シジミの「栄養」と「糖質」まとめ|ダイエット・美容への取り入れ方
淡水もしくは海水と少し混ざった水域で育つ二枚貝の一種の、黒くて小さなシジミですが、その高い栄養価から日本人の食生活に昔から取り入れられてきた食材です。通年流通しており、今ではインスタントでも手軽に食べられるようになったことで、より取り入れやすくもなっています。
今回はシジミにはどのような栄養素が含まれ、ダイエットや美容へどのような効果があるのか解説します。
シジミの「カロリー」と「糖質」
シジミや一般的によく食べられているほかの貝類に含まれているカロリーと、糖質の量について紹介します。
シジミのカロリーと糖質(可食部100g)
シジミ
エネルギー……54kcal
糖質……(4.5g)
10個 約30g
シジミ(水煮)
エネルギー……95kcal
糖質……(5.5)g
出典:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
ほかの貝類(可食部100g)との比較
貝の種類 | エネルギー(kcal) | 糖質(g) |
---|---|---|
シジミ | 54 | (4.5) |
シジミ(水煮) | 95 | (5.5) |
アサリ | 27 | (0.4) |
カキ | 58 | 2.5 |
ホタテ | 66 | 1.5 |
サザエ | 83 | 0.8 |
以上のようにシジミは生の場合、ほかの貝類と比較するとエネルギーは平均的で、水煮になると高めになっていることがわかります。
一方、糖質はどちらもほかの貝類より多くなっていますが、1食あたりに食べる量で考えるとそれほど多くなることはないといえるため、ダイエット中にも制限せずに食べられる食材です。
出典:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
シジミに含まれるそのほかの栄養素
カロリーや糖質以外でシジミに多く含まれる一般栄養素について紹介します。
可食部100gあたり
シジミ | シジミ(水煮) | |
たんぱく質(g) | 7.5 | 15.4 |
脂質(g) | 1.4 | 2.7 |
炭水化物(g) | (4.5) | (5.5) |
食物繊維(mg) | (0) | (0) |
カルシウム(mg) | 240 | 250 |
鉄(mg) | 8.3 | 15.0 |
亜鉛(mg) | 2.3 | 4.0 |
銅(mg) | 0.41 | 0.61 |
ビタミンE(mg) | 1.7 | 3.9 |
ビタミンB2(mg) | 0.44 | 0.57 |
ビタミンB12(μg) | 68.0 | 82.0 |
食塩相当量(g) | 0.4 | 0.3 |
出典:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
シジミに多く含まれる「栄養素」
シジミに含まれる栄養素のうち、代表的な働きを持つ栄養素について解説します。
オルニチン
アミノ酸の一種であるオルニチンは血液中に存在して体中をめぐり、主に肝臓の働きを助けて疲労回復に役立つ成分です。
体の中ではエネルギーを作るときに、老廃物として有害なアンモニアが作られますが、増えすぎると疲労を感じるようになります。それを肝臓で、無毒化するのを助けているのがオルニチンです。
またアルコールの分解にも関わり、二日酔いの予防をすることや、ストレス軽減や睡眠の改善にも効果があるとされています。
鉄
鉄は必須ミネラルの一種です。そのほとんどが血液中に存在して赤血球を作る際に使われ、全身に酸素を運ぶ役割を持っています。貧血の原因のほとんどが鉄不足とされ、不足しがちな栄養素としても有名です。
とくに成長期の子どもや月経のある女性などは必要量も多いため、1日の摂取量を補えるよう、意識して毎日取り入れるようにしましょう。
ダイエットに効率的な「摂取方法」
ダイエット中にシジミを食べる場合におすすめする量や時間帯、食べ方について解説します。
1日に食べるのにおすすめのシジミの量
シジミは低カロリー、低糖質、低脂質の食材であるため、明確な上限はありません。食べすぎによって健康被害が出る鉄などのミネラルに関しても、1回あたりの摂取量で考えたときに1日でその値を上回ることは難しいでしょう。
そのため、極端に多量に食べてしまいほかの食事とのバランスが崩れなければ、とくに制限せずに積極的に取り入れて問題ないといえるでしょう。
シジミを食べるに適した時間帯
シジミに含まれる栄養素から考えて、とくに避けるべき時間帯はありません。お酒を飲む人の場合は、シジミに含まれるオルニチンがアルコール代謝を助けてくれる働きを持つため、お酒を飲んだあとや翌朝二日酔いの場合にシジミを摂取すると効果的だとされています。
飲酒習慣がある人は、意識して取り入れるのがおすすめです。
シジミの栄養を効率良くとる方法
シジミに含まれるオルニチンは冷凍することで増えるとされているため、購入したら砂抜きをしてから一度冷凍して使うとよいでしょう。また水溶性のビタミンやタウリンも含んでいるため、シジミ汁のようにだし汁を味わい、溶け出した栄養素まで食べられるような調理法がおすすめです。
「美容」への作用・メリット
美肌・美髪効果
シジミに含まれるオルニチンには、新陳代謝を高める作用があります。新陳代謝が上がることで古い角質が落とされ、新しい肌に生まれかわるため、美肌を保つのに効果的です。
また美容のビタミンとも呼ばれるビタミンB2によっても、皮膚や髪が新しく生まれかわるのが助けられるため、シジミは美容のためにも取り入れたい食材といえるでしょう。
ダイエット効果
シジミに含まれるタウリンには運動時の脂肪燃焼を高めてくれる効果があるため、ダイエット中に取り入れたい栄養素の一つです。コレステロール値を抑え、むくみや便秘の解消にも役立つため、体から余分水分や老廃物が出ていくことでもダイエットの助けとなります。
また、糖質や脂質の代謝に関わるビタミンB2も含まれるため、ダイエットに向いている食材の一つです。
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。
料理教室運営会社で講師やメニュー開発に従事後、パティシエへ転向。現在は企業様向けのレシピ開発やコラム執筆、オンラインショップやオーダーメイド菓子の制作を行う。ヘルシーなものから子供向けまで幅広く対応。