女性にも加齢臭があるってホント?真相を医師に直撃!加齢臭の対策も
日常生活で生まれる美容の疑問を専門家に答えてもらうこのコーナー。今回は、“ニオイ”について。女性にも加齢臭があるって…ウソ? ホント? 内科医で認定産業医の桐村里紗さんにお答えいただきます。
Q:女性も加齢臭があるってホント?
「女性にも加齢臭があるらしい」……巷で囁かれる加齢臭のウワサ。加齢臭というと、中年をすぎた男性のイメージですが、女性にも加齢臭があるのでしょうか。さっそく、この疑問を桐村先生にぶつけてみました! 果たして先生の答えは……?
A:本当。でも臭いにくい
「加齢臭の発生は、男性に限ったものではありません」(桐村先生・以下「」内同)
女性の加齢臭は閉経後や生活習慣の乱れから発生
「加齢臭は、皮脂が酸化することで起こります。男性ホルモンは、皮脂の分泌を増やしますので、男性のほうが皮脂の分泌が多く、年齢を重ねても皮脂の分泌もそんなに減りません。一方で、女性は、男性よりも皮脂の分泌が少ない上に、年齢とともに皮脂の分泌は減っていきます。さらに、女性ホルモン(エストロゲン)には抗酸化力があるので、皮脂の酸化も防ぎます。したがって、女性の方が皮脂の分泌が少ない上に、臭いにくいのは確か。
とはいえ女性にも男性ホルモンは分泌されています。なので、更年期から閉経後、女性ホルモンが減って男性ホルモンが優位になると、加齢齢が発生しやすくなるのです。また、生活習慣の乱れから30代でも発生する、早期加齢臭もあるのですよ」
女性の早期加齢臭の防ぎ方は?
「早期加齢臭を防ぐには、ライフサイクルを整えてホルモン分泌を乱さないようにすること。そして、体の酸化を防ぐことが大切です。
ライフサイクルを整えるために最も重要なのは、睡眠です。睡眠ホルモンのメラトニンは、体内時計を整え、あらゆるホルモンの分泌を整える最上位の中枢です。さらに、メラトニンは高い抗酸化作用を持っています。夜ふかしをせず、朝寝坊せず、毎日概ね同じ時間に睡眠をとるようにしましょう。また、心身のストレスによって自律神経が乱れることも、女性ホルモンの乱れに繋がります。
現代人は活動時に活発に働く交感神経が過緊張の傾向にあり、ゆっくりとリラックスできる時間が多くありません。こうしたストレスホルモンは、体を酸化させてしまいます。意図的に安らぎの副交感神経を高めるためにも、睡眠だけでなく、1日のうちでどこかは、必ずリラックスタイムを作るように意識してみてくださいね。そのほかにも、軽いジョギングや息が弾む程度の運動を取り入れ、抗ストレス力を高めることも効果的ですよ」
更年期から閉経後の女性の加齢臭予防には大豆と小豆
「更年期から閉経後は、どうしても男性ホルモンの働きが強くなります。これを補うのが、女性ホルモン・エストロゲンとよく似た働きをする“エクオール”。皮脂の酸化という加齢臭の発生メカニズムを抑制する効果があります。
大豆などに含まれる抗酸化成分・イソフラボンは、女性ホルモン様の作用があることが知られていますよね。でも実は、イソフラボンそのものではなく、腸内に暮らす常在菌・エクオール産生菌によって、イソフラボンがスーパーイソフラボンと呼ばれるエクオールに変わることで、その効果を発揮していたことが分かったのです。
日本人の半分くらいの人の腸内には、エクオール産生菌が定着しています。大豆や小豆などをしっかり食べることで、エクオールを腸内で分泌してくれます。しかし、定着していない残り半分の人は、自力ではエクオールを作ることができません。この場合、エクオールをサプリメントで補うほか、エクオールを生産するビフィズス菌BB536を積極的に摂ることをおすすめします。抗酸化作用を持つ野菜や海藻類に含まれるファイトケミカルやビタミンA/C/E、亜鉛、鉄などもしっかり摂取すると、なおよいですね」

文/木土さや
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