ナッツの「栄養」と「効能」まとめ|ダイエット・美容への取り入れ方
香ばしい風味と噛みごたえのある食感がクセになる食材、ナッツ。健康や美容によい、と聞いたことがある人は多いのではないでしょうか。この記事ではダイエットや糖質制限などを行っている方へ、ナッツの糖質や栄養素を見ながら、おすすめの食べ方を管理栄養士がご紹介します。
ナッツの「糖質」と「カロリー」
ナッツ(可食部)10gのエネルギーおよび糖質
主なナッツ類のエネルギーと糖質は、以下のとおりです。
10gあたりの 栄養素 |
アーモンド | ピーナッツ | くるみ | ピスタチオ |
---|---|---|---|---|
エネルギー(kcal) | 61 | 61 | 71 | 62 |
糖質(g) | 1.0 | 1.0 | 0.4 | 1.2 |
出典:文部科学省|日本食品標準成分表2020年版(八訂)
ほかの食べ物(可食部)10gとの比較
食べ物の種類 | エネルギー(kcal) | 糖質(g) |
---|---|---|
ほうれんそう(葉/通年平均/ゆで) | 2 | 0 |
じゃがいも(塊茎/皮なし/水煮) | 7 | 1.4 |
えだまめ(ゆで) | 12 | 0.4 |
出典:文部科学省|日本食品標準成分表2020年版(八訂)
ナッツはほかの食べ物に比べると、10gあたりのエネルギーと糖質が高いことがわかります。
ナッツに多く含まれる「栄養素」
ナッツ10gに含まれる主な栄養素は、以下のとおりです。
10gあたりの 栄養素 |
アーモンド | ピーナッツ | くるみ | ピスタチオ |
---|---|---|---|---|
たんぱく質(g) | 2.0 | 2.5 | 1.5 | 1.7 |
脂質(g) | 5.4 | 5.0 | 6.9 | 5.6 |
食物繊維(g) | 1.1 | 1.1 | 0.8 | 0.9 |
カリウム(mg) | 74 | 76 | 54 | 97 |
ビタミンE(mg) | 2.9 | 1.0 | 0.1 | 0.1 |
ビタミンB6(mg) | 0.01 | 0.05 | 0.05 | 0.12 |
出典:文部科学省|日本食品標準成分表2020年版(八訂)
ナッツは全般的に、脂質やカリウムを多く含む食材です。ナッツのなかでもアーモンドにはビタミンEが、ピスタチオにはカリウムとビタミンB6が多く含まれています。
脂質
脂質はエネルギー源となるほか、生命維持に必要とされるさまざまな成分の原料になる栄養素です。しかし脂質を摂り過ぎると、体脂肪として蓄積されてしまいます。ナッツに含まれる脂質は悪玉コレステロールを減らす作用が期待できますが、摂り過ぎは肥満の原因になるため、適量の摂取を心掛けてください。
カリウム
体内の余分な塩分を排出する働きがあり、むくみや高血圧の予防効果が期待できる栄養素です。加工食品やコンビニ食をよく食べる人は、塩分を摂り過ぎる傾向があるため、カリウムを意識して摂取してください。
ダイエットに効果的な「摂取方法」
摂取量
ナッツに含まれる脂質には健康効果が期待できますが、摂り過ぎると体脂肪が増加するおそれがあります。ナッツは脂質だけでなく糖質も多い食材であるため、ダイエット中は食べ過ぎないように気をつけましょう。ダイエット中であれば、1日に20g程度を目安に摂取することをおすすめします。
摂取に適したタイミング
ナッツは、間食として食べるとよいでしょう。ケーキやチョコレート、スナック菓子などに比べると、ナッツのエネルギーと糖質は低めです。ナッツの脂質は健康効果が期待できるものであり、食物繊維などの栄養素も豊富に含まれています。噛みごたえがあるため、少量食べるだけでも満足感が得られることも、ナッツを間食にするメリットです。
ナッツを食べる際の組み合わせ
ナッツは、牛乳と一緒に食べることをおすすめします。牛乳に含まれるビタミンB2は、脂質をエネルギーへ変えてくれる栄養素です。そのため、ナッツに多く含まれる脂質をスムーズに燃焼する効果が期待できます。
ナッツには食物繊維も豊富です。牛乳の水分を吸収して膨らんだ食物繊維は、腸を刺激して排便を促します。便秘が解消され、お腹まわりがすっきりするダイエット効果が期待できます。牛乳には筋肉のもとになるたんぱく質が豊富に含まるため、筋肉量が増えて基礎代謝が上昇し、消費エネルギーが増加する効果もあるでしょう。
「美容」への作用・メリット
ナッツはビタミンやミネラルなどの栄養素が豊富であるため、菓子類の代わりに間食にする食べ方がおすすめです。アーモンドに豊富なビタミンEはサビつきから体を守り、肌にシミやしわがでるのを防ぐ効果が期待できます。ピスタチオに多く含まれるカリウムは、余分な塩分を排出して、むくみを解消してくれるでしょう。ナッツの摂り過ぎは肥満の原因になるため、適切な摂取量を守りながら、ナッツを積極的に食生活へ取り入れてください。
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。
アパレル企業を退職し、栄養士資格を取得。病院栄養士、食品メーカー品質管理、保育園栄養士などを経験する。現在はフリーランス管理栄養士として食・健康に関する記事を執筆する傍ら、日本ワインに合うおつまみレシピを発信している。