食べ物の消化を促す働きがあります。また、パイナップルには「ブロメライン」という消化酵素も含まれています。たんぱく質に働きかけ、お肉を軟らかく分解し、消化しやすくする働きがあります。

ブロメラインは、加熱すると消化酵素としての働きを失います。酵素の働きを期待する場合は、調理の最後に生で入れるとよいでしょう。

ダイエット中に酢豚を食べるときのポイント4つ

酢豚には肉が多く入っているだけでなく、料理にも油を多く使うことから、ダイエット中には不向きなイメージがあるでしょう。しかし、カロリーが高くならないように工夫すれば、むしろダイエットに役立つバランスの良い料理になります。

ここでは、ダイエット中に酢豚を食べる場合のポイントを4つ紹介します。

1.野菜でかさ増しする

食事の量を確保しながらカロリーを抑えるため、野菜を多く入れ、かさを増やすのがおすすめです。にんじん、玉ねぎ、ピーマンやパプリカ、たけのこなど、食べごたえのある野菜をたっぷり加えてみましょう。

野菜は大きめに切って、よく噛んで食べるようにすると、よりダイエットに役立ちます。よく噛むことで満腹感が増すだけでなく、食後のエネルギー消費も高められます。

たくさん食べたいからといって肉を増やすと、カロリーが高くなってしまいます。とはいえ、肉に含まれるたんぱく質は筋肉量を維持するのに大切であるため、ダイエット中にもしっかりとりたい栄養素です。肉は1人分に手のひら1枚分、約80~100g程度を目安にし、それ以上の使用は控えると良いでしょう。

2.赤身肉で作る

酢豚にはロースや肩ロース、バラなどの部位がよく使われます。特にバラ肉は脂質が多く、カロリーも高いのが特徴です。

ダイエットに適した酢豚にするには、脂質の少ないモモなどの赤身肉を使うのがおすすめです。他の部位を使う場合は、脂身を除くとカロリーが抑えられます。

また、肉類の中では鶏肉が最も低カロリーです。豚肉の代わりに鶏肉を使い「酢鶏」にするのも一手です。

肉のカロリーと脂質(可食部100gあたり)

部位 エネルギー(kcal) 脂質(g)
豚肩(脂身つき) 201 14.0
豚肩(脂身を除く) 158 8.8
豚肩ロース(脂身つき) 237 18.4
豚肩ロース(脂身を除く) 212 15.2
豚ロース(脂身つき) 248 18.5
豚ロース(脂身を除く) 190 11.3
豚バラ(脂身つき) 366 34.9
豚モモ(脂身つき) 171 9.5
豚モモ(脂身を除く) 138 5.4
鶏モモ(皮あり) 190 13.5
鶏モモ(皮なし) 113 4.3
鶏ムネ(皮あり) 133 5.5
鶏ムネ(皮なし) 105 1.9

出典:文部科学省|日本食品標準成分表2020年版(八訂)

3.餡を食べ過ぎないようにする

餡は味つけのために砂糖やみりん、とろみをつけるために片栗粉が含まれています。これらはどれも糖質を含むため、餡には意外にカロリーがあります。餡を食べ過ぎないようにすることで、カロリーの摂取を控えられます。

4.調理中の油を控える

酢豚は本来、材料をすべて素揚げしてから炒め合わせて作ります。すべての具材に油が染み込むため、カロリーが高くなりやすい料理です。

揚げる工程を省くと、材料につく油の量が減り、カロリーを抑えられます。肉はフライパンで、カリッと焼き目がつくまで焼くのがおすすめです。野菜はそのまま炒めてもかまいませんが、レンジで加熱してからさっと炒めると炒め時間が短くて済みます。

工夫しながらダイエット中も酢豚を楽しもう

酢豚は油を多く使うことから、高カロリーでダイエット中には食べてはいけない料理と思われがちです。しかし、脂質が増えないようにポイントを押さえて調理すれば、低カロリーで食べごたえのある一品になります。具材の量や組み合わせ方、調理の方法を工夫して、ダイエット中にも酢豚を楽しみましょう。

管理栄養士

成松 由佳

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

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