食・レシピ
2023.6.27

ハムの「糖質」と「栄養」まとめ|ダイエット・美容への取り入れ方

ハムはもともと豚のもも肉を意味しており、非加熱の生ハムが多く加熱したものはあまりなかったといわれていますが、日本ではさまざまな部位の加工品もハムとして売られ、加熱されたものも多く見られます。

そのままでも食べられる手軽さから、サンドイッチやサラダ、スープの具材からハムカツのようにハムをメインにしたおかずまで活用の幅が広く、扱いやすい食品です。今回はハムについて、実際にどのような栄養成分が含まれているのか、ダイエット中の食べ方などに注目して解説します。

ハムの「カロリー」と「糖質」

ハムや一般的によく食べられているほかの加工肉に含まれているカロリーと、糖質の量について紹介します。

ハムのカロリーと糖質(可食部100g)

ロースハム
エネルギー……211kcal
糖質……1.2g

ハム1枚 約20g

ボンレスハム
エネルギー……115kcal
糖質……1.2g

ショルダーハム
エネルギー……221kcal
糖質……0.6g

生ハム
エネルギー……253kcal
糖質……0g

生ハム1枚(国産 小) 約5g

出典:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」

ほかの加工肉(可食部100g)との比較

加工肉の種類 エネルギー(kcal) 糖質(g)
ロースハム 211 1.2
ボンレスハム 115 1.2
ショルダーハム 221 0.6
生ハム 253 0
ソーセージ 319 3.1
ベーコン 400 0.3
サラミ 335 2.9
コンビーフ 191 1.0

以上のように、加工肉は全体的にエネルギーが多く糖質は少なめですが、その中でもハムのエネルギーは平均的で糖質が少ないことがわかります。

同じハムでも部位によってカロリーや糖質量が異なるため、ダイエット中は部位も選びながら上手に取り入れるとよいでしょう。

出典:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」

ハムに含まれるそのほかの栄養素

カロリーや糖質以外で各部位のハムに多く含まれる一般的な栄養素について紹介します。
可食部100gあたり

ロースハム ボンレスハム ショルダーハム 生ハム
たんぱく質(g) 18.6 18.7 16.1 25.7
脂質(g) 14.5 4.0 18.2 18.4
炭水化物(g) 2.0 1.8 0.6 0
食物繊維(g) 0 (0) (0) (0)
リン(mg) 280 340 270 200
ビタミンB1(mg) 0.70 0.90 0.70 0.90
ナイアシン(mg) 11.0 10.0 9.0 13.0
ビタミンC(mg) 25 49 55 Tr
食塩相当量 2.3 2.8 1.6 5.6

出典:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」

ハムに多く含まれる「栄養素」

ハムに含まれる栄養素のうち、代表的な働きを持つ栄養素について解説します。

ビタミンB1

水溶性のビタミンB群の一つで、別名疲労回復のビタミンとも呼ばれる栄養素です。糖質の代謝や神経系の機能を正常に保つことに関わるため、不足すると糖質からうまくエネルギーを作れなくなり、イライラしたり、集中力が失われたりといった症状が現れます。

また、慢性的に不足した場合は脚気と呼ばれる末梢神経の障害が見られることもあり、アルコールや菓子類、清涼飲料水の摂取が多い方は注意が必要です。

たんぱく質

たんぱく質は体の組織やホルモンなどあらゆるものの材料となる成分で、体の中では日々たんぱく質が分解されて新しく作られているため、不足しないように注意が必要な栄養素です。

不足すると筋力の低下、代謝の低下が起こるほか、女性であれば月経不順、子どもは成長不良を引き起こす危険もあります。

またたんぱく質の代謝にはビタミンB6が関わりますが、妊娠中で必要量が増えたり、腸内環境が乱れて腸で作れなくなったりすると不足することもあるため、合わせて積極的に取り入れるとよいでしょう。

ダイエット中に気をつけたい「摂取方法」

ダイエット中に、ハムを食べる場合におすすめする量や時間帯、食べ方について解説します。

1日に食べるのにおすすめのハムの量

ハムなどの加工肉は、毎日一定量を摂取し続けることでがんになるリスクが高くなるという研究結果が出されたこともあり、1日の中で3食とも食べるような食べ方は避けた方がよいでしょう。

糖質は少ないため、ダイエット中には嬉しい食材ですが食べすぎることでとくに塩分の摂りすぎにつながります。

健康寿命のための目標の中にも食べすぎないようにする旨が記されており、量に気をつけて毎日ではなく適度に取り入れるようにしたい食材です。

ハムを食べるのに適した時間帯

量を食べすぎず、組み合わせに気をつければ、とくに避ける時間帯はありません。ただし、ハムカツのように衣で糖質や脂質が追加されているようなものは、できるだけ日中を選びましょう。

夜遅い時間に食べてしまうとその後の活動量が少なく、食べた分を消費できないため、体脂肪として蓄積されやすくなります。

また、朝に比べて血糖値も上がりやすく太りやすくなるため、フライなどに加工した料理の場合は夜の時間帯を避けた方よいでしょう。

気をつけたいハムの食べ方

ハムを食べる際には、調理法と組み合わせに注意するとよいでしょう。ハムに含まれるビタミンB1は水に溶けだしやすく、熱で壊れやすい性質を持つため、できるだけ加熱せずにそのまま食べるのがおすすめです。

加熱する場合もサッと焼くか炒めるか、スープの具材のように栄養素が溶けだした水分まで食べられるようなものを選びましょう。また、お酒のつまみにする場合は、ハムのほかにも塩分の多い食品を食べないように注意が必要です。

「美容」への影響を減らすために

料理に上手に取り入れる

ハムを取り入れる際には美容と健康のためにも単品で食べるより、料理の中に取り入れるのがおすすめです。

前菜でよく見かける生ハムメロンのように生ハムとフルーツや野菜を組み合わせた前菜やサラダは、フルーツや野菜に含まれるカリウムがハムの塩分を排出するのを助けてくれる上、ハムの旨味と塩分を生かせば、ドレッシングなどの追加の味付けを控えることもできます。

またメロンなど、たんぱく質分解酵素を含むフルーツの場合はハムの消化も助けてくれるため、組み合わせを工夫するとよいでしょう。

管理栄養士

川島 尚子

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

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