サヨリの「栄養」と「糖質」まとめ|ダイエット・美容への取り入れ方
サヨリは大別すると、サンマと同じ分類になる魚です。成長すると、細長い40cmほどの姿になります。お腹の中が黒い膜で覆われていることから、腹黒いことのたとえにされることもある魚です。あまりメジャーな魚ではないかもしれませんが、旬は秋と冬から春にかけての2回に分かれ、さまざまな場所で獲れます。今回はそんなサヨリにはどのような栄養素が含まれ、ダイエットや美容へどのような効果があるのか解説します。
サヨリの「カロリー」と「糖質」
一般的な品種のサヨリやよく食べられている魚に含まれているカロリーと、糖質の量について紹介します。
サヨリのカロリーと糖質(可食部100g)
サヨリ
エネルギー……88kcal
糖質……Tr
1尾(約40cm) 約70g
出典:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
ほかの魚類(可食部100g)との比較
魚の種類 | エネルギー(kcal) | 糖質(g) |
---|---|---|
サヨリ | 88 | Tr |
マグロ(養殖) | 153 | 0.3 |
アジ | 112 | 0.1 |
タイ(養殖) | 160 | 0.1 |
サケ(白鮭) | 124 | 0.1 |
以上のように、サヨリは魚の中でもエネルギーが少ない魚です。魚類は基本的にどの魚も低糖質であることが多く、差が出るのはエネルギーになります。サヨリは脂質が少なく淡白な魚であるため、カロリーも他の魚より少なく、ダイエット中には安心して食べることができる魚です。
出典:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
サヨリに含まれるそのほかの栄養素
カロリーや糖質以外でサヨリに多く含まれる一般的な栄養素について紹介します。
可食部100gあたり
サヨリ | |
たんぱく質 | 19.6g |
脂質 | 1.3g |
炭水化物 | Tr |
食物繊維 | (0)mg |
亜鉛 | 1.9mg |
ビタミンD | 3.0μg |
ナイアシン | (8.8)mg |
ビタミンB6 | 0.33mg |
ビタミンB12 | 5.5μg |
食塩相当量 | 0.5g |
DHA | 240.0mg |
EPA | 53.0mg |
出典:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
サヨリに多く含まれる「栄養素」
サヨリに含まれる栄養素のうち、代表的な働きを持つ栄養素について解説します。
ビタミンB12
ビタミンB12は水溶性のビタミンで、赤血球を作る時に必要な成分です。そのため、別名「造血のビタミン」と呼ばれます。ビタミンB12を貯蔵するのは、基本的には肝臓です。腸内でも作ることができるため、あまり不足することはないとされます。しかし、不足すると貧血や末梢神経の傷の修復の遅れから、肩こりや腰痛などの原因となります。
眼精疲労の回復や睡眠を促す効果もあることから、夜遅くまで仕事をして不規則な生活習慣になりがちな方や、PC作業の多い方は積極的に取り入れるようにするのがおすすめです。
亜鉛
亜鉛は微量ミネラルの一種で、体の中で主に新陳代謝に関わる酵素の材料となる成分です。食べ物から得た栄養素を体の中で使える形に変えるためになくてはならないものですが、微量ミネラルの中では最も不足しやすいと言われて、積極的に摂取すべき栄養素だとされています。
不足すると味覚障害が起こるほか、肌のかさつきや皮膚炎、脱毛、免疫機能の低下なども引き起こすため、注意が必要です。さらに、男性の場合は生殖機能の低下、女性の場合は妊娠中の場合胎児の成長不良や奇形を引き起こすなどのリスクが高まるため、意識して摂取するようにしましょう。
ダイエットに効率的な「摂取方法」
ダイエット中にサヨリを食べる場合におすすめする量や時間帯、食べ方について解説します。
1日に食べるのにおすすめのサヨリの量
サヨリは低糖質・低脂質な魚であるため、ダイエット中も特に量は制限する必要のない魚です。豊富に含まれるビタミンB12は、1尾で1日分を摂取できるため、1尾を目安にするとよいでしょう。極端に食べ過ぎて食事のバランスが崩れ、ほかの栄養素に偏りが出なければ問題ないため、積極的に取り入れるのがおすすめです。
サヨリを食べるに適した時間帯
低糖質・低脂質なサヨリはたんぱく質が豊富な食材のため、特に避けるべき時間帯はありません。ただし、天ぷらやから揚げなど、衣(小麦粉等)の糖質や油が付加されるような調理法のものは、夜遅い時間帯に食べ過ぎないようにしましょう。その点に気をつければ、ダイエット中でも安心して食べることができます。
サヨリの栄養を効率良くとる方法
ビタミンB12は、水溶性のビタミンです。そのため、椀だねのように湯引きするような調理法よりも、刺身のように生でそのまま食べる方が効率よく摂取できます。
加熱によって失われやすいDHAやEPAも多く含まれるため、その意味でも刺身で食べるのがおすすめです。加熱する場合は、揚げ物よりは塩焼きにしましょう。また、蒸し料理や汁物などにした場合には、水分に溶け出た栄養素を逃さないように汁ごと食べるとよいです。
「美容」への作用・メリット
ダイエット効果
サヨリに豊富に含まれるたんぱく質は、筋肉を作る材料です。そのため、不足すると筋肉が減ってしまいます。筋肉の量が減ると、その量に比例して減少するのが基礎代謝と呼ばれる値です。基礎代謝はじっとしていても消費するエネルギーの量を表し、高いと痩せやすいと言われます。ダイエット中には、基礎代謝を高く保つ意識が必要です。
低糖質・低脂質であるサヨリはダイエット中のたんぱく質補給のために適した食品であるため、積極的に取り入れるとよいでしょう。
美肌・美髪効果
サヨリに豊富に含まれるたんぱく質は、肌や髪を作り出すコラーゲンの材料となり、美肌を作る上でも欠かせません。また、亜鉛によって新陳代謝を高めて新しい皮膚や髪を作ることで、肌を若々しく保ち、薄毛や抜け毛を防ぐ効果も期待できます。
ほかにも、サヨリに含まれるビタミンB12には睡眠のリズムを整える働きがあるとされます。質のよい睡眠は、成長ホルモンの正常な分泌に有効です。サヨリは、美肌・美髪のためにもおすすめな食材です。
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。
料理教室運営会社で講師やメニュー開発に従事後、パティシエへ転向。現在は企業様向けのレシピ開発やコラム執筆、オンラインショップやオーダーメイド菓子の制作を行う。ヘルシーなものから子供向けまで幅広く対応。